July 6th — Lime Carlisle(ライム カーライル)
「パパとママはレプリカになったんだよ。」
おばあちゃんが3歳の私に放った言葉。とてもじゃないけど、当時の私には理解できない言葉だった。
この世界はレプリカ(偽物)というものが存在する。死んだ後、理想の自分となってこの地に帰ってくるんだって、まぁレプリカだから本物とはかなりかけ離れてるけど。それでも存在するだけで嬉しい人もいるみたい。私は全く嬉しくないけどね。だってレプリカだよ? 私達の知ってるものとは全然違うんだよ? 存在してても意味ないじゃん。そう思う人も私以外にたくさんいる。
そんなレプリカを取り払うのが私達、生きてゆく者の役目。
その役目を果たすためにこの世界に与えられたのが魔法。人の願いが神に届いたから存在するものっておばあちゃん言っていた。私はこの力を疑問に思ったことは一度もない。なんでかって、この世界の普通に魔法が含まれてるだけだから。つまり、普通だから。普通を不思議に思わない。それだけ。
でも、それが私の弱点だ。
普通というものを不思議に思う人なら、レプリカを取り払えるかもしれない。だから私はその日が来ることを願っている。願いが叶うのであれば、神を信じていたい。
そんな私の願いを叶えるための第一歩が今日だ。
今年度15歳になる者は魔法学校に入学する。私もその1人だ。
この知識も、願いの役に立つといいな。
一月が始まった