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新提案

「では、一気にいきますね」

 そう告げると、ソニアさんとジェフはメモを取り出し準備万端でこちらの話を聞こうとする。

「今回は健康維持に活用するハーブ【メディカルハーブ】を活用した品になります。使い方はメモに書いてあるので一緒に添付して下さい。金額は全て銅貨五枚で」


・エルダーフラワーの解熱剤

・アーティチョークの吐き気止め

・セージの抗菌スプレー

・フェンネルの催乳ティー

・アロエ軟膏

・サフランの止血剤

・クローブの痛み止め


(ちなみにエキナセアの抗ウイルス薬はまだ仕舞っておく。あまり多用出来ないからね)


 アイテムボックスから一気に取り出し机の上に並べた。


「また、色々作ったね。聞いたことも無いものばかりだよ。あんたの作ったものならきっと効くんだろうね」

ソニアさんがそう言うと、次はジェフが質問をしてきた。

「リリーさん、この催乳ティーとはどのようなものですか?」

 ですよね。聞いたことないでしょうね。

「こちらは小さな赤ちゃんがいるお母さん向けのティーです。こちらを飲むとお乳の出が良くなりますので、お母さんにも赤ちゃんにも嬉しいハーブティーとなっています」

 これにはソニアさんが驚いていた。

「そんな効果があるハーブティーもあるんだね! 母親達が悩まずに済むよ。あ〜あたしも二十年前にこのハーブティーがあれば苦労せずに済んだのに」

 ソニアさんも子育てで大変な思いをした経験者でした。

「赤ちゃんにとってはお乳は無くてはならないもの。でも、お乳の出はお母さん達によって差がありますもんね。そのお悩みをこのティーが助けてくれます」


 その後も使い方をレクチャーし、これらの全てはジェフのお店で取り扱いをしてもらうことにした。


 ソニアさんが一番喜んだのは【アロエ軟膏】。これもお試しに、と使ってもらったところ、水仕事で荒れていたソニアさんの手がツヤツヤになった。

「アロエ軟膏は手荒れだけでなく、全身に使えるのであらゆる皮膚トラブルにお使いください」


「次はポプリです。今日はラベンダーのポプリに加えてプラス二種類を作ってきました」


・ラベンダー

・ローズマリー×レモングラス

・ローズゼラニウム×ベルガモット


「これは、見た目も鮮やかで綺麗ですね。ラベンダーの紫、ローズマリーの緑、ローズゼラニウムのピンク。お部屋に飾ればインテリアとしても楽しめます。こちらはどれも銅貨五枚でお願いします」


「ラベンダーもいい香りだったけど、このローズゼラニウムとベルガモットは華やかないい香りだね」

 ソニアさんはポプリを持ち角度を変えながら眺めていた。

「僕はこのローズマリーとレモングラスの香りが好きですね。爽やかな香りが気分をスッキリとさせてくれるようです」

 ジェフはローズマリーとレモングラスの香りがお気に入りのようだ。

「私はやはりラベンダーの香りだな。孫たちがこの香りを気に入っててね」

 村長さんはラベンダーがお気に入り。


 みんなそれぞれ香りを楽しんだ後、これらのポプリはソニアさんの宿屋に置いてもらう事にした。

 その後も先日買い取ってもらったステビアシロップやカモミールティー、スペアミントのうがい薬なんかを追加で買い取ってもらった。


「リリー、今日はジャムやコンポートはないのかい? 村のみんなや旅人に大好評でね」

 期待を込めた目で聞いてきた。

「あ、ごめんなさい。この一週間庭造りや新商品の開発であまり時間がなくて、今日は持ってきてないんです」

「そうかい、残念だけど仕方がないね。一人で作るのにも限界があるだろうし、気にしないでおくれ」

 とっっっっっても残念そうなソニアさん。確かに一人で作るのにも限界があるし、何かいい考えはないかと考え、ある提案が閃いた。

「そうだ! ソニアさん、提案なんですが、作り方を教えますので手作りしてみませんか? 材料のステビアは大量にありますから、ステビアだけ購入してもらってこちらで作って販売するのはどうでしょう?」

そう提案すると、パッと顔を上げた。

「なんだって⁉︎ それってあんたの一族の秘伝じゃないのかい?」

 ソニアさんが勢いよく飛びついてきた。

「ええ。いいんですよ、みんなに喜んでもらえれば。別に秘密にすることでもないですし。それに、私の知らないフルーツでジャムを作ってもらえればレシピも増えるでしょうしね。私、近くの森にあるフルーツしか知らないので」

 そう伝えると、ソニアさんは目を輝かせて喜んだのだ。

 そのあと、ステビアリーフの買取と、作り方をレクチャーして今日の買取が終了。


「リリーそろそろお昼だ。ステビアシロップのお礼にご飯食べていかないかい? 腕によりをかけて作るよ! 村長たちも食べていかないかい?」

「ありがとうございます!」


 嬉しいお誘いを受けソニアさんの手料理をいただいたのだった。

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