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【138】ブルはシスコンだった

 うーん、困った。


 俺は本日の四限目中、ずっと頭を抱えていた。


 お昼休みに理事長室へと向かい、クラン【ウンエイ】を発足したことは良いのだが、ロリさまにクランのメンバーで七人の魔王から称号を奪い取れと命令されてしまったのだ。


 まあ、それ自体は良いんだけど、俺はエディナから魔王の称号を奪い取らなきゃいけないって事に、気付いてしまったのだ。


 エディナから魔王の称号を奪い取ったりなんてしたら、俺が振られた腹いせをしてるみたいでなんかやだ。


 つーか、めっちゃダサい。


 何か今の内に対策を打てないだろうかと考えたが、どれもこれもピンとこない。


 エディナを探して魔王になる前に、クランに引き込む。


 ……振った男のクランなんかに入りたがるだろうか? 俺ならちょっとお断りだし、そもそも気まずくて会いになんて行けない。


 エディナが魔王になる前に、魔王を全員やっつける。


 それこそ現実味がない。七人もいるんだから、エディナ一人を探した方が早いし、探してる間にエディナは魔王になってしまってるだろう。


 なんせティターニアという撒き餌は、既に撒かれた後だ。



「おい、ブル・ドッグ」



 ロリさまにお願いして、エディナが魔王にならないようにして貰おうかな?


 いやいや、邪魔するとか奪い取るよりも姑息な気がするぞ。



「おい、聞いてるのか! ブル・ドッグ!」



 やっぱ、普通に戦って奪うしかないのかなぁ。普段はチャラいけど、ロリさまってば言った事はやらないと容赦ないからなぁ。



「無視をするな!」



 なんだか騒がしいなと思って視線を向けると、そこには顔を真っ赤にしたパリスが居た。


「え? ああ、何? なんか用?」


「貴様! なんだその態度は!」


 辺りを見回すと既に授業は終了しており、みんな帰宅準備をしていた。隣に座っていたフェリちゃんの姿は既に無い。


 冷たあ!


 とりあえず再び因縁を付けて来たパリスへ視線を戻し、ジトッとした目を向けてやる。


「あのさ、決闘に勝ったんだから、俺に因縁付けてくるのやめてくれる?」


「因縁じゃない! お前が決闘に勝っておいて、いつまで経っても聞きに来ないから、こちらから声をかけてやってるんだろうが!」


 ん? なんだっけ? 俺ってパリスに聞きたいことなんてあったっけ?


 俺がクエスチョンマークを浮かべていると、パリスの額に青筋が立った。


「長馬の襲撃事件について、お前は俺に聞くべき事があるだろうが!」


 あー、そういえばそうだった。


 パリスってば、前のブルを殺した犯人なんだっけ?


 学生の内から殺人犯とか、救いようのないやつだね。


 ほんと、悪党が感染るから話し掛けないで欲しい。


「興味ないから良いよ。悪い事はほどほどにね。あと、女の子を泣かせたらマジで怒るから」


「なっ……お前、変わったな」


 ……いいえ、変わってません。別人なだけです。


「俺のした事は確かにやり過ぎだった。それは、この場で謝罪しよう。だが、話を聞かなくて良いのか? これはお前の大切な妹に関わる話だぞ?」


 なん、だと?


 妹……妹が居るのか! 俺には!


 前世で恋い焦がれた妹という存在が、ブル・ドッグには居るというのか!


「話を聞こう」


 俺はスッと席から立ち上がり、パリスに付いて来いと言って教室を後にした。


 行き先はもちろん、ケモケモ喫茶である。




「てめぇはなんで俺に付き纏うんだよ!」


 ケモケモ喫茶で席に着くと、さっそくやって来たフェリちゃんが悪態を吐いた。


 俺とクエストを受ける事になって、シフトを減らされたフェリちゃんだったが、それでも週に二日は仕事をしている。


 今日はそんな希少な一日なのである。


「別に付き纏ってるわけじゃないよ。パリスが俺に話があるって言うから、聞こうと思ってさ」


「わざわざ此処へ来る必要はねえだろう」


「だって、どうせならフェリちゃんの働いてる姿を見たいでしょ?」


「知らねーよ! つか、それが付き纏ってるって言ってんだ! そもそも、レインおじょ……レインはどうした? 放って置いたらまた、怒られんだろうが!」


「あ、忘れてた。いや、でも今日はまだ部活しないって話したし、俺の自由にしても良いと思うんだけど?」


「お前は、まじで三位階級の魔貴族をなんだと思ってんだ!」


「フェリちゃんは気にし過ぎだと思うけど?」


 ガルルルと唸るフェリちゃんだったが、怒りながらも仕事はちゃんとしていく。


 俺とパリスの注文を受けて、直ぐにキッチンの方へと行ってしまった。


「フェリナスと仲が良いんだな」


「どうかな? 怒らせてばっかりだけど?」


「あいつは学園じゃ、ずっと人を寄せ付けなかったんだ。誰が話し掛けても、素っ気無い態度しかとらなかった。それが、お前とは良く喋る」


「まじで? 俺のアタックがじわじわと効いて来たって事だね」


 俺がそう言うとパリスは、目を見開いて驚いた。


「……お前、フェリナスの事が好きなのか!?」


「うん、まあ。可愛いし、好みのタイプだね」


「おい! 一体どうしちまったんだ!? 極度のシスコンだったお前が、妹以外の女を好きになるなんて! 頭でも打ったのか!?」


 えー? どういうこと?


 シスコン? パリスにもめっちゃ恨まれてたし、前のブルって結構やばい奴だったんじゃないのかな?

読んでくださりありがとうございます。


雨に打たれたキャンプのお陰で、死んだように寝ていました。

山じゃなく、結局人気の無い川沿いになってしまったけどね!

お友達も出来ました。

野生のネコミミちゃんです。

あいつら、餌あげたら擦り寄って来やがって!

ちくしょうっ! 可愛いじゃねえか!

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