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021:お手製ゴーレムバトル

皆で作ったゴーレムがついに動き出す!

 今朝は少し甘い感じの香りがする。


 お母様やお姉様の優しくてホッとするような感じとは違う。


 艶っぽいと言うか蕩けさせると言うか……。


 不思議な感じ。


 思ったより長く寝ちゃってたんだな。

 お腹が空いたわ。


 とりあえずお乳を飲んで空腹を満たそうか。


 慣れた動作でお母様のネグリジェを弄ってお目当の物を露わにさせる。

 いただきます。

 カプッと柔肌に被り付く。


「ンッ。アッ。」


 いつものお母様の反応と違うな。

 艶っぽい声を出されたのでちょっと反応に困る。

 取り敢えず、まずお乳いただかないと。

 お腹ぺこぺこなんです。


「アアンッ。」


 いやいや、お母様ちょっと声がよろしくないと思いますよ。

 さっきから必死に吸ってるのだけど全くお乳が出てこない。いつもならこのくらい吸えば出てくるんだけど。


 まさか、もうお乳出なくなっちゃった?あんなに大きいのに出ないなんて事があるのだろうか。


 このままでは飢える。

 一心不乱に柔らかい肌を揉んだり押したり舌を絡めたり、取り敢えず考えられる方法全てを試みてお乳にありつこうと頑張った。


 頑張れば頑張るほど、お母様の喘ぐ声が聞こえてくる。

 どうしちゃったの?お乳も出てこないし、今日のお母様は何かおかしいです。


 お腹が空っぽで飢えそうなのに、全然お乳が吸えないし、艶めかしい声を出されるしで泣きそう。


「おかあさまー。」


 込み上げる思いに感情がコントロール出来なくて、声を出して泣いてしまった。こうなると自我があろうと抑制するのは無理なのよ。


「はーい、アリシアちゃんこっちですよー。はいどうぞ。」


 身体をコロンと反対に転がされ、いつものお母様のお乳の甘い匂いがする。

 これこそ自分が探し求めたおっぱいだ。

 何も考えずに口を開けて吸い付いたら、口の中にお乳が入ってくる。あーお乳が身体に染み渡るー。お乳の甘い匂いに包まれて、さっきまで揺さぶられてた感情は落ち着いてきた。


「ふふ、アリシアちゃん、お母さんと間違えてナーグローアからお乳を貰おうとしてたのよー。」

「この子、なかなかお上手ですわね。驚いてしまいましたわ。」


 チラッと横目で後ろを見ると、ナーグローア様が少し頬を染めていてはだけたネグリジェを整えている。

 あれー?さっきまで一生懸命吸ってたのって……。


「将来が楽しみですわ。フフフ。」


 ナーグローア様が口の端を上げ笑っている。これはおっさんの操、いや乙女の貞操の危機なのでは!?そっちの方は未経験だし興味がない事もないけど、ほらまだちっさい子ですしそんなハンターみたいな目で見ないでください。


 さっきのお返しと言わんばかりに、おしっこでパンパンになったお尻を撫でてくる。お乳を吸っている最中で口も手も離せない。


「ンンッ!」


 ナーグローア様、だから、そういうのは止めてくださいって!


「可愛いお尻ですこと、食べちゃいたいですわ。」


 そう言いながら、ナーグローア様は手を休める事なく更におむつを揉みしだき始める。おむつをそんなに弄るとおしっこが溢れそうになるから止めて!身を捩ってナーグローア様の手からの逃れようとするが、大人と子供の圧倒的な差にどうにもならない。


「ナーグローア、その辺にしてくださいね。アリシアちゃんが集中できなくて困ってますわ。」


 お母様がナーグローア様を嗜めると、さっきまで触れていた手が離れてくれた。


 助かった。なんちゅう事するんですか!このままお尻を揉みしだかれたら、間違いなくネグリジェにもお布団にもおしっこをぶち撒けるところだったよ。うわぁ、股の辺りが湿っている気がする。あーあ、溢れてるよこれ。


 取り敢えず、お乳だけ満足させてから申告しよ。ナーグローア様めっ!


