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  作者: ひじきとコロッケ
六月二十八日
78/176

(1)

 朝食後、出発前に


「ガチャ実行」


 今日は注意書き無しの★4カプセルが出てきた。

 開けてみると


「密封された缶……なんだコレ?」

「えーと、コピラ……コピ・ルアク?!」

「え?」

「司くん、大変だよ!」

「な、何が?!」

「コピ・ルアク!最高級のコーヒーよ!」

「コーヒー?」

「天然物なら百gで万単位」

「マジで?!……って、本当に微妙だな」

「ですねぇ……」


 二人ともコーヒーなんてインスタントとドリップコーヒーの違いがわかるかどうかすら怪しいレベル。高級コーヒーと言われてもピンとこない。


「飲んで違いがわかったとしても」

「嬉しいかと言われたら微妙ですねぇ」


 またアイテムボックスの死蔵品が増えた。

 高級品とか高価な物とか出てきても、扱いに困るんだよな。




「雨が降っている時って、レインコート系必須と思っていたら、アイテムボックスで解決しちゃった件について」


 路面が濡れているとかはどうにもならないが、体が濡れるのはアイテムボックスを頭上に出して「雨を回収」してみたらいい感じになった。


「アイテムボックスって活用の幅が広いですね」

「こういう使い方は想定していないと思うけどな……」


 だが、いくら雨には濡れないと言っても、道路状況は悪く、スピードが出せない。程々に進んで休めそうな建物を探す。

 キャンピングカーを出してもいいが、万一、司を追ってる連中が近くにいた場合、目立ちすぎるから使えない。逆にオフィスビルのような所は窓から顔を出さない限り、外から見つかる心配は無いと考えて、周囲の見通しのよい場所に建っている五階建てのビルに入った。




  ◇  ◇  ◇




「誰か入ってきた」

「え?マジで?」

「ほら、これ」

「ヘルメットで顔がわからないけど、男女二人かな?」


 ビルに元々設置されていた防犯カメラにPCを接続して監視しているのは五人の男女。声を潜めて様子を窺う。


「二人ともヘルメットを脱がないな」

「頭の防具としちゃ手軽で優秀だもんな」

「かなり警戒してるけど、こっちまで来るかな」

「隠れる準備をしよう」


 少し周囲に散らばっている荷物をまとめると、そっと監視用の部屋の外を窺う。


「よし、今のうちに」

「おう」


 全員が足音に気をつけながら奥の部屋へ通じるドアへ。ドアを閉めたあとにゆっくり慎重にワイヤーを引っ張ると、ドアの向こう側でキャスター付きの小型キャビネットがススッと動いてドアを塞ぐ。これで「このドアの向こうには誰もいませんよ」アピールになるだろう。


「どうだ?」

「ちょっと待ってくれ……よし、繋がった。あの二人は……階段に向かったな」

「階段の監視カメラは?」

「えーと、ダメだな。動いていないのばっかりだ」

「しゃーない。どの階に入るか他のカメラで確認だな」

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― 新着の感想 ―
[一言] コピルアク飲んだこと有るけど希少性から高いだけで他のコンテスト優勝してるような豆の方が個人的には美味しいと思います
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