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空想噺短編集  作者: 遊耶
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牢獄


無実の罪で男が牢屋に投獄された。男は泣き喚き、無実を訴えたがそれも虚しく冷たい牢獄に入れられてしまった。


この檻は人殺しをした罪人が蠢いている。男はすでに自分の命がここで終わる事を諦観をもって覚悟していた。


しかし、牢獄に入れられて一週間が経とうとしているのにも関わらず、罪人達は男を殺すどころか食事さえ分け与えてくれている。

その良質とも言える待遇を不信に思った男は罪人達に問う事にした。



「何故、私を殺さずに食事を分け与えてくれているのか」

震える声でようやく絞り出した質問に罪人達は微笑みながら言った。


「俺たちも冤罪の被害者だ。だからお前にはこの牢獄から出て貰いたいと思っている。明日、俺たちに身を委ねてくれたらお前を牢屋の外に出してやろう。」


その言葉に男は大層喜んだ。一週間前まで自分の命を奪うと恐れていた対象である人物が脱獄の手伝いをしてくれるというのだ。男は二つ返事で頷いた。


二度と会える事が無いと思っていた家族に会える事を夢見つつ、男は罪人に身を委ねることにした。希望のある明日を望んで。


次の日、男はバラバラになり牢屋の外に棄てられているのを看守によって発見された。

バラバラに殺されてるけど牢屋の外には出てるからね。

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