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【123】三人目の【LG】

 さあ、【実装】開始だ。


 実装するのは久し振りな気がするけど、たぶん大丈夫。過去に失敗したのは、レアリティを超過したカードを【実装】しようとした時だけだ。


 前世のイメージはしっかりと出来ている。


 あとはそれを手繰り寄せるようにすれば良い。


 俺が想像するのは海。


 どこまで続く果てしない海原の中に、ぽつりと立つ水色の髪をした少女だ。


 白と青の鎧を纏い、凛と佇む姿。長い髪を風になびかせ、切れ長の瞳が射抜くような視線を向けた。


 彼女と視線が合い、あとはその姿にそっと手を伸ばして引き寄せようとした時。


「ちょちょっ! いきなり何をしようとしてるのよ!」


 レインの言葉で俺のイメージは、霞がかかってしまった。


 あのさあ、邪魔しないでくれるかな?


「なんで【白無垢】なんて取り出してるのよ! しかも銀って! それ一枚で入学金を何回支払えると思ってるの!」


 入学金は何回も支払いませんけど。


「というか、今【実装】するところだから、静かにしてくれる?」


「いや、そんなしれっと【実装】なんてされたらたまらないわよ! 実装士だって十に一つも成功しないんだから!」


「昨日話したじゃん。ツクヨミとセンは俺が【実装】したって。同じことをするだけだよ」


「同じって、【LG】を【実装】するなら、相応の設備が必要なんじゃ……え? ほんとに? そんなしれっと【実装】したの?」


「そうだよ。まあ、静かにして見ててよ」


 何か言いたげだったレインを制して、俺は先ほどのイメージを呼び覚ます。


 再び海原に立つ水色の髪をした少女を思い浮かべ、その姿に向かって手を伸ばした。


 さあ、こい。大いなる海の化身―――ワタツミ!


 俺が心の中で叫ぶと【白無垢】のカードが淡く発光した。


 そして、光が収まると、そこには青と白を基調とした美麗なカードが出来上がっていた。


 【LG】【海神:ワタツミ】


 カードに美麗な絵が描かれると同時に、俺の目の前には水色の髪をした少女が現れた。


 スラリと高い背丈、切れ長の瞳と長いまつ毛。鎧を纏い堂々とした立ち姿は、可愛いというか綺麗な感じだ。


 ツクヨミやセンと違い、彼女のことはその性能もさる事ながら、素直にカッコ良いと思っている。


 そして、いかにもアタッカーのような格好をしているが、ワタツミはヒーラーである。


 攻撃をするとダメージ量に応じて回復する。しかもパーティー全体が。加えて、状態異常を回復させるスキルとリキャストは長いけど、仲間を復活させるスキルも持っている。


 その分火力は落ちるんだけど、水属性の彼女に対しては雷属性のセンのバフが乗算されて掛かる為、バフが切れなければ攻撃力はセンよりも高いという天晴れな性能だったのだ。


 ツクヨミ、セン、ワタツミ持ってない奴おりゅー?


 スレでは、そんな煽り文句が飛び交うほど、彼女たちは完璧な組み合わせだったのだ。


 まあ、俺が死んじゃうまでの話だけど。その後もインフレしまくって、ヤバイのキャラが出てるかもしれないけど、当時、彼女たちが最強の組み合わせだったのは間違いない。


 俺がワタツミに話し掛けようとすると、急に膝がガクッと沈んで尻餅をついてしまった。


 なんだ? と思って振り返ると、ツクヨミが尻餅をついた俺にそのままと合図して、ワタツミに向かって親指を立てる。


 それを受けて、ワタツミはやれやれといった表情を浮かべたあと、キリリと俺に視線を向けた。


「問おう! あなたが私のマスターか」


「いや、それツクヨミもやったヤツだから! ダメなヤツだから!」


「申し訳ない我が主君。ツクヨミパイセンがやれと視線で訴えていましたので」


 俺がツクヨミに視線を送ると、ツクヨミは何故かうんうんとご満悦であった。


 何がしたいのこの子。


「ともかく、これから宜しくね。ワタツミ」


 俺が立ち上がり、握手をしようとワタツミへ手を差し出すと、ワタツミは膝を折って俺の手を下から添えるように受けて、手の甲に軽く口づけをする。


「常しえに」


 やだこの子、まじイケメン!

読んでくださりありがとうございます。


仕事終わりにお弁当を買いに行ったら、ご飯がないと言われました。

じゃあ、良いですって店を出ちゃったんだけど、よく考えたら、うちには2分でご飯があったのだった。おかずだけ買って帰れば良かった。

こんな時頭の良い人なら、店を出る前にピピーンと思い付くんだろうなって思ったどうでもいい話。

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