【112】委員長なの
四限目は魔法カードの授業。
この授業も一学年目はカードの種類を覚える事が主体になるみたい。
俺は初めて授業を受けるんだけど、授業開始早々に用紙を配られて担当の先生はこんな事を言う。
「それでは、予告通り小テストを始めます。平均点以下の生徒は追試がありますから頑張ってください」
いや待て! 聞いてないって。
今まで魔法カードの授業なんて一度も受けてないのに、わかるわけがない。
一応手を挙げて質問してみたけど、取り敢えずやれだそうです。酷くね?
若干不貞腐れながらも、開始の合図と共に用紙を表にして問題を見てみると……。
『一日の使用限度回数が三回の【魔法】カードを五つ述べよ』
ふむふむ、つか、三回上限のカードって結構ないか? 五つだったら簡単だな。
【C】【投石(小)】、【C】【消臭(小)】、【R】【水】、【UC】【火】、【R】【火球】っと。
えーっと、次は。
『相手の動きを封じる事が出来る魔法カードを述べよ』
【拘束】かな。
そんな感じで俺は意外と問題が解けた。
よくよく考えると、俺は転生前に一度、頭の中に全ての魔法カードの情報が浮かんでいる。そこにエディナからも色々と説明を補足されていたので、魔法カードに関しては意外と詳しかったりもする。
お陰様で小テストは何の問題もなかった。
時間が余ったので、暇そうにしていると先生がやって来て俺の答案用紙を手に取って覗き見る。
「さすが、入試の成績が優秀だっただけの事はある。一度も授業を受けていないのに大したものだね」
「いえ、割と適当に埋めただけですよ」
「全て正解しているのに、そのような謙遜をしては嫌味に聞こえてしまうよ」
え? まじっすか? ほんとに、三割ぐらいは適当に書いたつもりだったんだけど……俺ってば結構やるやん。
そんな事を思っていたら、教室内が騒ついた。
まじかよ。とか、入学したてで? とか色々聞こえて来る。やべ、なんかまた注目されてるんだが……。
皆さんテスト中ですよ。怒られちゃいますよ。
案の定、先生に注意された生徒たちは、直ぐ答案用紙に向き合う。
お昼の時も、レインと一緒にいるだけでなんか見られてたし、センやツクヨミが目立ったあとに空間移動なんてするから噂になってんだけどな。
あの場では、フェリちゃんに誤魔化すような事を言っちゃったけど、あとでフェリちゃんには色々教えてあげよう。
仲良くなりたいし。
そんなこんなで本日の授業は終わりを告げた。
放課後は部活とか、各先生が担当する研究室とかに所属したり、学園の紹介でアルバイトをして過ごす人が多いみたいだ。
俺はどうしようかな?
俺がフェリちゃんに話かけようとしたら、フェリちゃんは筆記用具をしまって直ぐに席を立った。
俺も席を立ってフェリちゃんを追いかけようとしたのだが、突然、凄い勢いで他の生徒たちに囲まれてしまった。
「ねえ、ブル・ドッグさんはレイン様とどういう関係なんですか?」
「食堂で従者が消えたって聞いたんだけど?」
「フェリナスとは知り合い? あの子取っ付き難いっていうか、怖いんだけど?」
男女数名が俺を取り囲み、質問を浴びせてくる。
俺氏モテ期到来の予感!
でも待って、ちょっと勢いがあり過ぎて怖いんですが。
「皆さん! そんなに迫ったらブル君も困ってしまうの!」
俺が苦笑いを浮かべていたら、ちんまい女の子がみんなを取りまとめた。
たぶん百三十センチぐらいしか身長がない、小さな女の子だけど、目はくりっとしていて堂々としている。
「私はペトリーナ、Cクラスの委員長をしているの。よろしくなの」
おっと、眼鏡をかけた委員長っぽい子がいたけど、その子じゃなくて、このちんまい女の子が委員長だった!
「うん、ブル・ドッグなの。よろしくなの」
「むぅ、真似しないで欲しいの! これは私の口癖なの!」
「わかったなの!」
「むうぅぅ!」
なにこの子、めっちゃ可愛いんですが。
読んでくださりありがとうございます。
GWで解消した筈のストレスが、通勤の電車で容易く上昇中。
こうなったら作品に全部ぶつけてやるの!




