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ずれ  作者: 詠孤
6/9

篠宮英梨のペット

清水千夏に対して態度が全然違っていた。清水千夏は、震え下を向いたまま侵入者を見ようとしない。声を聞いただけでわかったのだろう。


「瑞紀ちゃん。やっと会えた。」そういい私の首に手を回しくっついてきた。昔と変わらない侵入者に私は拒否反応が出た。

「篠宮英梨さん。離して頂けませんか。」篠宮英梨しのみやえり私は、この人だけは友達になりたくなかった。

清水千夏と離れた時から私にくっついてどこに行くにも私から離れなかった。私の生活にいつも篠宮英梨が写っていた。


私は、篠宮英梨を一生許すことは出来なかった。今目の前にいるのも許せない。篠宮英梨とは分かり合えないとあの日からずっと思っていた。

あれは、清水千夏と離れてから数日間学校に行かなくなり久しぶりに登校した昼休み。一人で昼休みを過ごそうと席につきぼーっとしていた時だった。


肩に冷たい感触のものがずしんときた。

「瑞紀ちゃん久しぶり!大丈夫?」 誰も友達がいなかった私に声をかけたのは篠宮英梨だった。



篠宮英梨は、クラスではお嬢様的な存在だった。あだ名は、姫。

わがまま姫で有名だ。本人にはわがまま姫だとはいえない、篠宮英梨のお父さんはある企業の社長さんで娘には甘いようだった。


篠宮英梨のことを好いていたのは石井真奈いしいまなだ。

二人は、小悪魔コンビと呼ばれていた。


「大丈夫です。篠宮さん石井さんと居ないんですか?」篠宮英梨は、なんでそんなこと聞くのというような顔をしていた。

「真奈ちゃんは、今忙しいみたい。瑞紀ちゃんは清水さんと何かあったみたいね。どうしたの?」

触れてほしくないことを言う篠宮英梨に腹が立った。

「別に何もないです。」篠宮英梨の顔がニヤリと笑った。悪魔の笑いに見えた。

「瑞紀ちゃんと仲良くなりたいの。親友になりましょう。」篠宮英梨の言葉に体が氷ついた。断ればやられる。そう思った。

「瑞紀ちゃん。私の大事な親友。」私の手を握りしめて、篠宮英梨は私をじっと見ていた。

「篠宮さんと私は合わないよ。篠宮さんはお姫様だから。」思ってもいないことをいい私は篠宮英梨を避けようとした。

「瑞紀ちゃん。私はあなた親友よ。離さないわ。」悪魔に捕まった。


私は、篠宮英梨のペットになってしまった。

私も清水千夏は、この篠宮英梨によってお互い苦しんでいたのだった。

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