「やっぱり、子供を授かると胸も膨らみますのね。殿方は要らないですけど、子供が欲しくなっちゃいましたわ。」

「ふふ、ナーグローアらしいわね。でも、旦那様が居ないと産まれてくる子供が可愛そうですから変な気を起こしちゃダメですわよ。」

「ほほほほ、冗談ですわユステア。子供が欲しいけど、殿方と交わるなんて未来永劫、この身が朽ちてもありえませんから。」


 どこまで男が嫌いなんだ。何か壮絶に恨む事があったのかと思うくらいの嫌いようですね。ここで実は中身は男ですとか言ったらどんな目にあうか。想像するのは止めよう、怖すぎる。


 お母様のお乳をお腹いっぱいになるまで飲んでから、おしっこが溢れそうになっていることを申告した。すぐにメリリアとリンナ、フィリアも参加して新しいシーツと布団、そして、おしっこで濡れた下着の替えを持ってきた。すいません、こんな事になってしまって。自分が寝ぼけてナーグローア様のおっぱいに吸い付いたのがそもそもの原因なので、申し訳ない気持ちで代えてもらうのを眺めた。


 なんかお漏らししちゃったみたいで恥ずかしい。


「アリシア様、そのままお着替えをいたしましょう。」


 メリリアが着替えをしてくれるのだけど、恥ずかしさから彼女の顔が見られません!


「お気になさらないでいいのですよ、アリシア様。まだこんなに小さいのに誤魔化さずに言えるのは立派でございます。」


 着替えながらフォローをしてくれるメリリアに嬉しく思うけど、やっぱり恥ずかしい。おむつが取れた時にこんな感じでお漏らししたら......と先の事まで想像して気が沈んでいく。


「アリシア、今日は昨日作ったゴーレムで遊びましょう。誰が一番強いゴーレムを作ったのか競争ですわよ。」


 魔王様なのに、こんな小娘に気を使ってくれたのかな?百合っぽいところが無ければ良い人なのにね。


「そうね、もう貴女の魔力が定着してる筈ですから動かしてみると良いですわ。でもあまり乱暴に扱うと壊れちゃいますからね。」

「せっかく皆で作ったゴーレムですもの、壊したりは致しませんことよ。」


 そっか、ナーグローア様がまだ家に居たのはゴーレムが完成していなかったからなのね。自分の作ったゴーレムが動くのを見たかったし!


 気がつくと、さっきまで漏らして落ち込んでいた気持ちも忘れて、ゴーレムの事で頭がいっぱいになった。


「ナーグローアさま、ゴーレムたのしみです。」


 お母様もナーグローア様も笑顔でこちらを見る。

 まだちょっと恥ずかしいけど、誤魔化すようにお母様の手を取った。


「あらあら、アリシアちゃん。そんなに急がなくてもゴーレムは逃げませんよー。朝食を食べてかららお姉ちゃんも誘って行きましょうね。」


 お姉様はさっきまで一緒にいたけど、着替えに行って戻って来てなかった。お姉様を置いてくなんて出来ませんね。戻ってくるまで部屋で待機です。


「お待たせしました、お母様。」

「おねえさま、ちょうしょくをたべて、ゴーレムであそぶですよ。」

「あら、それは素敵ですわね。」


 自分もナーグローア様もお姉様も、なんか玩具を手に入れて喜ぶ子供のようにそれぞれ作ったゴーレムの自慢をしながら朝食を取りに向かった。


 お母様のゴーレムが一番強そうだけど、自分のゴーレムも負けてないはず!火を噴くドラゴンだし!


 朝食を食べている時もゴーレムの話で盛り上がった。


 庭に置いてあるゴーレムは、皆で作った方法とは少し違う作りだとお母様が教えてくれた。何でも、粘土の中に特殊な魔力が込められた金属の芯が入っていて、強度も威力も別次元なのだ。


「あのゴーレムはユステアが作ったものでしたのね。触れるとどんどん魔力を吸収してくるものですから、避けるのが大変でしたわ。」


 そんな機能まで付いてたの?

 ドレインタッチ的な感じかな。

 下手に魔力がある人だと、ゴーレムの動きが止まらなくなるとか?


