表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

イケメンのお友だち〜たく兄

短い高校時代、人生の通過点でも、それはかけがえのない時間。つまずいても、つまずかなくても、真っ直ぐに進めても、進めなくても。

※今回はひたすら明るい会話が続きますので、ご安心ください。

 結局、夕飯をご馳走になることになって、満足した叔母さんが部屋を出ていくと、オレはあらためて、今日の本題を切り出した。

「それでさ、いち兄、そろそろ塾ってか、予備校、決めようと思って。部活、今度の大会で辞めることにしたから。」

「おう、やっとその気になったか。それも、お友だちのおかげか?そうだな、みー、ここまで頑張ったんだから、K塾、行ったら?」

「え?」

 どうかな、と相談する前にそう言われて、面食らう。

「何?不満?」

「いや、そうじゃなくて、行ける?オレ?着いていける?ってか、入れる?まず?」

 最初に聞きたかったことを並べ立てると、いち兄は「そうだな。」とちょっと笑ってから、さっき渡したコピーをみて、それをオレの前に差し出した。

「まず、大事なのがここ、みー、一度も成績落としてないだろ。苦手な古文とかも、平均以上はキープしてきたし、それが今回、お友だち?のおかげ?でアップしてる。」

 指差されたところにはこれまでの成績がグラフで表示されていた。

 お友だちのおかげ、ってところを変に強調されたのは気になるけど、そう言われると確かにその通りだった。

「想像するに、そのお友だち?K塾の特進に行くんだろ?」

「あ、うん。そうらしい…です。」

「で、一緒に通いたいんだろ?みーとしても、その、お友だちも?」

「あー、うん、そうかな…。」

「だったら、チャレンジしてみれば?多分、入れると思うし、みーなら、入ってからも頑張れるよ。兄ちゃんはわかるぞ。」

 お友だちと一緒にな、と謎の目配せ付きで太鼓判(仮)を押された。

 何故、いちいち、お友だちを強調してくるのかは、わけわかんないけど、この前、輝と話したことを思い出して、オレはホッとしたし、なんかすごく嬉しくなった。「うん、頑張ってみる。」

 そう言って、小さく頷いたオレの頭を、いち兄がまた、ぐしゃぐしゃに撫でた。

 

 いち兄との話を終えて、リビングに行くと、ダイニングテーブルにはどうした?というほどの料理が並んでた。

 座って、と、おばさんに言われていち兄と並んで座ると、突然、後ろから襲われた。

「みー助!」

 長い腕で頭を抱え込まれて、いち兄の時と同じく、髪の毛がぐしゃぐしゃにされた。

「た、たく兄!いたの?久しぶりだね。」

「なんだよ、みー助。そのよそよそしい態度は。兄貴のとこばっかり行かないで、オレんとこも来いよ。」

 いち兄の弟、たく兄は大学に入ってから,何かと忙しいらしく、最近、会えてなかったのだ。

「仕方ないだろ、匠。お前、みーが来る時、いつもいないんだから。」

 いち兄がそう言って、たく兄の腕を払い、オレを解放してくれた。

「そうだよな〜。だから今日は急いで帰ってきたんだぜ。みー助、今日、泊まって行けよ。オレと寝ようぜ。」

「あら、それはいいわ。みーちゃん、そうなさいな。」

 叔母さんまで、たく兄の後押しをしてくるが、こっちにも都合というものもあるわけで。

「あー、いや、せっかくなんだけど、明日、朝から部活があるから。帰らないと。」

「えー、なんだよ。サボれよ、一回くらい。ダメなの?」

 そう言われても。明日も輝と約束しているし、さっきいち兄と話したこと、早く報告したいと思っているから。

「無理言うなよ、匠。みーはお友だちと約束があるんだよ。な?」

 何故、それを?いや、多分、適当に言ったんだと思うけど、いち兄の助け舟で、たく兄は引き下がってくれた。

「なんだよ、お友だち?それじゃ仕方ないなぁ。」

 たく兄も何故かお友だち、を強調して、そう諦めの言葉を吐いた。

 その代わりにこの後、たく兄と一緒にゲームして、バスがなくなるまでいて、帰りはたく兄の車で送ってもらうという、オレに良いことばかりの条件がつけられた。

 昔から、ここの家族はオレに甘い。

 子どもの頃、上に性格強めの姉が2人いて、振り回されてばかりだったオレは、なんでも好きなことをさせてくれて、物知りで頼もしい兄ちゃんが2人もいるこの家が大好きだった。

