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032:境界門の戦い

強行突破なるか!?

 キィーンと左耳の奥が鳴っている。


 酸素が不足しているのか、妙に息苦しい……。


 いつも嗅いでいるお母様の匂いと違う。


 ―ーメリリア?


 はっ! と、気付いて目を開ける。


 目の前に映っているエルフはメリリアだ。


 メリリアに預けられて、しがみつくように密着していた時に自然と意識が落ちていたようだ。意識が覚めて自分の周りの音が鮮明に耳に入ってくる……。


 お父様やお母様、ランドグリスお兄様や、馬車を護ってくれている騎士達の叫ぶ声、自分達に向けられているであろう敵意丸出しの怒号や罵声が聞こえてくる。いろんな声を耳にして、頭がぐらんぐらんしてきた。


 気持ち悪い。目がくらくらして焦点が定まらない。


 キーンと耳鳴りが始まる。

 さっきよりも音が高くて強い……。


 戦場の真っ只中に自分はいる。その状況を把握したせいで、強烈なストレスを感じているのかもしれない。自分の意思に反して身体の震えは止まらなかった。気持ち悪さに倒れそうになるのを堪え、メリリアの服を力一杯握り締めて胸に顔を埋める。


「その上物の馬車を狙え! 獲物はあの中だっ!」

「者共かかれ!」


 御者席が見える窓を振り向きざまに見ると、強烈に眩しい光が目に飛び込んできた。


 その瞬間、ドドゥゥゥ! と大きく上下に馬車が揺れる。頭がシェィクされ、危うく舌を噛みそうになった。強烈に眩しい光は、数回に渡って轟音を響かせながら発せられ、何度も馬車は揺れ続ける。


 胃の中は既に空っぽだから吐くものはない。けれど、胃液が喉から上がってきて嗚咽した。


「アリシアちゃん!」


 横に座っているお姉様が心配そうな顔で自分の様子を見ている。何度も吐き気をもよおすが、出てくるのはお母様のお乳の匂いだけだ。酸っぱい匂いも混じっているけど、お乳の匂いで少し持ち直してきた。


 メリリアは何も言わずに背中をさすってくれる。暖かい手に触れらるだけで心が安らいでいく。


 外の様子を見る余裕は今の自分にはまったくなかった。


 今、戦場のどこにいて、誰が戦っているのか分からないし、分かろうとも思わなかった。そんな勇気は今の自分にはない。ただただ……、馬車を守ってくれている人達が無事である事を願うしかなかった。


「ディオス! こっちだ!」

「レオナール! 無事だったか! 今そちらに合流する!」


 遠くから叔父様の声が聞こえてきた。自分達の先を行ってくれていた叔父様の無事が確認出来て、気持ちが少し楽になってきた。まだ、誰も脱落していないはず。お父様に叔父様も加われば、こんなところ簡単に蹴散らしてくれるよね? 今現在、自分達が乗っている馬車は激しい揺れだけで、危害を加えられた形跡もない。きっと、お母様のすごい魔法で守られているはず! 


 冷静に少し考えることができ始めて、光明が見えてくる。


 これだけ凄い人が集まっているんだし、境界門を通過するなんて簡単じゃない? 最初っから心配する必要なんてなかったんだよ。——恐怖を誤魔化しているだけかもしれない。けど、楽観的に思ってないと心が潰れて、頭がおかしくなりそうなくらい追い詰められている。


「ユステア! 門が閉じている、頼んだ!」


 お父様の声に反応して、前方の御者台にいるお母様が眩い光に包まれていく……。


「アリシアちゃん、メリリアにしっかり掴まって。お母様の様子がおかしいですわ。何かとてつもない魔力が集まっている感じがします」


 お母様を包んでいる光はどんどん大きくなって、直視出来ないくらいの眩しさを放っている。


 次第に光はお母様の前に集まっていく。あの光が全部魔力だとすれば、何でもかんでも一撃で破壊できちゃうのではないだろうか。眩い光で影になるお母様の背中をジッと見守った……。あの光に自分達の行く末が託されている気がするのだ。