 凄い物をお母様は作っちゃうんだなぁ。


「ナーグローアではちょっと相性悪かったですわね。お詫びに数体差し上げますわ。まだ昔作ったゴーレムがありますから。」

「よろしいんですの?ユステア。でしたら二体ほど頂きたいわ。謁見の間の前に置けると安心ですわ。」


 ナーグローア様がちょっと興奮してる。自分で身をもってお母様のゴーレムの強さを体験しているから、くれると言ったら遠慮しない感じに見える。


「持ち運ぶのが大変そうですけど、貴方の騎士であれば問題ないでしょう。」


 お母様は、ナーグローア様の後ろで護衛している騎士達をチラリと見る。騎士達は無言で頷いた。そうだよね、いっぱい荷物持ってここまでナーグローア様を追っかけて来たんだし。荷物が二つ増えても変わんないよね。


「運ぶゴーレムは後でゆっくり決めましょうね。」


 家の中にまだ眠っているゴーレムがあるのかぁ。お母様は一体いくつ作ったんだろう。と言うか、庭にあるだけでも20体は軽くあるのにまだあると?懲りだしたらハマってくタイプなのかな。お母様は本当に底が見えないよ。


 朝食を取って少しお茶を飲んで一休みして、また横漏れすると嫌なのでお母様におしめを替えてもらってから、昨日ゴーレムを作った部屋に向かった。


 もう、漏らして恥ずかしい思いしたくないんです!


 部屋に入ると、昨日作ったゴーレムが並んでいる。外見は昨日と特に変わってなかった。これが動くんだよね?


「ここだと危ないので演習場に運びますわね。」


 メリリアとリリアがサッとゴーレム達を布で包むと、大きいワゴンに乗せて運んでいく。


 被せた布は、魔力を遮断して対象を動かなくする効果があるそうだ。これもお母様が古代の文献を参考に作ったんだと。


 うん、もう驚かない。お母様は規格外すぎる。


 演習場に運ばれたゴーレムを並べて、布が取られる。

 いよいよ稼働ですね!


「ナーグローア、動かしたいゴーレムを頭に浮かべてみてくださいな。」

「頭に浮かべるのですね。主の意思に沿って動く遠隔魔法が施されてますのね。」


 また凄そうな魔法が……驚きませんよ。


「では、私のゴーレムとアリシアのゴーレムを動かしてみましょう。」


 ナーグローア様がそう告げると、自分が作ったドラゴンゴーレムがノシノシ前に歩きだした。ナーグローア様の盾人形も前に歩いている。


「アリシア、貴女の作ったゴーレムはどんな攻撃をするのかしら?教えて頂戴。」

「ひをふきます。」

「それだけですか?」

「それだけ、です。」


 えっ、もっと何か付けられたの?もっと早く言ってよー。


「いいですわ。では試してみましょう。」


 グワッと自分のゴーレムが火を吹き出して、ナーグローア様の盾人形が火に包まれる。凄い自分のゴーレム凄い!


 炎に包まれたナーグローア様のゴーレムは微動だにしない。これもうちゃうんじゃない?ちょっと心配になって、ナーグローア様を見ると余裕そうな顔をしている。


「ふふ、アリシア。こんなものではないですわよ。」


 余裕の笑みを見せた直後、さっきまで自分のゴーレムが噴く炎が押し返されていく。何が起こってるのか理解出来ない。どんどん押し返されて、ついに自分のゴーレムが逆に炎に巻かれてしまう。


