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何とかの女神になりました

ブックマーク、評価ありがとうございます。

毎度の事ながら誤字報告もありがとうございます。

ただ今、全文の見直しを行っています。少しずつ読みやすいように訂正していきますので、これからも【異世界を花で彩ります】をよろしくお願いします。

 種をすり潰し、集まった魔獣を討伐。それを五度程繰り返した。

「間違いなくニゲラの効果で集まっているな」

「流石に五回も試せばね」

 やはり、ニゲラの香りに釣られて集まって来たようだ。集まった魔獣は種類も様々、大きさも様々。


「まぁ、効果は確実に分かったわけだし、今日の所は終了としますか。あとは、このニゲラでどんな活用法があるかは、今後の活動の課題だね」

 ただ、ニゲラの種は使い方次第で恐ろしい凶器にもなるだろう。しばらくはアイテムボックスに封印して、研究などで使用する時は必ず私が付き添い、必要分以外はアイテムボックスから出さないようにしよう。

 ディランさん達が何かを企む、なんてこれっぽっちも思ってないが、世の中なにが起こるか分からない。

 クラウスさん達もその考え方で問題ないと納得してくれた。


「さぁ、それじゃあ次はリリーの魔法について教えてくれるかな?」

 え、今日はもう終わりじゃないの? と、ディランさんを見れば、ニコニコと機嫌が良さそうにしている。最早、ここからが本番と目が語っている。

「リリー、すまないが諦めてくれ。こうなったディランは誰にも止められないから……」

 クラウスさんは深いため息を溢しながら私の肩に手を置いた。

「ははは……はぁ〜。分かりましたよ。こうなったらとことん付き合いますよ」

「そうこなくちゃ!」

 とっっっっっても嬉しそうなディランさんと共に私が使う魔法について尋問されるのだった。


「それじゃ、基本魔力から。リリーのステータスを教えられる範囲でいいから教えてくれないかな? まずは魔力がどのくらいあるかだけど……」

「えっと……魔力は限度がありません」

「はい?」

「だから魔力が尽きる事ないんです」

「それって何の冗談かな?」

「だから冗談じゃなくて、いくら魔法を使っても魔力が尽きる事は無いんですってば。多分だけど、私は生きている限り魔素を浄化し続けているから、常に魔力を使い続けてるんだと思うのよね。それってさ、普通魔力不足で最悪死に至るんでしょ? そうならない為に、無限の魔力を与えられたんだと思うの」


「無限の魔力……」

「そう。と言って私も魔力をバンバン使うわけじゃないんだけどね。私が日頃使ってる魔法は生活魔法だったり、料理だったり、メディカルハーブを作る時くらいだもの」

「……第四騎士隊の連中が聞いたら泣くな……」

「クラウスさん、第四騎士隊って?」

「あぁ、第四騎士隊は魔術師の集まりだよ。王都には第一騎士隊から第四騎士隊があってね。それぞれ役割が違うんだ。ちなみに私は第一騎士隊出身だ」

「俺は第二騎士隊だった。主に亜人族で構成されている」

「私は第三騎士隊ね。女性騎士の集まりよ」


 へぇ〜、なるほど。そして各騎士隊のエリートで特務部隊を編成したってわけか。

「あれ? フレドリックさんは?」

「あ、俺も隊長と一緒で第一騎士隊!」

「みんな優秀なのね」

「騎士隊は第一から第四まで分かれてはいるけど、有事の際にはそれぞれの隊から数名ずつ集まり、いくつものチームを作って任務に当たってるってわけね。元々私達も特務ができる前はそれぞれの隊から集められた一つのチームだったのよ。ディランも含めね」


「まぁ、それは置いといて。次はリリーのスキルなんかも教えてもらいたいな」

 スキルか……そう言えば最近全く見てないや。

「私も最近確認してなかったから丁度いいかも」

 そしてステータスを表示してみる。


名前  リリー

職業  ハーブコーディネーター、フィトテラピスト

称号  ハーブの魔女 ブローディアの女神

魔力  ∞

スキル 鑑定スキル 製薬スキル(メディカルハーブ 、ボタニカルフォース、チャームの心得、メタモルフォーゼの心得)

