プロローグ1
全身を包み込むように光がさしていることを感じる。小鳥がさえずり、風がなびく。とても心地よい安堵感に包まれている。こんな安心できる心地よい場所は知らない。俺の知る限りではー。
「ってここはどこだよ!!」
勢いよく立ち上がると一瞬クラッと目眩がする。今まで目を閉じていたせいで目がなれるまで多少時間がかかった。
ようやく目がなれてきて第一に目に飛び込んできたのは所々にある町だ。自分の後ろ方向を除く周辺は見事にまでも整地された草原が広がっていて、その所々に町がある。しかし、自分がよく知る場所とは違った。遠目だから見間違いなのかと思ったが、和式の昔ながら母屋や中華風の建物、高層ビルと石造、木造とこんがらがっているのである。ここは本当に日本であるのかと疑問を抱く。ただ一言、言えるのは「こんな場所見たことはなかった」だ。それに、一番に目を疑ったのは空に飛ぶ謎の生物である。僕の記憶が正しいならばあれは間違えなく龍である。
そして、一番突っ込みたいのはこの“壁”である。僕の目の前にどうどうと聳え立つそれは明らかに悪意を持ってたてられたことに違いはなかった。よく見渡すと自分は壁に囲まれたところにいることに気が付いた。壁が円形状に俺を含む土地を囲んでいるのだ。
とはいうものも、壁の中はとても広く目の前にある壁の正反対の向きにある壁は地平線彼方になんとか目視できるものだ。巨人攻めてくるならまだしも今しがた理解が出来なかった。
唐突に足音が聞こえた。咄嗟に後ろに振り替えるとそこには和服を着たツインテールの子がいた。