「ドラゴンゴーレムまけちゃう!がんばれー。」


 自分の作ったゴーレムが燃えてしまう事に悲しくなってくる。目に涙が溜まって溢れそうになった。


「はい、お終い。」


 ナーグローア様がそう言うと、ドラゴンゴーレムから炎が消えて姿が見せる。ちょっと黒く焦げたところはあるけど無事のようです。


「ドラゴンゴーレムたずかっだ。」


 涙と鼻水塗れな声で無事だった事に喜びと安堵の声が自然とでる。


「ナーグローア、意地悪しちゃダメじゃない。アリシアちゃん泣かせてはいけません。」

「ごめんなさいね、アリシア。ちゃんと動くか確かめないと、いざという時に使えないと困りますの。でも、貴女のゴーレムはちゃんと役目を果たせそうよ。ありがとう。」


 ナーグローア様は、零れそうな涙をハンカチで拭いてくれた後、頭を撫でてくれた。


 そうだよね、護衛代わりに使うんだし、能力を限界まで確かめるよね。今日は何回もナーグローア様に恥ずかしいところを見せちゃってるなぁ。


「次は、ユステアとエルステアのゴーレムですわね。行きますわよー。」


 お母様の騎士ゴーレムが勢い良く高く飛び上がり、お姉様のフィニョンゴーレムはぴょんぴょん跳ねて動き回っている。

 騎士ゴーレムの剣がフィニョンゴーレムに襲い掛かるが、フィニョンゴーレムがあっさりと交わして、後ろ足で騎士ゴーレムを蹴り飛ばした。


「フィニョンがんばれー!」


 お姉様がフィニョンゴーレムを応援すると、蹴り飛ばされた騎士ゴーレムの落下地点に跳ねながら突撃していく。

 フィニョンゴーレムの追撃!

 騎士ゴーレムも空中で体制を立て直し盾を構えて突進に備えている。

 お互いが交差した瞬間、ゴスッと鈍い音がし砂煙が舞う。

 砂煙が落ち着くと、騎士ゴーレムの姿が現れる。

 フィニョンゴーレムの突進を受けたが、しっかり盾で受け切っている。


 小さいゴーレム同士の戦いなのになかなか手に汗握る戦いだ。


 騎士ゴーレムも負けじと攻撃を盾で交わしながら、フィニョンゴーレムの早い動きに惑わされず的確に攻撃を当てる。フィニョンゴーレムはじりじりと壁際に追いつめられていく。


「フィニョン負けちゃうー、逃げてー!!」


 お姉様の応援に悲壮感が漂ってくる。ついさっき、自分のゴーレムが負けそうになって泣いてしまったので、お姉様の気持ちが凄く分かります。


「フィニョンがんばれー!」


 自分もお姉様のゴーレムを応援した。このままじゃお姉様も泣いちゃう!それはダメ!


 フィニョンゴーレムの足を騎士ゴーレムが薙ぎ払うと、脚の先に剣が引っ掛かり倒れてしまった。

 騎士ゴーレムが剣を振りかざす。


「きゃぁっ!」


 お姉様と自分は思わず顔を手で覆い目を瞑ってしまった。


 パキンッ!


 フィニョンゴーレムが割れる音が聞こえてくる。負けたのだ。

 あぁお姉様が悲しんでしまう。どうしよう。


 覆った手を少し開いて、ゴーレム達を探し見る。


 そこに立っていたのは、フィニョンゴーレムだった。


 お母様の騎士ゴーレムはフィニョンゴーレムの側にいるが、持っていた剣が折れている。


「フィニョンが、かった?」


 ナーグローア様に勝敗を問いかける。


「ええ、フィニョンの勝ちですわね。剣が折れてしまいましたもの、戦えませんわね。」

「やったー、フィニョンがかったー!おねえさま、フィニョンがかちました!」


 お姉様は覆ってた手を下げてフィニョンを見る。


「やったのね。私のフィニョンが勝ったのですね。」


 少し涙で潤んでいたお姉様はとても良い笑顔に変わっている。


 お姉様の手を取ってステップを踏みながら、勝利の喜びを分かち合った。良かったーお姉様が泣かなくて!嬉しいよー。


「ふふ、本当に可愛い姉妹ですわね。貴女が羨ましいですわ。」

「ナーグローア、貴女も随分優しくなりましたわね。また遊びにいらっしゃいな。この子達はどんどん大きくなってもっと可愛くなりまわすよ。」

「そうね、この子達を見ていると、貴女と過ごした日々が蘇ってくるようですわ。是非、招待してくださいませ。」


 お母様とナーグローア様は互いに微笑み合うと、自分達を懐かしむように見つめる。


「またここに来たいから、良くない周期、早く終わってほしいですわ。」


 ナーグローア様は溜息混じりにそう呟くと、自分とお姉様を両腕でギュッと抱き寄せた。

魔王様の胸を揉んだら辱められたアリシアちゃん。

ゴーレムが負けそうになって泣いちゃうアリシアちゃん。


いろいろ負けっぱなしでした。


---------------------------------

いつも読んでいただきありがとうございます。

活動報告にアリシア・エルステアの

設定イメージを掲載してますので、

ご興味ありましたらご覧ください。


読んで面白いと感じていただけましたら是非、ブクマもしくは評価をお願いします!

毎日1話更新中です!どうぞよろしくお願い申し上げます。

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