March 10th — Kiw Looup(キウ ルップ)
……眠い。すごく眠い。 そういえば今日って確か…
私は思いっきり地面に足をつけベッドから飛び出した。
今の時刻は4:30。家族にご飯を配るのが私のルーティンだ。人間4人、ねこ2匹、馬7頭、ミミズ5匹。これが私の家族。みんな仲良しで楽しく暮らしてる。
家から約60メートルくらいかな、多分? そのくらい離れた場所に厩舎があってそこで馬を飼っている。今からご飯を配りに行くところだ。
厩舎に入るとパパとママが裏戸を開けていた。馬房内に差し込む日光が馬の毛並みに反射し、キラキラ光っていて思わず言葉が溢れ出てしまう。
「綺麗…」
「お! キウ、起きたのか」
「パパおはよう!」
パパに挨拶をすると、水桶と飼桶を洗い終わったママが裏口から出てきた。
「ママおはよう!」
「おはよう。今日はいつもより少し早起きなのね」
「ちょっとね」
ママの言う通り、今日はいつもより30分早起きだ。新しい生活が始まることもあり、早起きは三文の徳と言う言葉を信じてみた。何だか今日は良いこと尽くしな気がする。
汚れた藁を捨て、馬達に綺麗な藁をあげたら馬房での仕事はおしまいだ。パパとママに一声かけ、私は家に帰る。
家に帰るとまだ幼い妹と猫2匹が私の帰りを待っていた。
「おねぇちゃん!! おかえり!」
そう言って私の腕に飛び込んできたのは妹のGoownだ。
「ただいま、ゴウン」
そう言って私はゴウンを抱きしめた。小さい体でこんなにもたくさんの幸せを与えてくれるゴウンが大好きだ。 一生守る、絶対幸せにすると決めたその日から約4年経つが、ゴウンにまだ何もしてあげれていない。何か作戦を練らねば。うーん、そうだなぁ… 例えばこれをああして、それでその後そうしてこうしてそしたら…………………
「&@¥#ゃん!」
「おねぇちゃん!!」
「っあ、ごめん、、どうしたの?」
周りが見えなくなるのは困る。今考えるのはやめよう。
「ごはん!ごはんがたべたい!!」
「そうだね!今準備する」
猫のGeheとEnにご飯をあげた後、ゴウンとパンを食べた。パパとママが帰ってきてすぐに私は家を出た。
あ、そういえばミミズ達にご飯あげてない……
「やべっ」
私はUターンをして家に戻った。
一月が始まった。