第三十五話
私は夢を見た。
それは今から四年後のオリンピック。私は日本代表として、決勝の舞台に立っていた。スタートの合図を私は待っている。不思議と心は静かで、緊張していなかった。スタートの合図が鳴る。私は勢いよく飛び出した。まるで走馬灯のように周りの景色がスローモーションに見えた。周りの選手がどんどん視界から消えていくのがわかった。私が一番だ。そう確信した瞬間、私はゴールしていた。
夢の中、私は見事金メダルを取った。表彰台の一番高いところだ。私はご満悦。嬉しくて嬉しくて、ニヤニヤが止まらなかった。ふと、観客席を見ると、そこには河童がいた。河童に手を振ると、河童は「カパパパ」と笑った。突然、魔女が箒に乗って空からやって来た。なぜか箒は「ブルルル」とエンジン音を唸らせていた。魔女は先端に星のついたステッキを持っていて、それを一振りした。すると、観客全員が河童に変身した。私は驚いて、思わず「わぁ」と叫んだ。
そこで目が覚めた。
あぁ、とてもいい夢だったわ。なんたって金メダルですもの。絶対に正夢にしてやる。私は心に強く誓った。
それにしても、一つ解せないところがある。
――なぜ、種目が水泳ではなく、陸上だったのだろうか? 謎だ。全く謎だ。
私が見た夢の中。私はなぜか水泳ではなく、陸上の日本代表だった。陸上の百メートルで金メダルを取っていた。うーん、謎だ。まぁ、いいか。
私はそんなことをむにゃむにゃ考えながら二度寝をした。




