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Tiny Story  作者: 夏蜜柑
4/25

ただの偶然 Part1

集中さえできれば、大っ嫌いな数学でも

1時間くらいあれば解ける。

家であろうと、図書館であろうと

なかなか集中できないんだけど。


嫌いなものには、全然集中できない。

反対に、本読んでたらどこでも、いつでも

集中できる。


そのせい(おかげ?)でクラスでは

浮いてる感じになってるけど

1人は別に苦にならないし

何より好きなときに本が読める。


その代わり…○人の班作ってーとか、

好きな人と組んでーとか言われるとちょっと辛いけど、まぁ、いいんだ。


今日は珍しく普通に集中できたから

早く終わった。

だからいつもみたいに、本棚の間を

気の赴くままに、ぶらぶらする。

気になった本があれば

手に取ったり、ちょっと立ち読みしたり。

この時間が1日の中で1番好きなんだ。


外国の作家さんが書いた本が並んでいる

本棚を順番に見ようと

3つ目の棚の角を折れると

本当に珍しく、男の人いた。

地域の人もこの時間だとなかなかいないし

司書さんだって、そんなに見回らないのに。


うそっ!あの人制服着てる!

珍しいなんてものじゃない。

この図書館に来はじめて約半年。

制服姿で、それに高校生らしき人なんて

初めて見た……


さりげなくその人を見る。

この辺ではあんまり見かけない

あの詰襟の制服は、えっと、どこのだっけ…


あっ、長峰[ながみね]だ。

公立だけど有名大学進学率が

高いって言われてる地域の名門校。

ここからはちょっと遠い。


私の通ってる藤無[ふじなし]も

公立としてはそこそこだけど

長峰には見劣りがする。って言われる。


この辺だとわざわざ長峰に行くなら

藤無に行く人が多いんだけど

この辺の人かなぁ?


ちなみに私は長峰には行けない成績でした。


どうでもいいことを考えてたら

その人、(名前ないとめんどくさい。

今からあの人は長峰くんだ。)

長峰くんは本を1冊だけ持って

こっちに向かってきていた。


(あっ、まず)

ちょっと遅かった。

長峰くんとばっちり目が合ってしまった。


すぐ目は逸らしたけれど

何となく気まずくなってしまい

そろそろ帰ろうと荷物を置きっぱなしだった

自習テーブルへ向かった。








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