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幻影のファントム  作者: AIのべりすと
4/9

決着

楽々投稿だけど、たまにマジで変なの入るので使う人間にも多少の労力はかかる。

これまでは防がれても気にせずに攻め続けていたのだが、今はまるで様子見をしているかのように、慎重に攻撃を仕掛けてきている。

その変化に戸惑ったが、それでも俺は必死に戦い続けた。

そしてついにその時が訪れる――。

渾身の力で振り下ろした俺の一閃が、〈幻影のファントム〉の前足を捉えたのだ。

そのまま力任せに吹き飛ばす。

地面に叩きつけられた〈幻影のファントム〉が苦痛の声を上げた。

すかさず追撃を加えようとしたが、相手はそれを許してくれなかった。

間髪入れずにこちらに向かって飛びかかってきたのだ。

「ちっ!」

咄嵯に身を捻ってかわすも、完全には避けきれず、肩口に傷を負う。

「――《ヒール》」

即座に回復魔法を唱えて傷を塞ぐ。

だが、そんなことをしている間にも、〈幻影のファントム〉が猛然と迫ってきていた。

このままじゃまずいな……。

なんとか動きを止めないと。

そこで俺はあることを思い出して、腰のポーチから一枚の小さな布切れを取り出した。

そして迫り来る〈幻影のファントム〉に向かってそれを投げつける。

「――!?」


〈幻影のファントム〉は一瞬だけ驚いたような表情を浮かべると、急ブレーキをかけてその場に立ち止まった。

どうやら上手くいったようだ。

「シャアアァ!」

突然のことに怒り狂う〈幻影のファントム〉を前にしながら、

「――《ウインドカッター》!」

今度は俺の方から仕掛ける。

放った風の刃は狙い違わず〈幻影のファントム〉に命中したが、その硬い毛皮によって阻まれてしまった。

やはりダメか。でも――!

「――《アクアショット》!」

続いて水の弾丸を放つ。これもまた命中したが、あまりダメージを与えられたようには見えなかった。

さすがにこの程度だと厳しいか。

俺は一旦距離を取ると、大きく息を吐き出した。…………。

どうしたものかな。

正直、かなりきつい状況だ。先程までと違い、向こうは全力に近い状態だし、こちらは手の内をほとんど晒してしまった。

何か打開策はないだろうか?……いや、一つだけあったな。

ただし、これを試したことは一度もない。でも、やってみる価値はあるはずだ。

俺は静かに呼吸を整えると、

「――《エンチャント・ダーク》!」

そう唱えながら、手に持った短刀を地面へと突き刺した。

すると次の瞬間、〈幻影のファントム〉を中心に黒いモヤのようなものが広がり始めた。

「シャアアァ!!」

本能的に危険を感じたのか、〈幻影のファントム〉は大きくバックステップを踏むと、俺との距離を取ろうとする。

しかし、その行動は既に予測済みだ。俺はすぐさま〈幻影のファントム〉の退路を断つようにして回り込む。

そして、さらにもう一本同じものを突き刺し、 二本目も同様に設置しておいた。

これで逃げ道は完全に塞いだ。

後はひたすら追い詰めてやるだけだ。

再び〈幻影のファントム〉に飛びかかる。

奴は再び爪で迎撃しようとしたが、それを掻い潜って懐に入り込み、思いっきり腹の下あたりを切りつけた。〈幻影のファントム〉が苦悶の悲鳴を上げる。

――よし、いける。

今の一撃はかなり効いているようだ。

それから何度も斬撃を繰り返していった。

〈幻影のファントム〉は苦し紛れにかぎ爪を振るってきたが、俺は冷静に回避して、カウンターで攻撃を繰り出す。……そして、ついにその時が訪れた。

〈幻影のファントム〉のかぎ爪が俺の横腹を大きく切り裂いたのだ。

今まで感じたことのない痛みに顔をしかめる。

しかし、ここで怯むわけにはいかない。

俺はまだ動けることをアピールするように、敢えて大げさに後退した。

〈幻影のファントム〉は追撃をかけようとしてくるが、

――今しかない! 俺は素早く腰に下げていたポーチに手を伸ばすと、中に入っていた小さな小瓶を取り出し、それを一気に飲み干した。

その直後、身体中に力が溢れてくるのを感じる。

――【HP自動回復】のポーションか。

実はこのポーション、師匠に勧められたものだ。俺が冒険者を目指すきっかけになった出来事の時に使ったのと同じもので、効果も全く同じらしい。あの時も今もまだよく分かっていないのだが、どうやらこのポーションを飲むことで一時的に全ステータスが上昇するみたいだった。

ちなみに、なぜこんなことをしているかというと、さっき飲んだ薬の効果が出るまでに少し時間がかかるため、時間稼ぎのためにやったことだ。

まあ、実際には効果が出始める前に決着がついたんだけどね。

〈幻影のファントム〉は全身の毛を逆立たせると、俺に向かって飛びかかってきた。

だが、もはやその姿は恐ろしくはない。むしろ滑稽に見えるほどだ。


俺は冷静に身をかわすと、すれ違いざまに大きく横薙ぎの一撃を叩き込んだ。

〈幻影のファントム〉は地面に叩きつけられて、そのまま動かなくなる。

そして、しばらくすると光の粒子となって消え去っていった。……。

勝ったのか? 俺は思わずその場に座り込んでしまった。

ああ、良かったぁ〜。




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