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BHに飲まれて  作者: 中田カジ
3/3

転生後の生活<闇編>

体が縮んだ男は何もかも忘れていた。

名前さえも思い出せない。


唯一覚えていることは今まで感覚的にしてきたことだ。

その一つが彼の能力である四種類全ての属性が使えることだ。

ただし、先にも述べたように使える数が多いほど、それぞれが中途半端に成長する。


そんな彼は今、東京に移り住んでいた。

体が縮み、京都で眠りについていたところを観光客に発見され、市が保護した後に施設に送られる前に発見者が引き取りたいと名乗り出た。

審査の結果、彼らの養子としてみとめられたのである。


名前を聞かれてもわからないことを告げ、新たに名付けてもらった。

新しい名は、染井桃悟だ。染井は今の親からもらい、桃悟はトウゴと読む。

桃太郎のように現れたことから、桃を入れたかったそうだ。


トウゴは汚い感じの中年の頃と違い活発であり、少しやせ形だった。

走りは一番速く、こども園では一番の人気を誇り、小学生に入っても、その人気ぶりは保てれていた。

小学生一年生では、算数や国語など何においてもテストでは百点を出し続け、家庭訪問の時には大層誉められた。

感覚では、小学生の勉強はものすごく簡単に思えた。走りも感覚的に効率の良い走りを最初から身につけていた。

大人であれば、その程度のことなら誰でもできて当たり前なことだった。


そして、小学二年生に入り、そこで初めて魔法の練習をさせられた。

小学生では能力を発揮することは、まだできなかったが雰囲気は最初から掴めていた。

ここで行われた魔法の練習とは、特殊なプラスチックの箱に向けてエネルギーを出すことであった。

火の者は箱を温め、土の物は箱を固め、水の者は水滴を作り、風は箱を微動させた。


「トウゴ君はここでもすっごいのを見せてくれるよね!」

「早くやってみてよ!」

「楽しみ!」

周りの期待が高まっていた。感覚的にも一番のやり方はわかる。

僕は期待に応えるから見てくれと言いたげに自信満々で箱に手を当て力を使った。


何度やっても箱に変化は何も起きない。

「やり方わからないの?こうするんだよ!」


そう言って、箱に力を入れた結果、水滴がいくつもできた。


「トウゴもやってみて!」


何度やってみても、うまくできなかった。

周りから期待外れな感じを受けていた。

今までの何でも成功していたのに、この魔法の練習では全くうまくいかなかったことに悔しさを滲ませていた。

しかし、この落ちこぼれな感じには懐かしさもあった。


トウゴはまだ諦めていなかった。休憩時間、放課後などで何度も箱を使い練習した。

しかし、思ったようにいかず、変化はなかった。

試しに箱を使わずにやってみようと思った。

試しに水を放ったてみた。手からは水が緩いシャワー程度には出た。次に、火を試すと指から誕生日ケーキに乗ってそうな蝋燭の火程度にでてきた。土を試してみると床から小さな土のタワーがであがり、最後に風邪でそよ風を作った。


トウゴは全てが均等にできてしまうから、箱には何も影響されなかった。箱は得意分野だけを表すため、トウゴは何をしても無駄だったのだ。


翌日の授業でも、箱は使われた。箱は二年間使われるのが決まりである。

トウゴは当然のように箱に変化を出さずにいた。

周りからはいつの間にか、魔法の落ちこぼれと言われるようになっていた。

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