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空想噺短編集  作者: 遊耶
17/18

カニバリズム



手足をもがれた。

彼らは私の手足を愛おしそうにみつめる。食べるつもりなのだろう。怖気がする。


私以外にも手足をもがれている者がいるようだ。既に息絶えている。


不気味な笑み。私はここまでだ。数刻前まで私の手足だったものを刃物のようなもので引き裂く。



彼らは尚も私を見る。

脳味噌。こいつらは、私の脳味噌すら食い尽くすつもりなのだ。


頭に何かを突き刺される。


そこで、私の意識は途切れた。



ああ、と最後に思う。




来世は人間になれるといいな。

ただの蟹が食べられる話。タイトルは駄洒落です。


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