今は、綺麗になって
「瑞紀ちゃん。ねぇ瑞紀ちゃん。」私は、ずーっとぼーっとしていたのかハッと我にかえった。
清水千夏の顔がとても近くてびっくりしてしまった。
「瑞紀ちゃん。隣座ってもいいかな?少しお話したいんだけどいいかな?」
今更、清水千夏と話すことはないが彼女の表情が悲しい顔だったのでとりあえず話だけ聞こうと思った。清水千夏との距離が近い、清水千夏の顔は昔とは変わっていて綺麗になっていた。
「暇だし、よければ。」急に恥ずかしくなり清水千夏との距離をとるため座ってもらった。
昔の姿や性格が変わっていて、初めて会うような感覚だった。
「あの時はごめんね。」突然の言葉に私は、少し胸がくるしくなっていた。
あの時の言葉は正直今でも辛い。清水千夏とはあまり関わりたくないはずなのに隣に座ってってる。
本当は、清水千夏が嫌いではなかった。とても興味ががあったから近づいた。友達になって親友のように仲良くなりたかったのだ。
「別に昔の話だし。私は、運動出来ないから悪いんだ。気にしないで欲しい。」私は、嘘をついた。今私が辛かったなど話したら清水千夏は苦しむのではないかと思ってしまったからだ。
清水千夏の悲しい顔はなんだか見たくなかった。
「瑞紀ちゃんは、優しいね。嘘つかないでいいんだよ。辛い思いさせてごめん。言い方ひどいし、私瑞紀ちゃんとずっと一緒にいたかった。なんであんな人達に言われたからって瑞紀ちゃんを傷つけた。ごめんなさい。ごめんね。」清水千夏は、目に涙が溢れそうになっていて清水千夏の暖かい体が私を強く抱き締めた。私の胸にうずくまり泣いていた。
「み…瑞紀ちゃんは、み…み瑞紀ちゃん。」うずくまりながらいう清水千夏の声は何を言ってるのかわからなかった。そんな清水千夏を見てどきどきした。
「ごめん。」うずくまっていた清水千夏は顔をあげ、私を見る。清水千夏は昔と違うことが今確定した。
清水千夏の涙は止まらなく、清水千夏の手は、私の腰に回ったままくっついている。今思えば店のことを忘れていた。私が座っている席は外だが店内から見える状態だった。急に恥ずかしくなり、言葉が出ない。清水千夏は離れようとはしない。清水千夏の頭に触れ泣き止むように撫でた。
清水千夏の頭を撫でながら、あることに疑問をもった。清水千夏の言葉の一部がすごく気になってしまった。
「清水さん。さっきあの人達にいわれたってどういうことなんですか?」私は、清水千夏自身が言ったのではなく違う人間が清水千夏に言わせたのではないかと思った。
清水千夏は私に回していた手を放し涙を吹きながら答えた。
「うん…話すね。英梨ちゃんと真奈ちゃんって覚えてるかな…?」その名前からまた嫌な思い出がよみがえってしまった。
「うん。あの二人は、まあ有名でしたよね。あの人達に言わされたんだ。想像つく。もう泣かないで清水さん。」清水千夏に悪気がないとわかった。
篠宮英梨、石井真奈この二人とは清水千夏と離れてから友達と言いたくないが仲良くなったのを思い出し清水千夏のことを誤解していた自分を反省した。
「瑞紀ちゃん。まだ話していたいからどっか行かない…?嫌なら大丈夫…」清水千夏さん、あなたがいう言葉は、もし私が男だったらめちゃくちゃ抱きついていますよ。っと心の中で強く思った。
「じゃあ、行こうか。」恥ずかしさのあまり立ち上がってしまった。清水千夏との再会にまた話せる友達ができたみたいで私は嬉しく思えた。