「太陽の女神シュレスよ! 我らに害を成す咎人達に裁きの焔を下し給え! レビストアシュレージョン!」


 お母様が言葉を発すると同時に、眩い光が激しく燃え立つ太陽のように変わり馬車より速く前方に飛んでいくように見えた。まるで小さい太陽だ……、放たれた光はどんどん先に行き見えなくなる。


 とてつもない魔法をお母様が使ったのは確かだ。あの炎に中に入ってしまったら、一瞬で黒焦げどころか跡形も無くなってしまいそうな感じがした。


 ゴゴゴゴゴゴゴッ! と地鳴りが遠くから響かせてくる。多分、お母様の魔法が境界門に命中したのかもしれない。地鳴りの音は一向に収まる気配がない。


「エルステア様、アリシア様。まもなく衝撃波がこちらに届き、馬車が大きく揺れます。私にしっかりお掴まりください」


 あの地響きは衝撃の音?確かに、遠くから聞こえていた音が、どんどん近づいて来ているのかのように、大きく響かせている。


 これはまずい。暴風が直撃するような音だ。素直に指示に従わないと大怪我する。両手でしっかり抱きついてメリリアの服を強く握った。お姉様も、メリリアの腕に抱きついて衝撃波に備える。


 ドゴッ! ドゴゴゴゴゴッ!


「ヒヒヒッンッ!」


 馬車を引いていた馬が衝撃波を受けて暴れ出した。


 と、同時に馬車が大きく宙を飛んだ。


 妙な浮遊感を身体で感じる。


 このまま落ちたら馬車が壊れてしまうのでは? 戦場に投げ出されてしまう!


 そんな考えが思考をよぎるが、杞憂に終わった。


 跳ね飛んだ馬車も馬もゆっくりと地面に着地していく。まるで羽が生えたように優しく降り立った。これも、お母様の魔法なんですよね……たぶん。暴れそうになった馬も、フィリアの手綱で直ぐに走り出す。


