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知らないこと〜これからのこと

これからだから、今までのことは知らなくても良いのかもしれない。わからないことがあるから。

でも、それでも、これから、お互いに知っていきたい、そんなことを思う。

 食べ終わって、会計をする時、輝は先に店の外に出ていた。

 中学時代、顔馴染みだったおばさんが、お釣りを渡してくれながら、懐かしそうにオレに声をかけてきた。

 「久しぶりよね、あなた?もう高校生?遠くなっちゃった?」

 「あ、そうなんです。S高なんで、逆方向になっちゃって。」

 「あら!すごい。頑張ったのね〜。一緒にいた子も同じ高校?」

 「え?あ、そうです。中学も同じなんですけど…」

 輝は前にもここに来たことがあると言っていた。まさか、おばさん、あのイケメンを覚えていないのか?と、聞く前に、おばさんが思い出した。

 「あ、そうそう。覚えてるわよー。あんなイケメン、なかなかいないもの。」

 やっぱり。そりゃ、そうだろうよ、と思って、なんか安心したのに、その直後。

 「でも、あの子、あなたみたいに放課後、友だちと来てたんじゃなかったから、ちょっと忘れてたわ。」

 「え、じゃあ?」

思いもよらない言葉にオレは驚いて、聞き返した。

 「多分、お兄さんかお姉さんと一緒だったんじゃないかしらね。土日とか、お休みの日に来てたから。」

 その言葉にオレは思わず、外にいる輝の方を見た。オレの視線に気がついた輝は目を合わせると、嬉しそうににっこり笑った。

 「そうなんですか。あ、ご馳走様でした。やっぱり美味かったです。また来ます。」

 なんかちょっとショックだったけど、それ以上は聞いちゃいけないような、聞きたくないような気がして、オレはおばさんとの会話を打ち切って、輝のところに駆け寄った。

 「お待たせ、美味かったな。ちょっと回り道だけど、またこようぜ。」

 「おう、いいな。みずき、ホント、もんじゃ焼くのうまいんだな。また作って。」

 仕方ないなぁ、と輝の肩を軽く小突いて、オレたちは歩き出した。

 駅までの間、輝はいつもの調子を取り戻して、オレは何度も、バカ、と言われて、輝に笑われた。

 

 「じゃ、明日、7時にな。」

 駅前の交差点まで来て、オレたちは左右に別れる。

 輝は右に、オレは左に。

 ホントはもっと手前の道を左に曲がった方を近いんだけど、なんか話が終わらなくて駅まで来てしまった。

 「うん、じゃあな。っていうか…大会、頑張ろうな。色々あるのはわかるっていうか、オレにはわからないことだけど、せっかく一緒に出るんだから、勝ちたいじゃん。一緒に。」

 「一緒に?」

 「そう、一緒に勝とうせ。せめて、一回戦。」

 優勝目指そう、くらい言いたいところだけど、まぁ現実は甘くないから。

 「一回戦。」

 さっきからオレの言葉を繰り返すだけだった輝が、いきなり、笑い出した。

 「だよな、せめて、一回戦は勝ちたいよなあー。なんか、オレバカみたいだ。」

 「え、何が?」

 「レギュラーに選ばれたくらいて、目立つとか、なんなんだよな。優勝でもすれば、そりゃ目立つだろうけど。」

 その言葉に、オレも初めて気がついて、大笑いした。

 「確かに。しかも市の大会じゃなくて、全国大会で、とかな。」

 「だな!」

 そう言って、二人、大笑いのまま、手を振って別れた。

 

 ひとりになってから、オレはなんだか考え込んでしまった。

 輝の友達…。中学の頃の記憶、あんまり覚えていないけど、輝は一軍男子で他にもいたヤツらと一緒にいたんじゃないかと思う。

 確かに、その中で同じ高校に来たヤツはいないのだが、それでも友達って続くもんじゃないのか。

 実際、オレにも中学時代につるんでいたが、高校で別れた郡司っていうマブダチがいるが、そいつとは今でも暇さえあればどっちかの家に行って、ゲームして、くだらない話をして…とにかく、付き合いは続いている。

 輝が友達ともんじゃ屋に来たことがない。本人は何も言わなかったけれど。

 中学時代のあいつら、友だちじゃなかったのかな…じゃあなんだったんだろう。

 オレのことは「部活仲間」だと言っていた。

 輝は友だちだと思う条件?気持ちのハードルみたいなのが、高いのかな。それとも…。

 考えても、なんか意味が分からず、考えるのをやめた。でもオレは、そのことをずっと忘れることは出来なかった。

 今日から、今から友だちだと言ったんだ。これからのこと、考えたい、なんか、そう思った。

まだまだキャラが固まってなくて、ちょっと迷走してます。後の方とつじつま合わなくなりそうだな〜と心配してます。

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