FILE3 とある昼休み
昼休み。静かすぎる2年の教室。理由はただ一つ、生徒がふぶき以外にいないからである。
ほぼワンツーマンの授業は静かすぎて嫌いだったりする。だが担任……創が煩いのが嫌いだったりする。
そんな彼女は隣の三年の教室に顔を出すことにした。
「こんにちはなのです」
「ふぶきちゃん!いらっしゃーい」
麗華がニコニコと声をかける。
「えらく静かなのですね?」とふぶきは周りを見渡しながら問いかける。すると麗華は「いやぁ、あとのみんな怒られちゃってるからねぇ」と苦笑いで答えた。
「麗華は、大丈夫だったのですか?」
「うん。私、今回に関しては第三者だからね。」
「第三者……?」
そうだよ、と麗華は笑顔で返答した。ふぶきにはまだ立場が上手く想像できなかった。
「ふぶき。来てたのか」
教室に帰ってきたのは飛夜理と愛歌だった。
「久しぶりね。アンタがここに来るなんて。」
「えぇ。珍しく暇だったのです」
「……! そう………」
愛歌は一瞬驚いた表情をしたが、すぐにいつもの表情に戻った。
「では…、時間なので帰りますね。」
「またな。」
「またいつでもおいでよ!」
と3人に見送られふぶきは教室を後にした。