特記  創世神の加護 アイテムボックス∞ 自動翻訳 バラの精霊の加護 神獣スレイプニルの加護



 何か……いろいろ増えてる……ツッコミどころ満載なんですが。

「どうかした?」

「いや〜、口にするのも恥ずかしいので直接見てくれません? 許可出すので」


 首を傾げながら、クラウスさんとアニーさんは私の肩に、ディランさんとフレドリックさんは手に、ガウルさんは頭に手を触れステータスを確認した。

「ブフッ! ブローディアの女神‼︎」

「本当に魔力が無限だ……」

「精霊と神獣の加護は分かるけど、創世神の加護……」

「チャームって魅了の事だよね? もしかしてさっきの魔獣の事かしら?」

「メタモルフォーゼ? 初めて聞く名だな」


「フレドリックさん笑いすぎ」

「だってっ! リリー、女神を否定してたのに、ステータスに載っちゃってるから‼︎ ブハッ‼︎」

 私に睨まれながらも笑いを堪えきれず、何度も吹き出して笑ってる。後でとっちめてやるわ‼︎ ただでさえ恥ずかしいのに、笑われると余計恥ずかしいじゃない‼︎

「あ〜ぁ。私、知〜らない」

「リリー、こいつにニゲラでも持たせて森に放置するか?」

 クラウスさんの爆弾が落ち、アニーさんに同情の目を向けられるフレドリックさんだった。


「って事で、何か色々増えてました。増えたのはブローディアの何とかと、チャームとメタモルフォーゼとスノーの加護ね」

「チャームは何となく分かるけど、メタモルフォーゼって何だと思う?」

「う〜ん、メタモルフォーゼって変身って意味だけど、意味不明よね。そう言えば、ハーブの魔女がステータスに現れた時も、意味不明だったんだけど、後日バースの村でいつの間にかハーブの魔女って呼ばれてて、納得したんだったわ。そのうち理由が分かるかもね」


「それじゃあ、その辺は様子見って事で。じゃあ、次はリリーの魔法について質問。この間、水魔法と土魔法が得意で、その次に風魔法で、火魔法と雷魔法は制御が苦手って言ってたよね? どの程度の魔力が込められるか実際見せてもらいたいんだけど、いい? 土魔法は魔獣の片付けの時に見せてもらったから、水魔法、それも、ワイルドボアを倒したって言う水球を見せてくれないか?」

「何でそんな事知ってるのよ……」

「バースの宿屋の女将に聞いたんだ」

 なるほどね。私を探しに来た時、バースの村に立ち寄ったって言ってたもんね。

「それじゃあ、特大の水球いきます」

 両手をかざし、特大の水球を作り上げる。

「それで、この水球に圧力をかけて圧迫死させたの」

 水球の中にリンクの実を投げ入れ水圧をかけると、リンクの実はグシャリと潰れた。


「なるほどね。じゃあ、次は風魔法いってみるか! 風魔法はよく洗濯物乾かす時に使ってるけど、それ以外だったらどんなことができる?」

「う〜ん。どんな事って言われても試した事が無いから何とも言えないわ」

「じゃあ、質問を変えるね。俺の一番得意な魔法が風魔法なんだけど……」

 そう言って、近くに生えていた木に向かって片手をかざし、魔法を唱えた。ディランさんが放ったのは風の刃。太い幹がスパン!と切れた。

「これより強力な魔法って言ったらどんなのが出せる?」

 風魔法……強力な風か……竜巻とか?

 両手をさっきディランさんが切った木に向け、竜巻を起こす。すると、竜巻は切られた幹を吸い込み、ズタズタに切り裂いた。

「…………ありがとう。もういいよ」

 何か……引いてる?