「このまま雪崩込め! ランドグリス! 馬車は任せる、先にここを抜けろ!」

「はっ!」

「ディオス、ここで食い止めるぞ!他領の馬車もこの隙に通過させるぞ!」

「おうっ!我等がいれば奴等も不用意に攻め込めまい!」


 馬車はさらに勢いを増して走り出す。時折、馬車の下からグシャリ、グシャッ! と何かを轢いた音が聞こえる。想像したくない、耳を塞いでメリリアの胸に顔を付ける。


 メリリアはそんな自分の様子を見てか、身体を覆うように抱きしめてくれた。


 このまま何も考えずにいたい。


 そう思っているうちに、再び意識が落ちていった。




 お母様の匂いがする。いつもの匂いに心が安らぐ。だけど、ちょっと鉄くさい臭いもする。原因は分かってるから思考に入れない。考えたらまた辛くなる。


 背中に暖かさを感じる。お母様が背中をさすってくれているのだろう。このままもう少し寝ていよう。


「ディオス達はどうでしたか?」

「まだ、境界門から抜けられてはいないようです」

「そうですか。続いて来た他領の者達の様子は?」


 お父様と叔父様は境界門でどうとか言っていた。いまここにはいないのか。二人とも無事に戻ってきて。


 手をぎゅっと握り願った。


「ブレイスール領の者達は、ほぼ無傷で三組がこちらと合流しております。領主のヴァルドール様はディオス様と共にいるとの事です」

「さすが、ブレイスールですね。無事で何よりですわ。ミルドス領とカンザル領はどうでしたか?」

「ミルドス領は荷馬車が奪われている者が五組おりましたが、人的被害はございません」


 やはり、自分達と同じように襲われている人もいたんだ。どうして同じエルフ族なのに酷いことをするんだ?自分の周りにいる人たちは温厚で優しいのに……。


「カンザル領は、二組のみ合流しております」

「そうですか」


 お母様の声は低い。あまり良くない話だとすぐ分かった。偽善振るつもりはないけど、ツライ気持ちにさせる。


 考えちゃダメだ……。


「アリシアちゃんが起きたようです。少し休んでから皆さんと話をしましょう。よろしくお伝えくださいますか?」

「はっ!かしこまりました。」


 起きてるのが悟られていたようで。


「おはようございます、おかあさま」

「おはよう、アリシアちゃん」


 お母様は、手を頭に乗せて撫でてくれた。ツライ話を盗み聞きしてしまい、憂鬱な気分だったのが和らいだ。


「お父様達は、まだ境界門を守っているそうですよ。もう少し時間がかかりそうですから、ここで待ちましょうね。」


 ぐぅー。ぐっぐー。


 お腹が鳴ってしまった。そう言えば、境界門を抜けるまで、ほとんどご飯を食べていないね。


「ふふ、アリシアちゃんお腹ぺこぺこですのね。ここなら大丈夫ですわ。お乳ごくごくしましょうね。」


 お母様は服の上をずり下げて、張りのあるおっぱいを出してくれるた。甘い匂いが鼻を抜ける。そのままパクッと加えてお乳を飲む。


 身体の中に母乳が染み渡っていく。嫌なこと、辛かったことはお乳を飲むうちに忘れていった。


「アリシアちゃん、とても幸せそうな顔でお母様のお乳を飲んでますわ。可愛いですよ」

「ピイッ! ピピッピッピッー!」

「あら? ライネもお腹空いてますの?」

「ピィッ!」


 メリリアがお姉様にそっと哺乳瓶を渡す。メリリアも無事だったようで、いつもと変わってない。うちの他のメイドさんや護衛騎士は無事なんだろうか。


 お母様のお乳を飲むのを少し中断する。

 口から垂れた母乳を手で拭った。


「リリアやロアーナたち、ぶじですか?」

「ええ、皆んな無事ですわよ。アリシアちゃん、安心してお乳をお飲みなさい」


 そっかー、皆んなここにいるんだ。後はお父様と叔父様だけなんですね。お母様の言葉でもやもやっとした気持ちが晴れていく。酷い目にあったけど、皆んながいるなら一安心です。


