儀式 前
文章力を上げるためには一々打ち直した方がいいんですけど
飽きてきたからコピペします。
魔法学院に到着するころはもう空が紺色に染まっている
夕食は、また広い部屋。
でも今夜はメンバーが少ない。ミチタネとナガミはいなくなって、ヒナゲシの
他にはタブナばーさんと、おばさんとおじさん。全部で五人しかいない。
料理もショボい。おわんの中にあるのは菜っ葉と灰色のかたまり。後は煮豆と
いつもの漬物だけ。
「今夜は、やることがあるからね」
カナタが食べ終わると、ばーさんが話しだす。
「えー、カナタ様は天界では学生でらっしゃるとか。どのような学問を学ばれて
いらっしゃるのでしょう」
「う~ん。国語とか算数とか、かな。漢字覚えたり、計算したり」
カナタはみけんにしわをよせた。勉強のことは、答えづらい。
今度はおじさんが「地理学や、薬草学などは、おくわしいでしょうか」なんて
聞いてくる。
「なにそれ。知らない」
カナタの頭が、グラグラしだした。
「歴史は?それとも、技術に関することでもよろしいのですが」
カナタには何も答えられなかった。
「ふん、ただの子供と一緒じゃないか」
ばーさんは、あからさまに、がっかりする。
おばさんは急いで「まだ、分かりませんよ」とフォローするけど、カナタは
嫌な気分になる。
「今夜は晴れてますね」
悪くなった空気を、まるで読まずに、ばーさんは話を続ける。
「記録によればね、天界人がいらした時はまず占いをするみたいでね。恵みにしろ、
災いにしろ、何が来るのか、分かってた方がいいから」
ばーさんは、フーっと息をすいこむ。
「星の下なら力も増す。ちょうどいい、これから始めますよ。よろしいですか」
何か魔法的なことをやるんだったら、見てみたい。気分は、まだ直らないけど。
障子が開けられる。中庭を囲む廊下には他の人たちが座っている。ばーさんも
ヒナゲシも階段を下りる。
キョロキョロしていたカナタも、急いで下りた。
地面には、いつの間にかゴザがしいてあった。すみにロウソクが立てられて、
みんなのことをてらす。
中央には座布団が五枚、丸く並べてあって、みんなで、輪になって座った。
空には星が光っている。
「これから行いまするは、星魔術の占いの儀」
誰もおしゃべりなんてしない。ロウソクの明かりの中で静かに座っているのは
たしかに魔法っぽい。
(こんなのを、幻想的って言うんだろうな)
ドキドキする。
ばーさんが小さい白い紙をたくさん広げる。トランプのシンケイスイジャク
みたいに。




