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My birthday?  作者:
生きているから
6/13

May 8th — Mellow Doux(メロウ ドゥーズ)

 今日は朝から紅茶を飲んでいる。

 僕の心の安定剤だ。

 出来るなら朝はゆっくりと過ごしたい。


 コンコン


 「開けるよー」

 

 ガチャ


 問答無用で兄さんが部屋に入ってきた。

 「飯持ってきた」

 兄さんの手元には、綺麗にプレートに盛り付けられた僕の朝食があった。

 「ありがとう」

 「今日入学式だろう? よく食べて一日元気に過ごせよ。 あ、でも無理はするなよ」

 胃が弱い僕を心配してくれているのだろう。そんな心優しい兄が大好きだ。


 「ちょっとやめてよっ」

 「そっちこそ離して」

 聞き慣れた声が耳にさらさら入ってきた。

 

 バンッ


 部屋の扉は強く押され、誰かが部屋に入ってきた。

 「「メロ兄はどう思う?」」

 2つの声が聞こえて僕は振り返った。

 白い肌に、長く細い青みがかった髪。ビー玉のようにコロコロとしたオーカーの瞳。間違いない。双子の弟Trans(トランス)と妹のParent(ペアレント)だ。

 「2人仲良くしてくれるならそれでいいよ」

 優しさに溢れた柔らかい声で僕は2人にそう言った。

 「でもこれ私が見つけた木の枝なの、だけどトランスが僕が使うって威張るから……」

 「……!? 違うよメロ兄! 俺は、ペアレントとこの枝を半分こにして一緒に遊びたいんだ!!」

 本人達は至って真剣だから申し訳ないのだが、この会話すら愛おしい。

 ……きっとペアレントは枝を折りたくないんだよな、でもトランスの思いやりの気持ちを壊したくはない。だから僕は2人でもう一本良い枝を見つけに行くように伝えると、2人も納得したのかすぐさま庭に走って行った。我ながら良い案だと思う。

 そんな2人を追いかける様に、僕は家を出た。



 一月が始まった

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