「あんしんしました、おかあさま。おしえていただき、ありがとうぞんじます」

「どういたしまして、アリシアちゃん。さぁ、いっぱい飲んでゆっくりしましょ」

「はい、おかあさま」


 晴れやかな気持ちで、お母様のおっぱいを飲む。いつもよりお腹が空いているので、時間をかけて飲み続けた。


「ゲプッ」


 飲みすぎたせいで、ゲップが出た。ちょっとお上品ではないけどしょうがないのだ。


「ふふふ、いっぱい飲みましたねー。お腹いっぱいになれましたか?」

「はい、おなかいっぱいです!」

「それは良かったです。アリシアちゃんの幸せそうな顔が見れてお母さん嬉しいわ」


 お母様の笑顔に釣られて、自分も笑顔になる。お腹と心は満たされたけど、この温もりから離れたくない。しばらくお母様にもたれ掛かり、余韻に浸る事にした。


「ユステア様、王都から騎士団の増援が到着しました! 団長より面会依頼が来ております、如何いたしますか?」


 騎士団が駆けつけてくれたって! これでお父様も叔父様も戦わなくて済むのかな? 嬉しい報告に、お母様の言葉が気になって見つめる。お姉様もお母様の言葉を待っていた。


「お会いしますわ、ランドグリス。この窮地に王都からの援軍は頼もしいですわ。良く知らせてくれました、感謝いたします」

「もったいないお言葉でございます。では、団長をお呼びいたしますので、しばしお待ちください」


 ようやくこの訳の分からない戦いから解放される! そう思ったら緊張が一気に解けていく感じがして、すごく心が軽くなっていった。


「おねえさま、これであんしんですのね?」

「ええ、騎士団が来てくれたのですもの。もう安心ですわ。ねぇ、お母様?」

「そうですわね。騎士団長が自ら援軍に来てくれましたから、もう憂いはございませんよ。」


 期待していたお母様の言葉に、目の前がパッと明るく開けていった。この三日間、どれだけこの平穏な時を待っていたか……。やっと、やっとです、物凄く長くて何度挫けたか。


「もう、こわいおもいはしなくていいのですね」

「そうよ、アリシアちゃん。もう何も心配しなくていいのですよ」

「ピッ! ピピィッ!」

「ライネも嬉しそうですわ。アリシアちゃん頑張りましたね。貴女が笑顔になれてお姉ちゃんも安心しましたわ。皆んなでユグドゥラシルへ行きましょうね。」

「うん、いっぱいおんせんはいって、おねえさまのきねんしきにさんかします!」


 ナーグローア様も、きっと首を長くして待っててくれているはず。もう嫌な事は忘れて気持ちを切り替えていこう! 心の底から湧き出る嬉しい気持ちを笑顔に乗せて、お母様とお姉様の手を取った。




「騎士団長が到着いたしました!」

「では、皆さんご挨拶をいたしますよ。良いですか?」

「はい、お母様」


 お姉様の返事に合わせて頷いた。騎士団長はバハムートさんやランドグリスお兄様達の上司にあたる人ってことか。もう、この世界の強い人って言えば、大体がハンサムゴリラって印象を持っちゃってるから……、どんな人が来ても驚きませんよ!


 さぁ、騎士団長はどんな人かな?


「ユステア様、お久しぶりでございます。お変わり無いようで安心いたしました。」

「ツヴァイスタ、此度の援軍ありがたく思います。貴方もお変わりないようですね。」

「勿体なきお言葉。我等、騎士団、ディオス様、ユステア様のためであれば、如何様な場所でもはせ参じまする!」

「ふふ、ツヴァイスタ。ちょっと硬すぎますわよ。少し肩の力を抜いてくださいな。」


 お母様と騎士団長のツヴァイスタ様はちょっとしたお知り合いって感じの雰囲気だ。


 そのツヴァイスタ様も、お父様や叔父様と同じ……マッチョダンディだ。ふふ、もう想定内ですよこの展開。今、確信しました! エルフ族で強い人はみんなマッチョ。はい、これ心理! という事は、ランドグリスお兄様もエルグレスお兄様もグレイも将来マッチョになるんだ……。マジか……。


「そっそうであるか? 少し力が入っておるか? これでも普段通り接しているつもりであるぞ?」

「相変わらずですね、ツヴァイスタ。本当に変わってないのね。ディオスもレオナールも境界門で待っていますので、久々の再会をお楽しみになられてはどうですか?」

「ユステア様の許可が出たのであれば、急ぎ向かわねばならぬな! 今回の騒動では我等の動きが鈍く迷惑をおかけした。この汚点はバンテリアスの謀反を鎮圧させ拭わせていただく」


 ツヴァイスタ様はお母様に討伐を誓うと、自分達に視線を下ろした。


「エルステア様にアリシア様ですな。私はサントブリュッセル王国の騎士団長ツヴァイスタと申します。ディオス様とは共に苦難を乗り越えた盟友でございます。以後、お見知りおきください」

「ツヴァイスタ様、このような若輩者にご丁寧な挨拶、ありがとう存じます。」

「ツヴァイスタさま、ごきげんよう。ごあいさついただき、ありがとうぞんじます。」


 二人でお上品にスカートを少し持ち上げて挨拶を返した。もう、お手のもんですよ! いっぱい練習しましたからね。少しは可愛らしい女の子に見えたんじゃないですか?


「さすがユステア様のお嬢様ですな! ディオスが羨ましいですぞ」

「今回は、エルステアも活躍したのですよ。祈念式には出られるのですか? 是非お披露目姿をご覧になってほしいですわ。」


 そうですよ! 今回はお姉様が超頑張ったんです! もっといっぱい褒めちゃってくださいな! 自分もちょっと褒めとかないといけないね!


