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翡翠の波間  作者: シン86
=第1章= 翡翠カフェの静かな朝
2/51

2話

午前8時、カフェが開店する。


店の前にはすでに松田さんが立っていた。


彼は、手に持った新聞を軽く振り、「おはよう、理沙ちゃん」と穏やかに微笑む。


「おはようございます、松田さん。いつものブレンドでいいですか?」


「うん、お願いするよ」と、松田さんはお馴染みのカウンターの端に座り、新聞を広げた。


松田さんは70代半ばの元教師で、この町の歴史とともに生きてきたような人物だ。


彼の銀髪は丁寧に整えられ、身なりも常にきちんとしている。


控えめで落ち着いた雰囲気を持ち、誰に対しても穏やかに接する。


長年教師をしていた影響か、松田さんは話すとき、相手の言葉にじっくり耳を傾け、静かに頷くことが多い。


理沙は、彼のために慣れた手つきでコーヒーを淹れながら、「今日も変わらない朝だな」と思う。


松田さんは毎朝決まって同じ時間に来て、同じ場所に座る。


そして、いつも無言で新聞を読みながら、ゆっくりとコーヒーを楽しむ。


理沙はその姿を見ながら、どこか懐かしい安心感を覚えるのだった。

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