「じゃ、次は問題の火魔法だね。リリーはよく小さな炎を指先に灯してるけど、その辺まではコントロール可能なんだよね?」

「うん。ただ、それ以上になると暴走しちゃうかも……」

「ここは草木しかないから、心配しないで思いっきりやっちゃっていいよ。そうだな……この間俺が魔獣の亡骸を燃やしたよね? あれくらいの魔法をイメージしてみて」

 あれって、魔獣……消し炭になってなかったっけ? 火炎放射器みたいだなって思ったんだったわ。

「いや、さすがにちょっと怖いんだけど……」

「大丈夫! 俺が補佐するから。リリーは魔力を放ってくれるだけでいい」

 そう言って、私の手を取った。

「絶対コントロールしてよ! 本当に知らないからね!」

 火炎放射器……二メートルくらいだったよね。ディランさんが放った火魔法を思い出しながら魔力を込めた。


「…………いや〜、焼け野原になっちゃったね! あはは!」

「あはは! じゃないわよ! だから言ったのに!」

 目の前には百メートルほどの焼け野原が広がっていた……。

「いやいや、それでも俺もコントロールしたんだよ」

「本当にした?」

「し、したよ?」

「ディランさん?」

「……ごめんなさい。リリーの本気が見たくて……」

「信じらんない‼︎ 私これでもディランさんが放った二メートルの炎を目指して放ったのよ⁉︎ だから言ったのに‼︎」

「本当ごめんってば。リリーさ、もしかして炎に対する恐怖心持ってない? コントロール出来ないのは恐怖心が邪魔してるからだと思うんだよね。」

「そりゃ、怖いわよ‼︎ 一度掌サイズの炎出そうとして天井焼きかけたからね‼︎ 前髪もチリチリだったわよ‼︎」

 あぁ、何て苦い思い出……。

「リリーはさ、小さい炎を何度も積極的に使って、徐々に炎に慣れると良いよ。生活魔法で使いたいのなら特にね」

「そんな事言われても……」

「大丈夫! 今度はちゃんとコントロール出来る様に、俺がコントロールの仕方教えるから」

「全く持って信用できないんだけど……」

「今度はちゃんと教えるって」

 あぁ、この焼け野原どうしよう……。あとで綺麗な花植えてあげるわね。


「次は雷魔法だね。これは俺も使えないから何のアドバイスも出来ないけど、ちょっと試し打ちしてみて?」

 そう簡単に試し打ちできるか‼︎

「簡単に言わないでよ。雷なんてどうなるか分からないわよ⁉︎ これだけは絶っっっっっっっ体にやらないからね! 一生使わないんだから‼︎」

 雷魔法も一度で懲りている。思い出しただけでも舌がビリビリするわ。


「ディラン、無理強いはするな。これだけお前に協力してくれたんだ。そろそろ良い加減にしないとリリーの赤と白の守護者が怒るぞ」

「うっ……。わ、分かった。光魔法はクラウスでその能力は実証済みだし、闇魔法もあの広い土地をすっぽり覆うほどの隠匿の魔法を使ったんだ。大体の魔力の強さは分かってるからこれで終了にしよう」

「ディランさん、今日は頼まれたから魔法使ったけど、私、基本的に生活魔法しか使わないからね。変な事考えたらロジーとスノー連れて遠くへ逃げるからそのつもりで」


「分かってるよ。ただ、今後も魔法のアドバイスとかもらえないかな? 俺たちが使う魔法の改善点とか。さっきの風魔法についてもこの世界で初めて見る風魔法だったから。リリーのアイデアでこの国の魔術師達が成長できれば良いなって思って……」

「……魔法バカ。……分かったわよ……相談だけね。ただ、この世界の基準から大きくはみ出る魔法は教えないからね」

 地球の知識を教えたりはしない。あくまでもこの世界で使ってる魔法にちょっとしたアドバイスをする程度。地球の兵器をイメージすればとんでもない魔法が生まれてしまいそうだから……。


 その後、家に戻ったディランさんは、クラウスさんにとんでもない雷を落とされたらしい。ガウルさんが「髭がビリビリする。勘弁してくれ」と共有スペースのキッチンへと逃げ込んできた……。

 雷を落とされる……比喩ではなく本当に。クラウスさんは雷の魔法も使える魔法剣士でした。


 その後共有スペースに降りてきたディランさんは髪の毛がチリチリで、その辺の家具を触るたび「バチッ‼︎」と静電気を放出していた。


 



 

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