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ことの始まりPart3
その日の放課後は図書館に行った。
いつも通り空いていて
静かで心地よい空間なのに
胸がざわざわする。
いつもみたいに落ち着けない。
出入り口近くの椅子に座って
本を読んでても集中できなかった。
ごくたまに、扉が開いて
知らないおじさんや
司書さんたちが出入りする。
その度にはっと顔を上げて
入ってきた人たちを確認してしまう。
……いないのに。
来ないって分かってるのに。
どうしても集中できなくて
ふらふらと図書館を出た。
なにも考えずただ歩いていたけれど
気がついたら公園のベンチの前にいた。
三枝くんと座ったあのベンチ。
怖々と座ってみる。
寒くて、風は冷たくて
早く帰ろうと思ってるのに
体は動かなかった。
ぼーっとしていると
不意に言葉が漏れた。
…………会いたい。
………三枝くんに会いたい。
無意識に言葉を発してしまって
私自身が戸惑った。
でも、本音だった。
ベンチから立ち上がる。
家に帰ろうと
風に向かって前に進みながら考えた。
恋なのかなんて分からない。
三枝くんのこと好きなのかも分からない。
でも、それでも、
私は三枝くんに会いたいって思うんだ。