 高校生になった今も、それは変わらない。

 来たら大歓迎されるし、食べ物も、ゲームも、漫画も潤沢で、おまけに宿題や勉強のわからないところも教えてくれる。

 輝とのことが無ければ、泊まっていくのも全然、ありなのだ。

「お友だちって、どんなヤツ?」

 味噌汁をすすりながら、たく兄が聞いてくる。

「どんなって…」

 ボキャブラリーの少ないオレが詰まる。

「どこ中?」

いち兄が別の角度から責めてくる。

「あ、同じ、ニ中。」

「何、それで最近、仲良くなったの?確かみー助以外、2人?3人?くらいだろ?ニ中から行ったヤツ。なんて名前?」

 たく兄にそう言われて、確かにと、ちょっと考える。

「うん、オレとそいつも入れて3人。いや、だから、前から仲良くなかったわけじゃなくて。同じ部活だったし。良いヤツだし。一緒に試験勉強したのが初めてってだけで。あ、保里 輝(ほり かがや)って名前。」

 そう、だよな。あらためて友だちになってくれって言われたけど、それもなんかおかしなことかも、とオレはまた考え込んでしまう。

「ふーん。なんか、聞いたことある名前。一言で言うと?どんなキャラ?」

 唐揚げを飲み込んだ、いち兄がまた、別角度から詰めてくる。

「一言?え〜っと、ハイスペックイケメン?」

 口の中の唐揚げをもぐもぐしながら言った、その言葉に、兄ちゃん2人が食いつく。

「へー、そうなんだ。」と意味深な顔をするいち兄。

 で、すぐにお互いを指差して、

「どっち系?」と聞いてくる。

「ちょっと、あんたたち、やめなさい、そういうの。」

 ご飯のおかわりを盛ってくれながら、おばさんがたしなめるが、そうなのだ。同じ血が流れているのに、平凡な顔をしてるオレと違って、ここの兄弟はイケメンなのだ。

「うーん、どっちでもない。クール系、モデル顔かな。」

 ちなみにいち兄はすっきりした、爽やか系イケメンだし、たく兄は眉のキリッとした日本男子系のイケメンだ。

「なんだよ、みーはそういうタイプが好みか?」

「好みって、友だちだよ?」

 何言ってんの?と眉をしかめたオレの頬を横からいち兄がつついてきた。

「友だちって言っても、好みは出るんだよ。無意識にな。」

「ってことは、みー助を選んだそいつは、可愛い系が好きなんだな。」

 向かいに座っているたく兄が長い腕を伸ばして、オレの頭をポンポン、と撫でるように叩いた。

 何、それ?と、もう一度顔をしかめたが、ここの兄弟にはそんなことは通用しない。さらに。

「そうね、そのお友だち?みーちゃんを選ぶなんて、良い趣味してるじゃない。今度、連れてらっしゃいよ。おばさん、ご馳走しちゃう。」

 なんだか全員がバグってる。

 まぁ、でも、輝をここに連れてくるのは、自分の家に連れて行くよりも、ハードルが低い気がする。

 ただ、今みたいにオレをカワイコちゃん扱いされるところは、正直、見られたくはない。

前回、事件のことを書きましたが、これからはその後起きたこと、解決するまでのことをぐるぐる回りながら、書いていきます。

伏線回収、うまくいくかなぁ〜?

なかなか進まないこともありますが、よろしければ、お付き合いください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