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  作者: ひじきとコロッケ
六月五日
25/176

(1)

六月四日がないのは誤字でも脱落でもありません

 この異常事態も五日目ともなると、少しの慣れが出てくる。


 ガチャもイマイチで、昨日のガチャは「★3:経験値百獲得」、今日のガチャは「★4:拳銃」だった。経験値百は普通ならスゴい量だろうが、司にとっては微妙。

 拳銃なんてアニメで有名な天下の大泥棒の孫がワルサーなんとかを使っているくらいしか知識は無いから、★の数が多い分スゴいんだろうな、くらいしか判断できない。

 そして、当然ながら弾がない。

 日本国内で拳銃の弾を入手できるところ……警察、自衛隊、米軍基地……あとは反社会的な方々?

 しかし、銃の弾にはサイズが色々あると聞いたことがある。つまり、ただ銃弾を見つけて回収すればいいというわけでは無く、この拳銃に合うサイズでないと意味が無い。

 だからと言って、銃弾のありそうな所に行って「この銃にぴったり合うような銃弾、くださいな」と言うわけにも行くまい。子ギツネが手袋を買いに行くのとはワケが違うのだ。

 結論として、拳銃はアイテムボックスに死蔵されることになった。




 そろそろ物資の回収を切り上げて、次の行動……実家に帰って両親と合流を目指した方がいいだろうか。

 ちなみに電話は繋がらないまま。この騒ぎで電話を落とすか踏むかして壊した可能性が高い、と思っている。あの両親だ。このくらいでどうこうなることも無いだろうと思っている……斜め上の状況が容易に予想出来るが。


「では、このスーパーで最後にしますかね」


 自分に言い聞かせて中に入ろうとしたところで、あの声が再び聞こえた。




『いよいよ五日目になったのですが、全然進展しません。仕方が無いのでもっと後でやろうとしていたことを前倒しします』


 は?時計を確認すると、丁度正午だ。


『ステータスにランキングを追加しました。自分のレベル順位を確認できます。同じレベルの場合は獲得経験値の多い順です』


 ランキングって……数十億人を並べるのか……今何人生き残っているのかがわかったりするのかな?


『なお、国際標準時で月が変わった日の午前零時に、下位一万人に該当する人は死んでいただきます。死にたくなかったら頑張ってください』


 ちょっと待て、今なんて言った?!

 あの声の主が誰なのかはわからないが、地球の人間全部を使って何かの遊び――と本人は思っているのだろう――を進めているとしか思えない台詞のような気がする。

 そして、その進捗が思わしくないので、強硬手段に出たのだ。下位一万人が死ぬとなれば、それなりに必死になるだろうと考えて。


「これはヤバいだろ」


 慌ててステータスを開き、ランキングを確認。


「俺……一位かよ」


 一位:HUZISAKI TUKASA レベル二十五

 どうやら声の主は「ふ」を「HU」、「じ」を「ZI」、「つ」を「TU」と書くらしい。

 ヘボン式では無く、訓令式とか日本式と呼ばれる表記法だ。

 幸いなことに名前とレベルしか表記されておらず、どこにいるとかステータスが表示されたりはしないようだ。

 ちなみに二位はレベル六。ぶっちぎりの一位。


「……色々確認が必要だな」


 このスーパーを片付けたらすぐに帰ろう。

ガチャ結果の表記を少し見やすくしてみました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 住居を大きく移すのでないなら、すぐバレるやろなぁ ごっそり商品パクってるし
[一言] 拳銃なら弾の種類はそこまで多くなかった気がする と、思って調べた自分は無知でした
[一言]  ここまで(25話)一気に読み進めました。 正午から即コス○コに盗みに入り食料一人占とか主人公が無自覚にゲス。 大学とたまたま連れて行かれた避難所にコッソリ差し入れたけど、俺良いことした感が…
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