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【130】安らぎの空間

 困った事になった。


 パリスとの決闘から早一週間。


 俺はモテにモテまくったのだ。


 学校に到着すると笑顔で出迎えられ、構内を歩けば学年を問わず知らない人たちに声をかけられる。


 下校の時のお誘いも引っ切り無しだ。


「今日、一緒にカフェに行かないかい?」


「一緒にカードについて語り明かさない?」


「部活やってないみたいだけど、うちの部とか見学に来ないかな?」


「罠カードの研究室があるんだけど、一緒に行かない?」


 なんてお誘いが絶え間なくやって来るのだ。


 手放しに喜びたいわけだけど、そんなテンションにならない。


 何故なら、声をかけて来るのは全員男だからだ。


 なんで俺が野郎共と、お茶したり語りあったり研究したりしなきゃいけないんだよ!


 そういうのは女子とやりたいんですけど!


 しかもあいつら……。


「珍しいカードを持ってるんだって? ちょっと見せてくれないかな?」


 とか。


「俺、カードの洗浄機持ってるんだ。君のも綺麗に磨いてあげようか?」


 とか。終いにゃ交換しないかとか言って来る奴もいた。


 ワタツミについて知りたいのはわかるけど、下手くそかよ! 普通に仲良くなって聞いて来るなら、そこまで隠す気はなかったんだけど、目的が見え見え過ぎて教えたくなくなってきた。


 それに比べて、ファイツなんてブルは凄いんだねー。って言ってそれっきりだよ。


 爽やかで、嫌味がなくて本物のイケメンだよアイツは!


 めっちゃウザいから、あいつにはぜってー教えてやらんけども!


 要するに女子にしか興味がないわけ。女好きなの。ハーレム作りたいの俺は。


 そんな感じで野郎からモテモテの俺だったが、女子からはちっともモテない。


 それは何故か?


 レインの所為である。


 何かにつけて俺に付いて来て、パートナーアピールをするもんだから、女子はみんな俺とレインがそういう関係なんだって勘違いして、距離を置いてくるのだ。


 唯一話しかけてくれるのは、純真無垢な委員長と、委員長しか目に入ってないディーナ、そして男にモテモテの俺を涎を垂らしながら眺めているセレナぐらいなもんだ。


 はー、本当に困ったなぁ。


 俺が溜息を吐いていると、コトリと音を立ててカップが差し出された。


「天才でも悩むことがあるのにゃ」


 注文したカフェラテを運んで来てくれたのは、ケモケモ喫茶ネコミミちゃんことメロディだ。


 そう、俺は今、荒んだ心を癒すためにケモケモ喫茶へとやって来ていた。


 珍しいな。いつもは何だかんだ文句を言いながらも、フェリちゃんが運んで来てくれるんだけど。


 俺がそんな事を考えてると、メロディは直ぐに俺の考えている事を見抜いてくる。


「フェリナスじゃなくてすまないにゃ」


「別に誰が持って来てくれても文句なんてないよ。みんな可愛いし」


「ありがとにゃ! でも、ブルの担当はフェリナスって決まってるのにゃ」


 なにそれ? 担当とか決まってるの?


「ブルはうちの店が進化する為のブレインにゃ。そのブレインが、いつも尻をにゃがめてる店員を担当に付けるのは当然のことにゃ」


 なんたる采配! そして、俺ってばすーぐバレちゃうんだから!


「お尻じゃなくて、眺めてるのは尻尾ね。モフモフの尻尾が揺れてるのってなんか可愛くない?」


「むー、メロディの尻尾はモフモフしてないにゃ」


 そう言ってメロディは、スルッと伸びた毛並みの良い尻尾をフリフリしてみせた。


「むー、これはこれで可愛い!」


「さすがブレインは世辞が上手いにゃ」


 メロディは嬉しそうにクルリと回ってみせる。


 うーん、やっぱケモっ娘はみんな可愛いな。


「あ、来たのにゃ」


 俺がメロディの尻尾に目を奪われていると、メロディがスタッフルームの扉に目を向けて言った。


 つられてそちらに視線を向けてた瞬間、俺は思わずガタンッと立ち上がっていた。


 スタッフルームから姿を現したのはフェリちゃん。


 そして、フェリちゃんは恥ずかしそうに頰を赤らめている。


 強気なフェリちゃんが恥じらう姿もたまらないが、何より目を惹くのがその格好である。


 黒と青を基調としたメイド服。


 胸元が際どく開き、前屈みになると大きく谷間が見えてしまいそう。


 丈の短いフリフリのついたスカートもギリギリまで攻めている。白の長いハイソックスと織りなす絶対領域の破壊力は抜群である。


 スカートを少し持ち上げて、モフモフの尻尾が緊張の為かピンと張っている。


 だがそれもまた可愛い。


 青い髪に白のカチューシャも映えて、フェリちゃんの可愛いさは五割増し、いや、五倍増しぐらいになっている。


「チッ、あんまみんじゃねえよ」


 普段よりも弱々しい声音に、俺の萌え心は大爆発である。


 チラリとメロディへ視線を向けた俺は、目が合うとグッと親指を立てた。


 メロディもしたり顔でサムズアップしてきて、俺たちはニヤニヤと笑うのであった。

読んでくださりありがとうございます。


気が付けばブクマ100を越えてて草!


ではなく、ご登録ありがとうございます。


これからも頑張らずに書き続けますので、生温かい目で見守ってやってください。


評価もありがとうございます。

まだの方! 最新話の下の方から出来ますよ!

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