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空想噺短編集  作者: 遊耶
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海外進出

 

 とある会社は不況の波に呑まれ倒産寸前までに追い込まれていた。

 社員への給料は払えず、経営にかかる費用の捻出もままならない。もはやこれまでだと社員の皆が覚悟を決めていた。


 しかし、社長だけはまだ諦めてはいなかった。

 社長はある日、自らが製作したアイディア商品を会社の最後の希望とし、それを発売した。

 これで売れなければ終わりだという覚悟を持って。


 そして、その商品はものの見事に大ヒットすることとなった。

 即日完売、予約満杯、生産が追いつかないほど。



 そこである会社の社長は海外進出を狙っていた。

 しかしそこで売れなきゃ意味が無い。よりレベルの高いものを目指していた社長は従業員たちに言った。



 「海外は品物の質が日本より劣るからといって質を落とすな。あくまでも日本で作るものと海外で作るもの、全く同じレベルで、全く同じ質で売って見せろ」




 その商売人の鑑とも言える発言は従業員の心を動かし、従業員はその言葉通り品物を作っていった。



 しかし、その商品は海外では全く売れず、会社は倒産寸前までに追い込まれてしまうこととなった。



 怒り狂った社長は従業員たちを問い詰める。

 適当に作っているんではないか、無意味に値段を高くしていないか、などと。



 その言葉に従業員たちはそんなことはしていない、と声を揃えて言った。



 「私たちは海外の製品を、品物から説明書、さらには商品を入れる袋すらも日本製となんら変わりなく作っています!」



 その瞬間、社長の顔は青ざめ、わなわなと震えて言った。


 「説明書や袋までもが日本のものと同じだったら外国人が読めるわけ無いだろう!!」


日本製と同じ、つまり日本語で書いてあるその商品の説明書を誰も読むことが出来ないんなら、誰もそのアイディア商品の使い方が分からずに商品を買えなかった、というオチです。



うーむ。SSにしてみるとしょーも無い話も結構それっぽく書けるから好きだ。

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