13/14
くろきちにて
アヴェリウスを切っ掛けに、全てが露呈した。
私は裁かれ、
下界へ堕とされた。
生まれながらに黒い髪と黒い瞳を持つ者たちの世界。
呪われた者ばかりが住む、汚れた地。
だが――。
ここで、私は初めて美しいと言われた。
世辞でも、憐れみでもない。
心からの賛辞。
私は贈り物を受け取り、愛の歌を捧げられた。
五人の男に、上界の宝を持ってくるよう命じた。
それで少し、救われた気がした。
ここは、私を拒絶しない。
私の黒を、祝福する。
そして――
私は出会った。
私と同じ黒い髪。
私と同じ黒い瞳。
ほんの少し、アヴェリウスに似た面影のある人。
彼は、私を利用しない。
私を哀れまない。
私は、彼を愛した。
もうすぐ刑期は終わる。
私は再び、上界という地獄へ戻される。
それでも、必ず戻ってくる。
懐から天緑の薬を取り出す。
下界の者にとっては、不死の薬。
「待っていて」
私は、月を見上げた。




