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【108】一限目!

「何をやっている! フェリナス、教室内で暴力を振るうとは何事だ!」


 俺がど派手に吹っ飛んだもんだから、教室内の注目を集めてしまった。


 しかもケモ美人……フェリナスって言うのか、うん、名前も可愛い……じゃなくて、彼女が先生に怒られてしまっている。


 まあ、フェリちゃんが俺を殴ったのは、全面的に俺が悪いわけなんでここはちゃんと俺が謝ります。


 俺は鼻血を垂らしながら立ち上がり、シュタッと手をあげる。


「先生、すみません! 俺が仲良くしようとして、ちょっかいを出したのがいけないんです!」


「ちょっかいを出したかどうかは問題じゃない。私はフェリナスが暴力を振るった事を言っているんだ!」


「暴力? 誰が暴力を振るわれたんですか?」


「ブル・ドッグ、いい加減にしたまえ。現に君は鼻血を流しているではないか」


「え?」


 俺はすっとぼけて鼻を触ってみると、べったりと手に血が付いた。


「なんじゃこりゃー!」


 まるで気が付いてなかったかのようなオーバーリアクション。別にパクリでもなんでもない。なんじゃこりゃに著作権があってたまるものか!


「あー、ちょっと朝に鼻血を出しまして、止まりきってなかったみたいですね。床に倒れた拍子に出てしまったようです」


「何故床に倒れたのかね?」


「ご覧の通りオーバーリアクションなもので。ちょっと押されただけなんですが、大袈裟に転んでしまったみたいです」


 先生は怪しんだような視線を向けてくる。いや、怪しんだというか、実際フェリちゃんが殴ったところを見てるんだろうけどね。


「まあいい。殴られた当人がそこまで言うのなら、非は君にあるのだろう。気を付けたまえブル・ドッグ」


 完全にバレてるけど、なんとか収まって良かった。


 俺がチラリとフェリちゃんをみると、彼女は既に窓の外へと視線を向けていた。


 ですよねー。


 とりあえず鼻血を止めなきゃ。ふきふき。


 その後、フェリちゃんがこちらを向くことなく、朝礼はつつがなく終わった。


 そして直ぐに一限目の講義が始まった。


 一限目は『召喚』カードについての講義。


 一学年目は取り敢えず、カードの種類をひたすらに覚えるみたい。


 分厚い資料を回されて、先生が各召喚モンスターの長所や短所を述べていく。


 【C】から始まって、時折【SSR】の話も混じってくる。けど、正直【SR】以下の召喚モンスターを覚えたところで実戦では何の役にも立たない。


 特に俺は、【SSR】どころか【LG】も自分で【実装】できるから、既存のカードの情報なんて必要ないのである。


 しかし、ある程度は覚えないと進級できなくなってしまうので、仕方なく少し頭を使う事にした。


 えーっと、【UC】の【ベロチュー】は、深海の魚のモンスターで、陸上では生きられないっと。あー、つまりディープキスってことね。はいはい。

つか、モンスターじゃなくても魚は陸上じゃ生きれないだろ!


 それで、【R】の【ティーレックス】は、植物のモンスターか。恐竜と間違えそうだな。ん、なになに、【ティーレックス】に生える葉を乾燥させてお茶にすると極上に美味いと。うーん、レックスって王って意味じゃなかったっけ? あー、なるほど、お茶の王様っと。


 俺は取り敢えず、覚え易いように連想して書き留めてるけど、先生は名前の由来とか歴史なんかも合わせて説明していた。


 ぶっちゃけこんな適当な名前考えてるのってロリさましかいねえから。その由来とか歴史多分間違ってるから。


 というわけで、俺はその辺の話は聞かないでおく。というか覚えたくない。


 みんなは真面目にカキカキしてるけど……えー、それも試験に出る感じ?


 まあいっか、ほどほどの点数が取れれば良いし、暇だからお絵描きしよーっと。


 俺は貸し出された資料の絵をノートに書いていく。


 ラフ描きだけど、結構上手いな。


 前はあれかな。即売会とかに出してた人だったのかな?


 そこんとこよくわかんないけど、絵が描けるって良いね。


 俺が暇つぶしに召喚モンスターの絵をスラスラ描いていると、隣から視線を感じた。


 チラッと横を見ると、フェリちゃんが俺の手元に鋭い眼光を向けていた。


 目が合うとチッと舌打ちされて目線を逸らされる。


 俺は気にせず次々と召喚モンスターの絵を描いていくと、また視線を感じる。


 また、チラッと横を見ると直ぐに視線を逸らされる。


 なんだろ?


 俺の絵が気になるのかな?


 俺がジーッと見つめても、フェリちゃんはこっちを見ようしなかった。


 うーん、やっぱ可愛いなぁ。


 この横顔を写メ撮りたい。


 あ、俺なら描けるんじゃね?


 そう思って、ノートの一面にフェリちゃんの横顔を書いていく。


 カリカリ、スラスラ。


 おお、俺ってば、やっぱり結構上手いぞ。


 キツそうな目元をちょっと柔らかくして、口元はほんの少し綻ばせる。


 うっは! 完成度たけぇ!


 出来上がった絵は、柔らかく微笑むフェリちゃんだった。


 俺が自分の作品の出来に満足していると、隣の席でガタンッと立ち上がる音が聞こえてくる。


 見ると、フェリちゃんが顔を真っ赤にして俺を睨み付けていた。

お読みくださりありがとうございます。


授業を面白可笑しくするのって難しいですね。

面白くなるまで書こうと思ったら面白くなる前に終わってしまった……。

違うよ。このあと面白くなるとは言ってないよ。

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