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28才徒然日記

いちご狩り

作者: p.h


3月の中頃、人生初めてのいちご狩りへ行った。

いちご狩りというのは3月の初め頃からやっているらいく、前日に“これが最後だから!”というように吹雪いた次の日でまだめちゃくちゃ寒かったが、私は“いちご”と聞くと春が来たような気分になってウキウキしていた。

友人達と待ち合わせの前に、お金を下ろすためにコンビ二に寄った。


私の住んでる地域は越後姫というブランドいちごが有名だ。このいちごは実が柔らかくて流通が難しいため、貴重で狩るためにもまぁまぁなお金がかかる。そりゃそうだ、“姫”なのだから、しかも甘くてとても美味しい。90分1800円。貧乏な私にはくぅー!痛い出費だったが、さすが“姫”、そう易々と狩らせてもらえる訳がない。だからATMに行った。


私がATMでお金を下ろしていると、隣のコピー機に結構なおじいちゃんがコピーにやって来た。おじいちゃんは全体的に動きがゆっくりで、“おいおい、おじいちゃんコピー出来んのか?”と不安になった。しかし、私も集合時間が迫っていたので、おじいちゃんが分からなくても隣で雑誌を並べている店員が教えるだろうと思って、下ろしたお金をしまっていた。すると、カツ カツ カツ カツと、隣のおじいちゃんから謎のカツカツ音が聞こえてきて、おじいちゃんが明らかに小銭入れではない壁に10円をカツカツしていた。

“えーっ”と思ったがよく見ると、なんとなく10円が入りそうな溝はあるが穴はなく壁だ。いやまぁなんとなくその間違いも分からないことはないが、幾度となくカツカツとトライし続けるおじいちゃんに“あー、もう!”と思い「おじいちゃん!おじいちゃん!ここですよ!」とお金を入れる所を教えた。


私に肩を叩かれたおじいちゃんは「ここ!ここ!」と指差している私をきょとんとした目でみて一言「おん」と言って10円を入れた。

正直私は“いや、このおじいちゃんこんなんじゃコピーも分からんだろ”と思い説明しようしたが、コピーはめちゃくちゃスムーズにタッチパネルを押してコピーしていた。“いや、これは分かんのかい!”と心の中で大きくツッこんだ。その後もおじいちゃんは私などいなかったかのようにスムーズにコピーをして、お茶を買うためにレジに並んでる私を追い越してトコトコゆっくり出て行った。

いちご狩りはめちゃくちゃ美味しくておなかいっぱいになって楽しかったが、無心でいちごを狩ってる時にふいにさっきのおじいちゃんが出てきて一人ブフッフッと思い出し笑いをしてる所を友達に見られた。

ぜひ機会があれば越後姫、食べてみて欲しい。


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