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カンニング・AI~Fランクの俺、カンニングで楽したい~なのにやり過ぎAIが深層ボスを倒し、自分の葬式中に英雄として帰還!ご褒美がエリートコースへの強制編入って正気ですか?俺のサボり人生を返してくれよ!  作者: とうふ
第2.5章:学年末休み編(後半)【北方リゾート、海底神殿編】

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Ep.45 第26.3話:【幕間】砂浜の乙女たちと、書き残された「もう一通の推薦状」

【第26.3話:まえがき】 いつもお読みいただきありがとうございます!


前回、第26話では、アヤネの結界とダンジョンコアを直結させるという「禁断のハッキング」により、極寒の北海を一夜にして常夏の楽園へと変貌させたコタロウ。


街は救われ、精霊たちはバカンスを楽しみ、ついに手に入れた「完全勝利」の休息。


今回の第26.3話は、そんな黄金の砂浜で繰り広げられる、ヒロインたちと精霊王の「女子会」を描いた幕間劇です。


コタロウが知らぬ間に手渡された、もう一通の「重すぎるプレゼント」とは……。


嵐の前の、穏やかな(?)バカンスのひとときをお楽しみください!

【本文】

1. 常夏の砂浜と、修羅の休息


「あはは! コタロウ様、見てください! 貝殻拾いましたよぉ!」


黄金に輝く砂浜に、アヤネの弾んだ声が響く。


彼女は、フリルがあしらわれた真っ白なビキニ姿で、拾い上げた綺麗な貝殻を高く掲げていた。


そこは、結界の外側で猛吹雪が吹き荒れているとは到底信じられない、完璧な南国リゾートだった。


少し離れた場所では、モモが「お魚の丸焼き、おかわりですぅ!」と叫びながら、精霊アクアが魔力で焼いた熱帯魚を文字通り骨までしゃぶっている。


「ふぅ……。全く、あの男は」


パラソルの下、リリスが冷えたトロピカルジュースを一口啜り、視線の先を指差した。


そこには、デッキチェアでサングラスをかけ、**【スタイラス・ワンド】**を扇風機代わりにして爆睡しているコタロウの姿があった。


「あんなデタラメな手法で世界を書き換えておいて、自分は真っ先に昼寝なんて。……少しは自分のしでかした事の重大さを理解してほしいわね」


リリスは呆れたように肩をすくめたが、その口元には微かな笑みが浮かんでいた。


2. 乙女たちの「評価」


「でも、リリスさん。コタロウ様が頑張ってくれたおかげで、街の人たちもみんな笑顔になりましたぁ」


アヤネが戻ってきて、コタロウの寝顔を愛おしそうに見つめる。


「水の精霊王様も、あんなに楽しそうですし……。コタロウ様は、やっぱり私のヒーローなんですぅ」


「ヒーローっていうか、稀代の詐欺師かハッカーよ、あれは。……でも、認めざるを得ないわね」


リリスは、結界の維持に協力している精霊たちの様子を見た。


彼らは過酷な「レバー監視業務」から解放され、アクアを筆頭に全力でサーフィンや砂遊びを楽しんでいる。


「コタロウ様、すごいですぅ。モモ、一生ついていきますぅ……。もぐもぐ」


口の周りをタレだらけにしたモモも合流する。


彼女たちにとって、コタロウは「無気力なFランク」などではなく、自分たちの望みを不可能を可能にして叶えてしまう、唯一無二の存在となっていた。


3. 精霊王の密談


「あら、女の子たちだけで秘密のお話かしら?」


涼やかな声と共に、水の精霊王セレインが歩み寄ってきた。


彼女は氷の結晶を編み込んだような、透き通る青いビキニを纏い、精霊王としての威厳を脱ぎ捨てたかのように艶やかに微笑んでいる。


「セレイン様……!」


「いいのよ、今は休暇中だもの。……ところでアヤネちゃん。あそこに寝ている彼……コタロウ君のことだけれど」


セレインはコタロウに視線を送り、少しだけ真剣な表情になった。


「彼に渡した『Sクラス入り』の推薦状。……あれ、実はただの推薦状じゃないの」


「えっ……? どういうことですかぁ?」


アヤネが首を傾げる。セレインは周囲に音が漏れないよう、小さな防音の結界を張った。


4. 封じられた爆弾


「彼に渡した封書の中には、確かに学園長宛ての推薦状が入っているわ。でもね……。私が彼に教えずに、こっそりと忍ばせた**『もう一通の書状』**があるのよ」


セレインはクスクスと、悪戯が成功した子供のように笑った。


「それは、王国の騎士団長と、聖教会の枢機卿宛ての連名書状。内容は――『聖女アヤネを真に制御できる唯一の守護者として、神木コタロウを「聖騎士パラディン」の位に叙するよう強く求める』というものよ」


「「「せ, せいきし!?」」」


ヒロインたちの驚愕の声が重なる。


聖騎士。それは王国における最高の名誉職であり、同時に「最も多忙で、最も注目される」役職だ。


「彼、あんなに『目立ちたくない』『サボりたい』って言っていたじゃない? だから、最高のご褒美をあげようと思って。……彼がSクラスに入った瞬間、その書状が受理される手はずになっているわ」


「それ……コタロウ様が知ったら、泡を吹いて倒れるんじゃありませんかぁ?」


アヤネが不安げに尋ねると、セレインは妖艶に指を唇に当てた。


「だから、新学期が始まるまでは内緒よ? 彼、今すごく幸せそうに寝ているんですもの。……この『爆弾』が爆発するまでは、ゆっくり休ませてあげなきゃ」


リゾートを満喫する乙女たちの背後で、コタロウは何も知らずに「むにゃ……カニ食べ放題……最高……」と幸せな寝言を漏らしていた。


彼の平穏な冬休みが、嵐の前の静けさであることに、まだ本人は気づいていなかった。


(第26.3話 完)

【第26.3話:あとがき】 お読みいただきありがとうございました! 今回は、コタロウが知らないところで行われていた、セレイン様による「最大級のありがた迷惑」な伏線回でした。


今回のポイント:


• ヒロインたちの水着回: 常夏リゾート化した北の海で、ようやく手に入れた平和なひととき。


• セレイン様の「仕返し」: コタロウに一杯食わされた精霊王が、彼の「サボり願望」を最も効果的に粉砕するプレゼントを用意していました。


• 第26.5話への繋がり: 26.5話で宰相フランツが「国家最重要人物として扱え」と追記した背景には、実はこのセレイン様の「守護者推薦」という強力なプッシュがあった……という裏設定を補完しています。


次回は再び王都へ。 第26.5話「暗部からの定期連絡:報告書「北限の熱帯化現象について」」へと続きます!


【作者からのお願い】 「セレイン様の悪巧みが怖すぎるw」「コタロウ、逃げ場がなくなってて草」など、楽しんでいただけたら、ぜひブックマーク登録をお願いします!


また、評価の【★★★★★】をいただけると、コタロウが聖騎士に任命された際の「絶望の顔」がより鮮明に描かれる演算能力が加わります。 第3章、波乱の学園編もよろしくお願いいたします!

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