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第62話 激突!

いよいよ、最恐龍グングニールに闘いを挑みます。


スフィーティアの本気の闘いをご覧ください。


え?ここまで長すぎた。

すいません。

 同じ頃、カラミーア領都カラムンド。


 チュッ、ドドドドドドドーーーーーンッ!


 領都カラムンドにも、最恐龍グングニールが落とした黒い閃光による一撃の衝撃が走っていた。


 アンバー・ドラゴンのコンゴウが起こした地面の揺れが収まり住民はホッとしていたところ、凄まじい轟音とともに発生した突風と地鳴りにより、再び被害が発生し、領都の住民らは怯えた。


 日が落ち夜となり、曇天の空からは雨が激しく降り出していた。



「なんだ!今のあの黒い閃光は?」

 カラミーア伯爵は、カラムンド城から南東方向の空を見た。そして、続く轟音と突風に驚く。

「ううむ。揺れが収まったばかりと言うに」

「直ちに領都の被害を確認させよ」

「ハっ!」

 グレン大臣が配下の事務官に命じると、執務室から走って出て行った。 


「モニカは、スフィーティア殿は、無事なのか?」

 カラミーア伯爵は、苦悶の表情で雷鳴の空を見つめた。





 スフィーティアは、眼の前に浮かぶ悪魔ディアボロのような姿をした竜、グングニールを見上げた。


「今こそ、貴様に殺された同胞の仇を、私に課せられた使命を果たさせてもらう」

 スフィーティアは、剣聖剣カーリオンを振るうと、正面に構えた。 


換装シノーイ


 胸の輝石きせきが青白く眩い光を放ち、スフィーティアを包む。光が収まっていくと、彼女の装備が白いロングコートの正装形態フォーマルから光り輝く白銀の鎧の鎧形態アーマーへと換装されていた。


 目の前のかたきは、「グングニール(Gungnir)」

 相手は、『最恐さいきょう3大龍』が一体。


 全力で挑まなくては、勝つことなどできない。いや、勝つことが困難と言えるドラゴンだ。そんな最強のドラゴン相手に、スフィーティア・エリス・クライは挑もうとしていた。

 しかし、そこに決定的な実力差があったとしても、彼女には、臆する気持ちなど寸分も持ち合わせていない。


 スフィーティアの心中には、これまでグングニールとの戦闘により、失ってきた仲間の姿が浮かんでいた。スフィーティアはこの最強ドラゴンとこれまで2度対戦したが、2度とも破れていた。その度に惨敗しパーティーが壊滅し、生き残ったのは、彼女のみだった。


 その度にスフィーティアは問うた。


『何故自分だけが生きている?』

 

 その問いの答えは、自分が生き残った意味などでなく、グングニールを自分が倒すという強い復讐心と使命感だった。


 この竜だけは許さない。

 自分が必ず倒す。


 剣聖スフィーティア・エリス・クライの胸中には、この想いだけがドンドン大きくなっていたのだ。そのために、修練を重ね、彼女は、剣聖最強の称号『アルファシオン』を与えられるまでに強くなった。ただ、その称号を持つ実力者とは言え、グングニールを倒せる保障などにはならない。目の前の竜は、そんな概念など通じないほど強大で桁違いな相手なのだ。


 目の前のグングニールは、前に対した時と姿、形が変わっていた。今は体長20メートルほどの黒光りする悪魔ディアボロのような姿だ。しかし、スフィーティアが前に対峙した2年前は、もっと巨大な優に100メートルを超えるような巨大な竜の姿だった。



「おい、出てこい。力を貸せ」

 スフィーティアは、白銀の鎧の胸の部分に刻まれている青緑色ターコイズブルー輝石きせきに声をかけた。


⦅うん?おいおい、本気かよ!⦆

「ああ」

⦅敵いっこないだろう?やめておけ⦆

「うるさい!協力するのか、しないのか?協力しないならお前との契約は破棄だ」

⦅本気かよ・・。どうなっても知らんぞ。良いだろう。久しぶりに全力を出そう。その代り、終わったら、お前を絞りつくさせてもらうからな。クックックッ・・⦆

「好きにしろ」


 


「貴様は・・」

 グングニールは、ドラゴン特有の直接心に届く声でなく、言葉を発した。



「フフフフ。グングニールよ。今こそ貴様を始末してくれる時」

 スフィーティアのその表情は、高揚感からか明らかに嬉しそうだ

「また、貴様か・・・。剣聖団もよほど人がいないと見える。()()()以外に我に匹敵する者などいないものを。さっさとあの者を我の前に・・・」

「黙れ!ここ数年貴様を追ってきた。この時のために力もつけて来た。今日こそは、お前に倒された同胞の仇を取らせてもらうぞ!」

「ほざけ!我は竜の帝王ぞ。貴様ら剣聖など皆殺しにしてくれるわ」


「行くぞ!」


 ズド-ンッ!


