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  作者: ひじきとコロッケ
六月一日
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(1)

 アパートからも大学からも離れた位置にある小さな公園。昨夜のうちに地図を調べ、原付で移動出来る程度の範囲内ならここが良いと判断した場所だ。周囲は住宅地で平日の昼間にこの公園に来ている者はいない。金属バットを横に置いているから不審者として通報される可能性はゼロではないが、カモフラージュとしてコンビニで買ったサンドイッチとペットボトルがある。背中に背負ったバッグの中にはグローブとボールも入れてあるから、草野球前の腹ごしらえという言い訳で大丈夫のハズだ。


「さてと……そろそろか」


 スマホの時計を確認。十一時四十九分。ガチャの画面を呼び出すと、上に残り時間十分と表示されている。だが、我慢だ。




 あの説明の通りなら、十一時五十分からが勝負。焦るな。

 スマホを眺めるフリをしながらじっと待つ……ガチャの残り時間が十分を切り、九分五十九秒、五十八秒と変化した。十分を切ると秒も出るのか。




 立ち上って、右手に金属バットを握り、左手でコインに触れるとガチャに吸い込まれていった。そして、ご丁寧にもレバーがグルグルと回り……ガコンとカプセルが出てくる。そして、パカッと開き、折りたたまれた紙が出てくる。ここまではネットの書き込みの通り。そして紙が開かれる。


 ★★★★★ 豪運


「よし!ユニークスキルっぽい!」


 しかも、予想通り★5だ。あの説明は正しかった。信じた甲斐(かい)があったというものだ。

 詳細を確認してみたいが、ガチャの演出だけで一分程使っている。時間が無い。すぐに次のコインに触れる。次のカプセルは……


 ★★★★★ 成長促進


「んー、なんだかよくわからないがきっといいもののハズ!次!」


 残り時間は六分四十五秒と表示されている。急いで次のガチャを開始する。次のカプセルは……


 ★★★★★ アイテムボックス(レベル10)


「キター!よっしゃ!」


 定番チートスキルランキング常連のアイテムボックスだ。しかもレベル十。これからの展開に期待が高まる。


「アイテムボックス!」


 何も起こらなかった。数回繰り返すが何も起こらない。


「アレ?」


 何か間違えているのだろうか?発音?ネイティブっぽく発音するべきなのか?いや、待て待て。昨日見た書き込みにあったじゃないか。魔法スキルを手に入れたが使えなかったと。


「つまり、これは正午にならないと使えない……か。っとヤバい、時間が無くなる」


 残り時間二分三十秒。余計な時間を食った。慌ててガチャを回す。次のカプセルは……


「なんだこれ?」


 ★5は確かだが……これ……何だ?詳細もわからないが……って、残り時間が一分切った。


「マズい!」

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