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TILE5 似た者同士と前を向く者

「愛歌ーー!大丈夫かーー」


 廊下をわたわたと走り飛夜理がやってくる。

 その姿をみて目を丸くする。


「うん、とりあえずは………」


「……………で、これどうしたんだ」


「料理してた………」


 そうか、としか返せなかった。

 すると、二人は後ろから視線をは感じる。後ろを振り返るのも面倒な話であり。


「やっぱり似てるらしいなー…あの二人とは」


「そうだな。」


 その会話の主は声だけでわかった。

 二人が後ろを向くともあと真吾が並んでニコニコとこちらを見ている。


「「なにか………用ですか?」」


「うん?あー、いやいや、なー真吾」


「なんでもねーよ、な、もあ」


 なんにも返す言葉が見つからず二人は揃って首をかしげた。


「………なんだその顔は。」


 真吾が不思議そうにつぶやく。


「いやぁ、先生らの昔話って聞いたことなかったから……」


「そうだったな……ま、それはまた今度な」


 もあは少し苦笑い気味に言った。

「……で、似てる……って?」と愛歌。


「ん?先輩曰く、愛歌と飛夜理は関係は俺達の昔に似ているそうだぞ。」


「ほんとに意味がわからないわ」


 そんな風に二人は言うが当の本人らは「それはこっちのセリフです」とあっさり返した。


「とりあえず作り直すか。」


「………えぇ。」


 そう言って二人はまた器具を手にとった。


「瑠衣はどうして振り返らないのですか?」


 それと同じ頃、ふぶきは誰かと話していた。


「ふふっ、そんなこと聞いてくるなんてふぶきちゃん面白いね。」


 瑠衣だった。

「まぁ、答えはまた今度でいいのですよ。」とふぶきが答えた。


「今答え出せるよ?」


「じゃあ、聞くのです」


「きっと、今の私には過去を消せない事を言い聞かせてね、未来と向き合わなきゃいけないんだ。怖いけど。それが私の答えだよ。」


 そうですか、と薄くふぶきは微笑んだ。

 そして、それではと言うと家路に着いた。

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