「おねえさまが、まほうでてきをいっぱいたおしたんです!」


 お母様と一緒だけど、そんな事はどうでもいいんです! 竜巻で迫る敵をぶっ飛ばしてくれて助かったのですから!


「おぉっ! さすがでございますな、エルステア様。将来が楽しみですな」

「おっ恐れ入ります……。初めての事で無我夢中でしたけど、皆んなに怪我が無くて良かったです」

「幼少科に入られた際には、私も必ず一目お姿を拝見しに伺わせていただきますぞ! 今から楽しみですな!がっははははっ」


 ツヴァイスタ様は、お姉様に期待の眼差しを向けているようです。もしかして、将来は騎士団にスカウトされちゃいますか? 優秀なお姉様ですもの、有望な人材に唾をつけておきたいですよね!


「おぉ、そうでした。一人紹介したい騎士がおりましてな。こちらに呼んでもよろしいですかな、ユステア様?」

「ツヴァイスタが紹介したい人物であれば、私も断れませんわ。どうぞ、お呼びくださいな。」

「ルードヴィヒ、ユステア様にご挨拶を」


 ツヴァイスタ様が後ろに控えている騎士を呼び出す。


 現れた騎士は、細見のイケメンエルフだ。目がシャープでエメラルドグリーンのロン毛で後ろに結んでいる。全身赤黒い鎧を纏っていて見るからに強そうな感じがする。んー、誰かに似てるなぁと思ったら「バスケがしたいんです」に似てるかも?


 ちっ、今度はマジもんのイケメンか……。

 もうランドグリスお兄様だったり、エルグレスお兄様で間に合ってますよ。


「ユステア様、お初にお目にかかります。騎士団長ツヴァイスタの甥にあたるルードヴィヒと申します。以後、お見知りおきください。」

「ルードヴィヒ、ごきげんよう。ツヴァイスタの甥でしたのね。道理で雰囲気が若い頃のツヴァイスタに似ていると思いましたわ」

「おぉ? そうでしたか? 私の方が美男ではありませんでしたか?」


 お母様とツヴァイスタ様が、昔話で談笑している。

 ルードヴィヒ様は、そんな二人に特に興味がなさそうです。


 チラリとこちらを見たルードヴィヒ様は、自分の前で跪いた。


「アリシア様、ルードヴィヒと申します。以後、お見知りおきください。」


 えっ? 何で自分なの? お姉様の挨拶すっ飛ばして何してくれてんすか? マジで怒りますよ? もう怒ってるけどさ!


「わたしよりさきに、おねえさまにごあいさつ。」

「これは失礼いたしました。」


 ルードヴィヒは直ぐにお姉様に跪き挨拶をした。


 何でこの人は、こんな事するのかな? もしかして……ヤバい人? ちょっと近づくの止めといた方がいいかもしれない……。すかさずお母様の後ろに身を隠した。


 さすがにルードヴィヒもそこまで固執してこなかったので、胸を撫で降ろした。


 いやはや、この世界にも特殊性癖な人はいるんだな……用心しないと。


「では、我々はディオス様の援軍に向かいます。一部の騎士はこちらの護衛に残しますので、何かありましたらお申し付けください。それでは!」

「ご武運をお祈りしております。ディオスをお助けくださいませ」

「必ずや、こちらに」


 今まで目にした事が無いくらい大規模の行軍だ。これが王都の騎士団か。

 お母様に抱かれながら、境界門へ向かう騎士達に手を振って見送った――。

何度も意識を失ってしまったアリシアちゃん。

何とか境界門を越えたと思ったら?変態さんと遭遇!?

乙女のピンチにはならなかったけど、そっちの趣味は世界共通?


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いつもお読みいただきありがとうございます。

皆様の応援でなんとかモチぺが続いてます。

今後ともよろしくお願い申し上げます!


読んで面白いと感じていただけましたら、

是非ブクマもしくは評価をいただけますと幸いです。

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