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「はあ……」
ドサッとベッドに倒れる。
「これからどうするかね」
生き抜くことは当然だが、どうしようか。今のところスマホによる連絡はほぼ不可能だから、大学の友人たちと連絡を取るのすら難しい。だが、大学に行けば会えるかも知れないな。もう遅いから今から行くのはやめておくが、明日になれば性別も男に戻せるし、行ってみるか。だが、ガチャで手に入れた物については適当にぼかした方が良いだろう。性別転換とか説明が面倒くさそうだし、何よりもアイテムボックスがマズい。必死にかき集めた物資を放出しろと言われたくない。
あとは……家族と合流か。進学するときに電車と新幹線を乗り継いで丸一日かかった距離をこの状況で移動すると、どれだけかかるのだろうか。
「何にしても、明日はもう少し周囲を調査。物資をもっと増やしつつ大学に行ってみようか」
行動指針を決めたところで……トイレへ。
いや、一応……その、何というか。ショッピングモールで一度してきたよ?この姿だから女性用に。もちろん、ゴブリンがいないことを入念に確認してから。
色々衝撃的だったが。
ザーッと水を流してトイレから出る。今のところ水道も電気も通っているのはなんて言うか、スゴいと思う。いつまで続くかわからないが。
「ガスも通っているみたいだし、風呂かな」
返り血を少し浴びてて臭いし、汗もかいた。
……まあ、アレだよ。色々あるけどさ。自分の体だよ?気にしないようにしようぜ……
風呂からあがってからがまた悩みどころだった。今の体的には……女性物の下着を身につけた方が良いのだろうか?だが、明日は男になる……ただの変態が完成だ。もちろん着替えれば良いのだが、それも何だかなということでいつも通りの格好を選択。意識しなければ良いのだと自分に言い聞かせて。
落ち着いたところでコンビニ弁当を一つレンチンして夕食にする。ゴミをどうしようかと考えたが、ゴミ収集車が回ってくるとは思えないのでアイテムボックスへ。収納量に余裕があるからな。
ついでにアイテムボックスの性能を確認しておこう。
台所に立ち、ボウルを出して中に水を入れる。そして水を「収納」。
「出来たな」
ボウルだけ残して、アイテムボックスの中身表示に「水道水」が出てきた。
そして、空のペットボトルをゴミ箱から拾い上げて水道水を少しだけ取り出す。
「よし、ちゃんとペットボトルの中に少しだけ入れることが出来たな」
これは色々と応用が利きそうだ。




