FILE2 新しい風
その次の日。
えらく眠そうな顔をした悠志が教室に入った…………とき。
「………何、してんの…?」
窓が割られ、いや。割った犯人がそばにいて、なんでか、すぐ次の瞬間、水筒が飛んできた。
「あっ」
「いてっ」
悠志の額にかつん、と当たった。
そして、ペットボトルの水筒を悠志は拾い上げ握りつぶした。
バキ…っと鈍い音がなり、目の前の犯人…………舞菜は、「ひ……飛夜理だよ!」と窓の外を指さした。
窓の外を見るとやってしまったと言うような顔をして硬直していた。
「………ちょっと、行ってくる」
やばい、あれは本気だ。と舞菜は苦笑いで見送った。
「わ!!悠志!!話せばわかる!!誤解だァァァァァ!!!」
外から聞こえる叫び声に舞菜は「御愁傷様」と手を合わせた。
「おはよ。…………ペットボトルの破片?」
「お、おはよう……。割れた…悠志が割ったんだ。いや、握りつぶした?」
「そう。」
現れた愛歌に事情を説明したら興味なさげに自分の席についた。
「おはよ〜。ねぇ、飛夜理、なんか微妙な怪我してたよ……?」
と、いいながら麗華が現れ、また事情を話すと、「御愁傷様。」とまたも手を合わせた。
それからすぐに悠志がどこか満足気に帰ってきた。
「くは…………っ」
それから微妙にボロがついた飛夜理が帰ってきた。
ムカついた、と悠志は割とはっきりした声で言った。
「窓割った、飛夜が悪い………よ。」
悠志は飛夜理を睨みながらはっきり言った。
するとバタバタと足音が聞こえ、ドアが強引に開かれる。
そして、前髪を綺麗に青色の髪をぱっつんにした女性…………もあが走り込んできた。
「お前らァァァァァァ!!!!」
なんて叫び声をあげた。それから優、夢、瑠亜、瑠衣が教室にやって来て「あーあ」ともあの表情を見て呆れたように言った。
「さて、HR始めるけどぉ…………。馬鹿か、飛夜理と悠志。…………張本人は舞菜だがな。」
しゅん、と舞菜は肩を落とした。それを見て、はぁ、とため息をつき、もあは髪をガシガシと乱す様に掻く。それからまぁ、今日も一日頑張るぞ、といたずらに笑い言った。
そして、屋上にいるふぶきはまた何かを呟く。
「新しい風に向かうのも、良い事ですよ。」
誰にも聞こえない声で。
それから彼女は続ける。
「なんにも、恐る事なんかないですよ」