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許されぬ恋情
私には愛する人がいる。
その人は私が恋心を抱いていることを知らない。あの人は鈍いのだ。
ずっと一途に思い続けても、恐らくこの恋は叶わない。
たとえ同じ屋根の下で過ごそうと、一緒に風呂を入ろうと、私の好意は気付かれる事は無い。
この恋心を異常と呼ぶ人がいた。
叶わないのに思い続けるなんておかしい、と。
その通りかもしれない。でも、私はあの人しか見えない。異常と言われようと、そこだけは譲れないのだ。
そしてまた今日も、私はあの人と肩を並べて歩っている。
私は彼女の美しい長髪を見ながら思う。
ああ、私が男だったらよかったのに。
ある女の子の性別を越えた叶わない恋の話。