 スフィーティアの剣戟が、一瞬でグングニールにぶつかった。物凄い衝撃波が走り、辺りを震わす。近くの森の木々は大きく揺り動かされた。しかし。それをグングニールは、左手で受け止めていた。


⦅おいおい、最初から本気かよ⦆

 スフィーティアの胸の輝石がぼやく。



「ふん、悪くはないが、我を傷つけることはできん」

「それは、どうかな」


 スフィーティアは、素早く動くと、グングニールの視界から消えた。


 すぐに、グングニールの真下の地上に着地するや、地面を蹴ると、踏み込みの強さで地面が沈んだ。


 ドーンッ!


 その勢いで、スフィーティアは、今度は真下から斬りつけてきた。


蛇噛斬シュネール・バイト!」

 スフィーティアの姿が、青白い蛇の残像のように変化して見えた。


「何?」


 これには、グングニールは意表をつかれた。胴体は、かわして斬られなかったものの、指が青白い蛇の斬撃に喰いつかれ、左手の指が数本斬り落とされていた。


 あっという間に上空へと駆け抜け、グングニール見下ろすスフィーティアだ。

「ほう、少しは成長したとみえる」

 グングニールは、スフィーティアを見上げながら、指をもがれた左手を軽く振るう。


 すると、まるで手品のように指が復活していた。


「では、こちらから参ろうではないか」

 そう言うや、グングニールがスフィーティアの視界から消えた。

「・・・」


 次の瞬間、グングニールは、スフィーティアの背後に出現した。グングニールの拳による一撃が、スフィーティアを捉えた。

 スフィーティアは、これに反応し、光盾ルーミエ・マニアールを展開したが、衝撃に地面に一直線に落ちて行く。そして、地面に降り立った瞬間、さらに強烈な一撃がグングニールから見舞われ、スフィーティアの足元から地面にヒビが入り、割れ埋もれた。


 バーキバキバキッ!


「ウクッ!」

 その骨を軋ませるほどのあまりの衝撃にスフィーティアの表情も苦悶にゆがんだ。


「どうした?この程度の攻撃で顔を歪ませて」

 そして、更なる拳による一撃を繰り返す。

「ホラ、ホラ、ホラーッ!」


 スフィーティアは、それを光盾ルーミエ・マニアールを展開し、防ぎ、衝撃を緩和するが、それでもグングニールの拳の一撃は、大地を壊すほど強烈なものだ。木々などがなぎ倒され、大地の草木が抉り取られ、荒れた地表へと変わる。スフィーティアは、防戦一方となった。


 ズドッドドーン!


 グングニールの強烈な一撃が地面を割った。グングニールを中心に波状に地面にクレーターができ、樹々が地面に飲み込まれた。


 スフィーティアは、この強烈な一撃を受け流し、光の翼を羽ばたかせ、グングニールの上空へと回避していた。


「何だ。逃げるのか?」

 グングニールが見上げる。クレーターの中心からスフィーティアを見上げる。

「誰が逃げるものか!」

 スフィーティアは右腰に差していた小さく折りたたまれたボウガンのようなものを手に取る。


変化シノーイ!」

 その持ち手の部分をギュッと握ると、展開され、光輝く大弓へと変化する。

 グングニールに向けて素早く弓を構えると、光の矢が10本ほど現れ、番える。


氷属性付与ケラハ!」

 氷の矢へと変化した矢はグングニール目がけて、一瞬で放たれる。


 忽ち、グングニールに命中するが、グングニールの体表表面の僅か手前でジュっと音を立て消滅した。今のグングニールは姿こそ、悪魔ディアボロのような姿だが、炎竜であるクリムゾン・ドラゴンだ。冷気属性には相性が良いはずだ。


「こんなものが我に通じるものか」

「どうかな」


 ここからのスフィーティアの攻撃は素早かった。


 ヒュンヒュンヒュンッ・・・・・・・・・・・・・。


 次々と光の氷矢を番えるや一瞬で矢を飛ばす。それは、感覚としては、一度に1万本の矢を命中させる感覚だ。怒涛の氷矢の攻撃でもグングニールを凍らせることはできなかった。


(一瞬で良い。奴の動きを止められれば)


