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  作者: ひじきとコロッケ
六月六日
31/176

(4)

本日2回更新します

「で、探知」

「簡単に言うとレーダーね」

「レーダー?」

「大雑把にやると、周囲に人がいる、ゴブリンがいるって感じで頭の中に出るの」

「へえ」

「あとは、詳しく知っている人や物を指定すると、距離や方角が」

「それで俺を探したのか」

「そういうこと」

「……親父とお袋は?」

「探したよ。ほぼ同じ位置……数メートル以内の距離だから一緒にいるみたい。地図が出るわけじゃないからなんとも言えないけど、方角的に多分家の中かな」

「探知できてるって事は生きてるって事でいいのかな?」

「うん……その……確認してあるから」

「そっか」


 死んでいたら見つけられない、と。この話題は避けておこう。何となく、まだ消化し切れていないようにも見える。俺もそうだし。




「じゃ、寿姉の飛行で一緒に実家に向かえばいいんだな」

「そうしようと思ってるんだけど、一つ困ってるんだ」

「何?」

「燃料」

「燃料?」

「うん。ガソリンでも軽油でもいいから、燃料が必要なんだよ」

「寿姉、メシは食わなくなったんだ?」

「ご飯も食べるよ。だけど、空を飛ぶのはガソリンとかが必要なんだよ」

「そこら中にガソリンスタンドがあるじゃん」

「そうなんだけど……一度に五リットルくらいしか入れられなくて、満タンでも一時間くらいしか飛べないんだよ」

「なるほど、補給が大変だと」

「そう言うこと」

「なら大丈夫」

「え?」

「説明する。近くのスタンドに行こう」

「うん」


 アパートから徒歩数分にある、個人が経営している小さなガソリンスタンドへ向かう。小さすぎてあえてスルーしていた店だ。


「えーと、アイテムボックス」

「そう、それでこうして……」

「収納……おおっ!スゴい!」


 ここのガソリンはあまり残っていなかったが、この方法を他のガソリンスタンドで使えばいくらでも補給できる。


「それで、これを」


 空のペットボトルを渡す。


「この中にアイテムボックスからガソリンを取り出す」

「えーと……ホイッと、入った!」

「どう?」

「これなら大丈夫だよ~」


 嬉しそうにペットボトルを口にして、一息で飲み干す。


「ぷはぁ……」

「口から飲むんだ……」

「そだよ~」


 仮にも見た目は美少女なのだが、飲んでいるのがガソリンというのがなかなかキツい絵面だ。


「うん、これいいよ」

「え?」

「だって考えてみてよ。女の子にとって、変な臭いがする(給油)固くて太いの(ノズル)(くわ)えるのって結構抵抗あるんだから」

「言い方!」

「えへ」


 明らかに勘違いしかされない言い方だろ。だが、これで色々と解決したようだ。


「んふふ~」

「どうした?」

「これ……間接キス?」

「ぶ……」


 解決していたが、新たな問題が追加された!


「司ちゃん可愛い、照れちゃって」

「どなたかお医者さんはいませんか?!主に頭の!」


 叫んでも答える者はいない。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 寿っちの発言がただのエロオヤジの件
[良い点] 口からガソリン飲む    笑いました。食べてたサラダを掃除するぐらい。いやいやほんと、油断してました。 頑張ってください!!
[一言] ガソリンでペットボトルは溶けませんよ。 静電気が逃げなくなって引火して爆発するから、 金属製のもの以外が禁止されてます。 ちなみに灯油は引火しにくいのでポリ缶でもOK。
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