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14/24

明日に備えて

面接を終えて、休憩中ということでラーメンまでご馳走になる。


この店は午前十時半から十五時まで、十七時から二十四時まで営業していたはず。


「んで、明日は何時からがいい?」


「いつで……すいません、夜でお願いします。少し、人と会う約束をしてまして」


「ほう? 女か?」


「いやいや、そういうのじゃないですよ。実は、うさぎを飼い始めまして……」


「なに? ……そいつは良いことだな。生き物を飼うのは責任がいる」


「ええ、その通りです。おかげさまで、少し立ち直ることができました」


そんな会話をしていると、テレビの音が聞こえてくる。

それは探索者達の特集をやっていた。


「チャンネル変えるか?」


「いや、もう平気です」


「そいつは良かった。実は、うちにも探索者がくるからな」


「あっ、そうなんですか」


俺がいた頃は、そんなに見たことはなかったけど。

そういや、最近この辺りにダンジョンが発生したとかニュースになってたっけ。


「そうなんだよ。この近くにダンジョンが発生して、それを調査しにきた連中達が食べにきたりする。まあ、お前が平気ならいいんだ」


「じゃあ、しばらくは忙しいですね。商店街の人達にとってはラッキーでしょうし」


「まあ、人が死なない限りはそうだな。今回は、幸い発見が早かった。なので魔物が出る前に、探索隊が来てくれたしな」


基本的にダンジョンは突然現れ、その厳密な理由はわかっていない。

ただ、現れる直前に磁場の歪みを発生させる。

争いばかりする人々に対しての神の怒りや審判とか、破壊される自然に最後の救済措置を施したとか。

とりあえず、物資の奪い合いや自然破壊が止まったことは事実だ。

ダンジョンにはランクがあるが、基本的に資源に満ち溢れている。


「それなら安心ですね」


「ああ。ただ、磁場の歪みの発生から何かが抜け出したってニュースが一昨年辺りにあったが……まあ、気のせいだったんだろうよ」


「へぇ、そうなんですね。それじゃあ、そろそろ営業時間が近いので帰ります」


「おう、明日からよろしくな」


「はい、こちらこそよろしくお願いします」


淳さんとあかりさんに挨拶をして、自宅に戻る。

すると、トタトタとサクラがお出迎えをしてくれた。

そして、俺の足元をうろちょろする。


「フスフス……」


「サクラ、お出迎えありがとな」


「フスッ!」


「お腹が空いたろ、すぐにご飯を用意しような」


「プー?」


その顔は『パパは食べないの?』とでも言いたげだ。

その優しい気持ちに、思わず抱きしめたくなるが……。


「あぁー、お父さんは食べてきてしまった」


「フンスッ!」


「あたっ!?」


思いきり、スネを蹴られてしまう。

それにしても……思ったより威力があったな。

うさぎって、こんなに力強いのか?


「フンスッ!」


「お嬢さん、何するんですかね?」


「プイッ」


なにやらソファーに座り、そっぽを向いてしまう。

どうやら、勝手に食べてきたことに怒っている? ようだ。

……自分が腹を空かせているのに、俺が食べてきたら当然か。

というか、言葉が通じすぎな気がする。


「悪かったって。ほら、ご飯を食べよう」


「……フンスッ」


「仕方ないなぁ」


俺もソファーに座り、その綺麗な毛並みを優しく撫でる。

すると、サクラが『グー』という鳴き声をした。

確か嬉しかったり、寂しかったりするとこの声が出るんだっけ?


「……そっか、俺が長時間いなかったから寂しかったのか。ごめんな、サクラ。ただ、俺も働かないといけないから。明日からは、少し出かけても良いか?」


「……スンスン」


すると起き上がり、『仕方ないわね』とでも言うように、俺の腕に鼻をツンツンしてくる。

どうやら、許されたようだ。

困ったお嬢さんだが……それが可愛い。


「んじゃ、ご飯にしよう」


「プー!」


ご機嫌を取り戻したサクラに餌を与え、その間に動画の編集の続きを行う。


そして、何とか夜までに終わらせ、チェックをして投稿ボタンを押す。


その後は、明日くる天野さんのために部屋の掃除をする。


終わった後は疲れたこともあり、夕飯を軽く食べた俺は早めの就寝をするのだった。






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― 新着の感想 ―
[一言] この感じ作者はうさぎ飼ったことある人やな
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