 しかし、その思いが通じたのか、グングニールの体表面は霜ができ、動きが鈍くなった。そして凍り始めた。


「今だ!疾駆刺ハートゥル・スピール!」

 弓を放り投げ、剣聖剣カーリオンを抜くや技を放つ。


 光の蜂が、一瞬でグングニールと交差した。


 スフィーティアの一撃は、グングニールの胸を貫いたかに思われた。


 しかし、グングニールは、これを右手でカーリオンを受け止め胸の僅か手前で止めていた。


「何ッ!」


 スフィーティアは、咄嗟に剣聖剣カーリオンを上方に斬り上げるや、グングニールの右手を切り裂き、後方へと逃れた。


「面白い攻撃だったが、力が足りんな」

 そう言い、右手を振ると引き裂かれた右手の傷は元に戻る。


(強い、強すぎる。私は、まだグングニール(こいつ)に及ばないのか・・・)


 そうした弱気が脳裏をよぎり、焦る。



「今度は、こっちから行こうか。喰らうが良い。」

 グングニールが口をすぼめ、フッとする。


 シュンッ!


 すると、スフィーティア目がけて黒い線が一瞬で走る。スフィーティアは、これを瞬時に避けた。



 チュドドドーンッ!


 黒い線が走った後、線上に爆発が起き、走った後何キロも先まで地が抉られ、先にあった森を貫き、樹々を消失させ、周囲は燃え上がった。


 スフィーティアは、上空に舞い上がり、これを見下ろした。


「何と言うことだ・・」

 

 スフィーティアは、言葉を失う。

 グングニールの黒い炎ブレス攻撃は桁違いだった。

 スフィーティアでもあれを受け止めたら、只では済まないだろう。


「そら、そら、そら」


 シュン、シュン、シュン・・・。


 黒い線が、地上のグングニールから上空のスフィーティア目がけて、何本も走る。スフィーティアは、これをかわすと、空に幾つも爆発が起きる。雲を貫き、雲の中で爆発すると星がそこからは覗けた。

 そして、激しい雨を降り落とす。


 スフィーティアは、避けるだけで近寄れない。


 グングニールの黒い炎ブレス攻撃が止む。

「おい、避けてばかりでは、勝てぬぞ」



(臆するな!)


 スフィーティアは、光の翼を大きく羽ばたかせるや、グングニール目がけて突進する。


 グングニールは、黒い炎線のブレスで応じた。その黒い線がスフィーティア直撃する。


 しかし、スフィーティアは、剣聖剣カーリオンをぶつけ、軌道を逸らし、尚をも接近する。


 もう一度黒い炎線のブレス攻撃が来た。


蛇噛斬シュネール・バイト!」

 スフィーティアが技を繰り出すと、光の蛇が、黒い炎線のブレスに絡みつくと、次の瞬間グングニールに光の蛇が首元に嚙みつくかに見えた。

 しかし、グングニールは、これを手で、受け止めていた。


 蛇噛斬が止められたが、スフィーティアは、剣聖カーリオンによる連撃を繰り出した。

 

 その速さは、尋常なものではない。


 グングニールもこれを、腕を尋常じゃ無い速さで動かし、受け止めて行く。

 受け止めるだけでなく、グングニールも時折、鉄拳を繰り出し、スフィーティアを襲う。これをスフィーティアは、剣聖剣で受け流し、攻撃へと繋げる。



 しかし、その鉄拳の一撃を受け流すタイミングがほんの極僅かずれた。


 ガキーンッ!


 強い衝撃が、両腕に走ると、スフィーティアは大きく飛ばされた。


 間髪入れず、グングニールは、両手から黒炎の玉を発生させると、それをスフィーティアに投げつけて行く。


 スフィーティアは、これを剣聖剣で弾いて行くと、黒炎の玉は上空高く舞い上がり、火の粉となり地上へと落ちる。

 

 忽ちその火の粉が周囲を燃やしていく。


 中には、領都カラムンドまで届く火の粉があり、忽ちそこから火災が発生した。


「チっ!」


 スフィーティアは、これはまずいと考え、接近戦を選ぶ。


疾駆刺ハートゥル・スピール!」

 蜂の残像を残し、一瞬でグングニールに近づくと鋭い突きの一撃がグングニールを突き刺す。グングニールの頬を掠め交わされると、再びグングニールが鉄拳で応じて来た。



 そんな両者の剣戟と鉄拳の連撃の応酬がいつ終わるとも知れず、続いていくのだった。



                                 (つづく)




スフィーティアの死力を尽くした闘いが続きますね。


ちゃんと考えているのか?


ええ、も、も、も、勿論ですとも(汗)


(図星)

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