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  作者: ひじきとコロッケ
六月十八日
61/176

(1)

「ちょっと新鮮な感じね」

「たまにはいいかなと」


 ホテルの食堂のテーブルを少し並べ替え、食べるものを並べ、皿に取ってからテーブルにつく。


「こんなことになってるのにバイキング形式っぽい朝食とか」

「まあ、食べる分しか出してませんけどね」


 さすがに無駄遣いはしない。


「でも、気分が上がるよね」


 うなずいて、今日の予定について話す。

 まず、高速道路を使った移動はしばらく控える。すると、必然的にさらに南、海沿いの国道を進むことになる。


「コンビニ、スーパー等々……」

「さすがにそろそろ賞味期限がヤバいから無理かな」

「ホームセンターとか」

「非常食のコーナーとか……残ってると思えない」

「うーん……」

「ガソリンスタンドは回っておきたい」

「トロール対策ですね」

「ま、他にも色々あるけど」


 あって困る物ではないし。


「あ、電波が通ってますよ、ここ」

「おお」


 部屋では繋がらなかったんだけどな。




 助けてくれ 二十三人目


215 名無しさん

もうダメ、死にそう


218 名無しさん

>>215そうか、大変だな


222 215

>>218-220そう言わずに聞いてくれ、ひどい状態なんだ


231 名無しさん

>>224-229落ち着け、聞いてやろうぜ


235 215

>>231ありがとう

簡潔に言うと、暑くて死にそう


236 名無しさん

解散


237 名無しさん

終了


238 名無しさん

再開


239 名無しさん

>>238 解散だって言っただろ!


240 215

>>236-239六月一日は船に乗っていたんだ

で、船の操縦出来る人が全滅して、漂流

モンスターがあふれてきてヤバかったんだが、必死に戦ってどうにか片付けた

それでひと安心だと思ったらまたモンスターが出てきて、必死に戦って、どうにか生き延びた

でもさっき、船の燃料が切れて電気が止まった

蒸し風呂みたいになってる

冷蔵庫も止まったし、厨房もIHだから料理出来ないってなってる


242 名無しさん

>>240乙

自力で陸に向かうしか無いんじゃね?


243 215

>>242出来たら苦労しねえよ

モンスターが出てきたことと言い、全部あの変な女のせいだ


244 名無しさん

>>243変な女についてkwsk


246 215

>>244モンスターに囲まれてるところに女が空飛んで来たんだよ

で、そいつ、アイテムボックス持ちで色々持ってるはずなのに全然出さねえで、さっさと他の乗客とか連れて逃げやがった

船の中のモンスターを放置して


247 名無しさん

>>246その女、何も悪くないんじゃね?


248 215

>>247なんでだよ

あの女、ガソリンも持ってたんだぞ

船の燃料が少ないなら出していってもいいじゃねえか


249 名無しさん

>>248船のサイズにもよるけど、たくさん乗せる客船の燃料ってガソリンじゃなくて重油じゃね?


250 名無しさん

>>249 重油の中でもC重油って奴だな

ガソリンスタンドで重油扱ってるところもあるけどA重油くらいかな

普通に街を歩いて回って見つかるモンじゃないと思う


280 名無しさん

>>215=248がいなくなった件




「船だと大変そうですね」

「空飛ぶ女……アイテムボックス……ガソリン……」

「ん?」

「まさか……寿姉」

「誰それ」

「イヤイヤ成海さん、なんですごい目でにらむんですか」

「何となく……何か隠してませんか?」


 いずれ話すことになるだろうし、隠す必要もないから今話してしまうか。


「えっとですね……空が飛べて、アイテムボックス持ちで、ガソリンを中に詰め込む女性に一人心当たりが」

「へえ」

「俺の双子の姉です」


 話しても問題なさそうな、空が飛べることとアイテムボックスを持っていること、詳細を話すには本人の許可が必要だから伏せるが、物理戦闘では多分世界最強と言うことを話した。


「で、寿姉……じゃない、姉に先に両親のところに向かってもらってるというわけでして」

「寿……姉?そこんとこ詳しく」

「えと……その……まあ、癖です。癖」

「ふーん……司くんに一つ質問」

「何でしょう」

「私がこのままついていったらどうなりますかねぇ?」

「正直見当もつきません」


 何しろあのブラコンっぷりである。そこに距離を詰めることを厭わない成海を引き合わせたらどんな化学反応をするやら。成海と行動を共にしているが、何もないと言っても信じるかどうか……信じそうだな、無条件に。


「頑張ります!」

「何を?!」


 成海の何かに火が点いたようだった。




  ◇  ◇  ◇




「そう……うん、わかったわ。それじゃあ」


 碧が電話を切ったところに、たまりにたまった洗濯物を干し終えた寿が戻ってきた。


「お父さん、何だって?」

「それがね……」




 六月一日、いきなり現れたゴブリンの対処が終わったところに119通報がどんどん入る。怪我人多数、救急搬送要請なのだが、それほど大きくない市に何十台も救急車が有るわけでも無く、「とにかく動ける者は全員動け」と救急隊員でない者も応急手当キットを持って駆け回った。

 だが、一時間もせずに、その対応すら崩壊した。電話は鳴りやまず、人手は足りない上に、いざ現場に行ってみたら軽傷どころか重症者多数。人力で搬送するのは困難な上に、道路はそこら中で車が事故を起こしているので救急車は通れない。

 そして、病院も受け入れられる状態ではなく。

 どうにか災害対策本部が市役所内に設置され、避難所の開設を開始。怪我人もそこに集めるようにしていたのだが、立て続けにモンスターが出現。全国の自治体が開設した災害対策本部は、死者数を数えるのをやめた。

 そして、どうにか残っている人員を動かして、避難所の集約を行っているが、モンスターの出現、襲撃でままならない。


「と言うことで、当分帰れないって」


 大雨などの災害があると何日も帰ってこないことがあるので、「またか」と思う。しかし、災害救助は周囲の状況や天候などを確認しながら安全第一で作業を進めるのだが、今はいつどこにモンスターが出てくるかわからない分、心配もしている。


「それでね、モンスターの出現パターンがわかったらしいの」


 避難所で多くの犠牲者を出しつつも、やられっぱなしではない。各地で避難所を運営し、必死に戦った人々がかき集めた情報からある傾向が見つかった。

 モンスターの出現するタイミングは、必ず正時。そして、まだ確定とは言い切れないが日中のみ。夏至に近いこの時期だと、日本全国でだいたい朝四時頃から夜七時頃までの間、十四回出現する。

 そして、出現場所は……

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