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134/204

【134】フェリちゃんの事情

 うおおおお! 俺はやるぞおおおお!


 と、意気込んでみたけど、直ぐに何かが出来るわけじゃない。


 組織を作るって言っても、何から始めて良いのかよくわからないからだ。


 組織の運営には、お金も人材もかかる。


 頭金ぐらいは用意出来るけど、俺はそもそも知り合いがそんなに居ないから、人を集めるのは難しい。


 しかも、人を集めるにしても全て可愛い女の子にしたいという欲望を、どうやって満たせば良いのか?


 金や【LG】をチラつかせる?


 うーん、それじゃあ碌な子が集まらなそう。


「ところでさ。フェリちゃんはなんでウンエイに入りたいの?」


「そりゃあ、一流の闘士になりたいからだ」


「一流になってどうするの?」


「そりゃあ……カッコ良いだろ、一流って」


「……それだけ?」


 なんとなく聞き返したことだったけど、フェリちゃんの表情は真剣なものへと変わった。


 青い瞳を薄っすらと細めて、ここではない何処かに想いを馳せてるみたいだった。


「……昔、助けてくれた人がいたんだ」


 そう言ってフェリちゃんは自分の事を語り出した。



 フェリちゃんがまだ小さかった頃の話らしい。


 カダライムって言う、凶悪なモンスターに襲われた事があったんだって。


 フェリちゃんの周りには大人も沢山いたみたいだけど、みんな一斉に逃げ出してしまって、小さかったフェリちゃんは足がすくんで逃げ出せなかったそうだ。


 巨大なモンスターに詰め寄られて、もうダメだって思った時、一人の闘士が現れてカダライムと戦いを繰り広げ、フェリちゃんのことを助けてくれたらしい。


 たった一人で勇敢に立ち向かう闘士の姿。


 魔法や召喚カードを巧みに使って戦う姿が、フェリちゃんの瞳には凄くカッコ良く映ったそうだ。


 胸の高鳴りは、恋とか愛に結び付かず、強い憧れになった。自分もあんな闘士になりたいという憧れに。


 自分のような弱者が困っている時、颯爽と駆け付け手を差し伸べる。


 そんなヒーローみたいな闘士になるのが、フェリちゃんの夢らしい。


 なるほどね。だから、男勝りな口調なんだね。


 でもって、ウンエイに入ることで力を付けられれば、自分の夢に近付くと。


 うーん、合格!


 チート能力を使ってハーレム作りたいだけの俺なんかより、よっぽど真っ当な理由だよ! こういう子にこそロリさまの恩恵を受けて欲しいね!


「取り敢えずさ、ウンエイって組織になってないんだよね。だからさ、ロリさまに相談してみるよ」


「は? ロリ……ってアウナス様のことかよ? つか、相談って気軽に言って、ブルはアウナス様のなんなんだよ」


「マブダチ? 交換日記してるし」


「ぶはっ! 神様と交換日記だ!? 本気で言ってんのかよ!」


「本当だって」


 俺はツクヨミに持ち歩かせている日記を取り出して貰って、フェリちゃんに手渡した。


 それを受け取ったフェリちゃんがページを捲っていくと、その表情がどんどん怪訝なものへと変わっていく。


「……随分とフランクな神様だな」


「まあね。でも、腐っても神だから、日記を忘れた時山みたいなモンスター召喚されてビビったよ」


「このウシドーンってやつか……確かにキャロットが過去に無い凶悪なモンスターに襲われたって話は聞いたが、それってSランクの闘士が倒したんじゃ……そのSランクの闘士って誰だ?」


 う、フェリちゃん鋭い……。


「……俺と一緒にウシドーンと戦った子だよ」


「そいつが【LG】持ちか?」


「…………そうだけど」


「ってことは、そいつの【LG】はブルが【実装】したもんだな!」


 なんでわかんの!


 レインもそうだけど、名探偵多過ぎ!


 俺が驚いた表情をしていると、フェリちゃんは小さく溜息を吐いた。


「いや、【LG】なんてものを【実装】出来る奴が、何人もいるって考える方が不自然だろ」


 まあ、そうだよね。


 しかも俺ってば反応でわかり易いし。


 でもね。エディナの事については、絶対に言わないんだ!

読んでくださりありがとうございます。


何故同じ時間に書き終わるのか!


不思議である!

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