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スケルトンの正しい使い方  作者: 浮浪人
序章
5/5

スケルトン、そして狂気

『死霊使い(ネクロマンサー)

ランク:SS

特徴:魔法使いよりも数十倍の魔素マナを持っており、その膨大な魔力で、スケルトン、ゴーストを召喚し、それらに指示を出して戦う。


死霊使者ネクロマンサーを司る神:カース 』


本にはこう、書かれていた。


俺は、次のページをめくる。


次のページには、『スケルトン召喚』という文字と、『地球』にあった、QRコードを円形にしたような奇妙な模様が書かれていた。


俺は、何だろうと思いつつ、円形QRコードに触れてみる。


すると、俺の体から何かが抜けていく感覚と共に、コードが光り出した。


段々とその光は強くなって行き、直視できないほど光が眩しくなると...、


モコッ、モコモコモコ。


「...ん?うおっ?!」


地面からガイコツ、もといスケルトンが出てきた。


しかし、そのスケルトンは地表に出てきた部分、頭からボロボロと崩れ、粉となって行く。


どうやら、スケルトンは太陽の光を浴びると消滅するのだろう。...あくまで予想だが。


それと、あの円形QRコードはおそらく魔法陣なのだろう。それで、何かが抜けていく感じは、俺の中のマナが抜けていったのだろう。


しかし、なんだろう。体が変にムズムズする。


スケルトンを召喚したあと、俺は自分でも分からない不思議な感情を抱いた。


体が何かをしたがっている。その欲求は、時間がたつにつれ、だんだん制御出来無くなっていく。


五分ぐらいたっただろうか、俺は我慢の限界に達し、狂ったように次々と本に書かれてある魔法陣に、マナを流し込んでいく。


「魔法...、もっと魔法を使いたい。」


はあはあと、息が荒くなっていく。


ゴーストが召喚され、骨の壁が出現し、空飛ぶ頭蓋骨が召喚され、骨の剣が出現しては、太陽の光に当たり、消えて行く。


だが、俺の気持ちは次々と満たされて行く。


「すげえ、すげえ、すげえよ!こ、これが死霊使者ネクロマンサー

よ、よし。きめた、今から洞窟に入ってスケルトンの大群を作ろう!あははは、あは、あははははははは!」


なんだろう、この気分は。なんだろう、この気持ちの高ぶりは。

まあ、いい。とりあえず、洞窟を探さなければ!


俺は本を持って立ち上がり、走った。無我夢中に走った。転んでしまう事もあったが、すぐに立ち上がり、痛みも忘れて走った。


しばらく走っていると、前方に門があった。そして、兵士もいる。多分、関所だろう。


普段の俺なら、兵士に怪しまれる事を恐れ、関所を通らないように引き返しただろう。


しかし、その時の俺は、とうに理性を失っていた。


「ぐへ、ぐへへへへ。どうくつぅ。」


俺は、スピードを落とさず、関所の真ん中を走り抜こうとした。


だが、あまりにも呆気なく、俺は関所にいた兵士にとられられてしまう。


後から兵士に聞いたのだが、その時の俺は、目は充血して、口から涎を垂らしたまま恐るべきスピードで走っていたと言う。


「どけ!どくんだ!俺は、俺は!洞窟に行かなければならないんだ!」


俺は兵士を殴り付ける。しかし、鎧の部分を思いっきり殴ってしまったので、自分の拳が痛くなるだけだった。


すでに理性を失っている子供の狂気に、兵士は身震いし、「すまん!」と言って、俺のみぞおちにパンチを食らわせた。


俺は、気を失った。

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