August 5th — Rad Forsyth(ラド フォーサイス)
今日の髪型どうしよう… 一つにまとめてお団子にするのも良いし、おさげも良いな。もしかしたら何もしない方が良かったりする?
……ゔぁぁっ決められないよぉ、
優柔不断な性格が頭を悩ませている。私の髪の毛はとにかく毛量が多い。短すぎず、長すぎずの丁度いい長さを保たないと、馬の尻尾のように髪が広がってしまう。とにかく大変だ。一日中髪に悩まされる時もある。今日は入学式という晴れ舞台があるから、普段より一層綺麗な髪で過ごしたい。
……シンプルな制服な制服だから、あまり主張しすぎない髪型がベストかなぁ。
最終的に選ばれたのは、ハーフアップだった。結び目に、エリカの花の模様が埋め込まれた髪飾りを付けたおかげで、シンプルかつ華やかに仕上がったと思う。上出来だ。
私の家は三世帯だ。みんな個性様々なので、毎日とっても楽しい。そんな環境下なのもあり、私はおじいちゃんっ子だ。今日も毎朝の習慣でおじいちゃんの部屋に向かう。
窓が多く、部屋にはよく日差しが入ってきて、どんな季節でも暖かい。日差しに当たりながら二度寝をしているおじいちゃんに声をかけた。
「おじいちゃん! おはよう」
「…おぉ、ラドか。今日は一段と綺麗じゃのぉ」
おじいちゃんは横になっていた体を起こして、私にそう言った。今日は髪を上手く結えたので、おじいちゃんに自慢げに話した。
「そうなの! 見て髪! 凄く良いと思わない?」
「いつもと違う髪型じゃの。ラドは綺麗だから、どんな髪でも似合うぞ」
思ってた返事は返ってこなかったが、決して悪い気分にはならない。おじいちゃんは私を正面からまっすぐ見てくれるから、言葉がすっと体に入ってくる。一緒にいると少し楽になれる。
「じゃあ、行ってくるね」
「うん。楽しんで」
そう言って大好きなおじいちゃんと別れた。
その後は、お母さん、お父さん、おばあちゃんに背中を押してもらい、家を出た。心が軽くなったような気がした。大好きな家族と離れるのは辛いが、学校に向かうため、私は右足を出した。
一月が始まった