表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

6 断罪返し

「貴様、この手を離せ!」とつまみあげられたオランド様は、わめきながら体をよじりました。

 威張りながらじたばたするポメラニアン、おかわいらしいですこと。


 と、つま先に何か違和感がありました。けなげにもヒロインチワワが私の靴のつま先に噛みついていました。そっと脚を前にゆすると、チワワはころりと転がりました。


 ヒロインチワワを守ろうと周りを固めていた親衛隊の皆さんや、面白がって気を抜いていた傍観者の皆さんも正体を現していましたから、あたりはマルチーズやコリー、プードルその他犬、犬、犬、犬だらけでした。


 ただ、魔法が解けないまま、人間の姿を保っている方々も多数いらっしゃいましたので、犬に戻ってしまった皆様はきまり悪そうにしていました。

 

 かわいらしい犬たちに囲まれて、私、ときめいてしまいますわ。



 ですが、いつまでもふやけているわけには参りません。

 そこで、私は、暴れているオランドポメラニアンを両手でつかむと、顔の前に持ち上げて言いました。

「直系の王子である以上、オランド様の魔法が解ければセントバーナード犬になるはずですが、どうみてもセントバーナード犬ではありませんわね。

 自らの出自を隠し王子と称して王家の簒奪をたくらんだ、真の罪人は、あなたです。」


 私は衛兵に合図をすると、衛兵が犬用のキャリーバッグを持ってきましたので、私はオランド様をその中に入れました。


「あと、そちらのチワワ用のキャリーバッグも必要よ。

 そのチワワは、王家に対するたくらみを知りながら、オランド様と一緒になって、簒奪の障害になっていた私を陥れて排除しようとした共犯者ですもの。」


「あ、あたし、あたしはっ、王妃にしてやるって言われたからっ。」

 ヒロインチワワは涙目でぷるぷると震えながら言いました。

 かわいらしいですが、私はさっさとヒロインチワワを抱き上げると、衛兵が持ってきた別のキャリーバッグに入れてしまいました。

 


次回、後日談。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