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勉強Part3
三枝くんはすべて終わるまでそばにいた。
私が問題を解くたび
すっとノートに視線がいき
あの真剣な目で私の解いた問題を確認する。
最初の何問かは気になっていたけれど
途中からはあまり気に留めなかった。
ただ、ずっとどきどきしてた。
でも、ちょっとだけだもん。
時計を見ると7時5分前。
「先生がよかったからだな」
またしれっと不遜なことを言う。
今回は素直にすごいと思ったけど。
「ありがとう。助かった」
と、だから、ちゃんと伝えられた。
言った瞬間三枝くんの目が少し丸くなった。
「よろしい。倭谷、素直にもなれんじゃん」
全く意地悪な感じがない
それこそ、素直で幼い少年みたいな笑顔で
三枝くんは言った。
「俺は帰るな。じゃな、倭谷」
そして、特に何も意地悪なこと言わず
去って行った。
もうすぐ図書館も閉まる……
私も帰ろう。
家に帰る道すがら
あの最後の笑顔が思い浮かんできて
考えを打ち消すように首を振っていた。
でも、何となく楽しい気分になる。
何か変なの。これじゃ私……
三枝くんのこと好きみたいじゃない。




