【136】ロリさまの条件
昨晩、就寝前に日記を書いて、ロリさまに部活についての相談をした。
結構細かく書いたんだけど、ロリさまからの返答は、
『明日、理事長室に来い!』
たったそれだけであった。
というわけで。
俺は本日、理事長室の前までやって来ていた。
そして、俺の後ろにはフェリちゃんとレインが付いて来ている。
「……なあ、いきなり理事長室に来て大丈夫なのか?」
フェリちゃんが不安気な声を上げるが、レインは落ち着いたものである。
「フェリナス、ブルの話を聞いてなかったの? 日記の中で、アウナス様はここへ来いと仰ったのよ」
「……いや、そうですけど……レインお嬢様は、ブルの話を信じてるんですか?」
「ええ、疑う余地はないわ。それと、敬語はやめなさいと言ったでしょう」
「……はあ、そうは言われても……」
フェリちゃんが苦笑いを浮かべる。
実は、昨日の内にレインには部活の話をしていた。
俺は勝手に始めようとしてたんだけど、フェリちゃんがレインに伝えないのはマズイだろうと言い出したのだ。
まあ、もともと誘うつもりでもあったから、食事の後に二人で話をしに行ったら、レインが恨めしそうな顔で俺を待ち構えていた。
どうやら、フェリちゃんと二人でクエストに行ったのがお気に召さなかったようで、グチグチと文句を言われてしまった。
パートナーの私を放って置くなんて! と、お怒りの理由はよくわからないものだったけど。
ともあれ、ウンエイを作るって話をしたらレインは乗って来たし、急にフェリちゃんとも仲良くする気になったみたいだった。
レインが何を考えてるのか、本当によくわからん。
フェリちゃんも普段の調子で話せって言われてたけど、三位階級の魔貴族相手だと、なかなか調子が出せないみたい。
レインがどの位偉いのか、それについてもやっぱりようわからん。
理事長室の扉をノックする。
すると、中から幼い声が返って来た。
『入れ!』
相変わらず偉そうだなあと思って入室すると、そこには予想通り、ぺたんこの胸を反らしてふんぞり返るロリさまの姿があった。
「この方が?」
俺がそうだよと答えると、レインとフェリちゃんはすぐさま跪いて頭を下げた。
「よい、頭をあげよ」
ロリさまに言われて二人は、ゆっくりと顔をあげるけど、膝をついたままの姿勢を崩さない。
みんな真面目だよね。
ロリさまは神様だけど、結局ロリさまなのにね。
「ところでさ、なんでロリさまが理事長室にいるのさ」
「ふん、何も不思議なことなぞあるまい。我こそがカード創造主にして、委員会の代表。そして、学園の理事長である神。アウナスなのだからな!」
「色々やってるんだね」
「黙れクソ犬! そんな態度だから、ぺたんこエルフに愛想を尽かされるのだ!」
あー! それ言う? 言っちゃうの?
ロリさまって実は性格悪くね?
「だが、クソ犬の割には面白いことを考える。組織を用いて世界を牛耳るか……よろしい許可しよう」
いや、牛耳るって、そんな話はしてないんですが? ん? え? しかも認めたの? このロリ。
「ただし条件がある。委員会所属のクランとして組織を立ち上げろ。学生の内は部活として活動するといい。そして、その組織から選別した人物で、現在闘士としての最高位にある七人の魔王。そやつらを全てすげ替えろ。それが出来るならば他は好きにして良い」
「えー、魔王になっちゃったら、俺のまったりスローライフからかけ離れるんだけど……」
「クソ犬が魔王になってどうする。寧ろ貴様のような向上心のない者が魔王になっても、現行の魔王供と何も変わらぬ。お前以外の者が魔王になるのだ。例えばそうだな。貴様の後ろで膝を付いている二人とかな」
ロリさまがチラリと視線を向けると、真剣にロリさまを見つめていた二人は瞳の奥が揺れていた。
「それが出来るのならば、お前が組織を立ち上げ、好みの女を囲うことを認めよう。多少であれば、手助けしてやっても良い」
え、まじで! ってちょっと待て。
俺はロリさまの許可が欲しくて相談したんじゃなくて、組織を作って運営するにあたって、守るべき常識とか、やっちゃいけないこととか、そのあたりが聞きたかっただけなんだけど……。
気が付くと、なんか世界征服みたいなノリになってるんですが……。
「うーむ、ちょっと企画から考え直してきます」
「うるさい、良いからやれ!」
えー、俺の意思とかもう関係ないじゃん!
なんか色々腑に落ちないんだけど、どうやら俺はこれから世界を牛耳る組織を立ち上げることになるらしい。
読んでくださりありがとうございます。
まさかの世界征服編スタート!?
いや、学園編もろくにやってないからそれはないか……知らんけど!




