三 推薦試験
ネフムは鍛練と調整を行っていた、、
そうして、入学当日になり、学園へと向かって行く、、
すると、二人を出迎えたのは、かつて父 グロッテルを教えていたものであった、、
そして、ネフムの推薦試験が始まった、、
入学試験当日、、
「今日は入学試験だな!!と言ってもお前は推薦試験だがな!!」
「父上、、うるさいです。」
「あはは!!すまんな!!」
「はぁ、、父上、学園に着いたら静かにしてくださいね?」
「おう!!任せておけ!!」
そうして、ネフムたちは学園へと向かって行った、、
その間も、ネフムは自身に弱体化魔術と重力魔術、浮遊魔術を維持していた、、
それから数分が経った、、
「ネフム!もうすぐ学園に着くぞ!」
「そうですね、今日は普通科、魔術科、武術科、推薦すべて行いますので、本当に静かにお願いしますね?」
「わかっておるわ!俺もこの学園を卒業しているのでな!入る苦労は知っている!!」
「そうですか。」
そうして、二人は学園の前門に着き、下車をする、、
「ここが「魔武学園」だ!!」
「そうですね、お静かにお願いしますね、父上。」
「あはは!!言い過ぎだぞ!!息子よ!!」
二人が会話をしていると、前門から声が聞こえる、、
「随分と大きい声が聞こえると思ったら、、お主だったか、、グロッテル、、」
「、、っ!!おぉ!!お久しぶりでございます!!教授!!」
「どちら様です?父上。」
「ん?あぁ!!こちらの方は俺が学園に入学した時、俺に色々と教えてくださった方だ!教授!こちらが俺の倅のネフムだ!」
「初めまして、私、グロッテルの息子のネフムです。」
「おぉ、、お主がグロッテルの推薦で入学希望の、、」
教授と呼ばれる人は、ネフムを注意深く観察する、、
「おぬし、、随分と、、」
教授が何かを言おうとした瞬間、開始の鐘が鳴る、、
「、、っ!!開始の鐘が!!」
「安心しろ、お前の試験官はわしだ!!」
「、、はぁ?何言って、、」
ネフムが鬼門に思っていると教授が杖を地面に打ち付ける、、
すると、二人を囲うように半球の障壁が瞬時に形成されていく、、
「、、障壁魔術、、無詠唱で、この速度で生成できるとは、、あんた、、だいぶやり手だね。」
「そうかい?これを瞬時に見抜けるお主も相当だろう、、」
「そうかい?」
ネフムが構えをとる、、
「ん?お主は構えをとらないと思ったんじゃがな?」
「、、それは無理だな、、障壁魔術に加え隠蔽魔術、それに火炎魔術をひそかに構えている相手に、油断はできないからね。」
「、、、、やはりお主、、」
そうして、二人の間に数秒の沈黙が続いた、、
それを最初に破ったのは、教授の火炎魔術であった、、
その火炎魔術は、試験の範疇を超え、直撃すれば命に届き、掠っただけでも神経を焼けるほどの威力であった、、
「、、っ!?この威力は試験の範囲ではないぞ!!」
「安心しろ!!お主なら確実に防げる!!」
「、、っ!!」
火炎魔術がネフムに直撃する、、
その熱によって、地面は溶け、空間に揺らぎが生じた、、
「、、だめだったか、、?」
教授がつぶやくと、煙が回転し晴れる、、
「危ないことをするな!!僕でなくては死んでいたぞ!!」
「、、っ!!やはり生きていたか!!であればこれもくらえ!!」
教授が手を上に向け、風を一点に集める、、
「旋風魔術、、まずいな。」
教授は、ネフムが自身の攻撃を受けてもなお、立っているのが嬉しかった、、
それは、教授がこの学園で誰よりも魔術に長けており、誰も彼の右に立てるものがいなかったからである、、
教授の強さは、発動までの速度とその威力にある、、
「さぁ!!くら、、」
「、、っ!!すみませんね!!」
ネフムが教授に向かって手を向ける、、
すると、手のひらから鎖と楔が出現し、教授を拘束する、、
その速度は、教授の魔術発動を大幅に上回った、、
「、、っ!?わ、、わしの魔術が完成した後からでも、わしを拘束できるか!?」
「、、危なかった、、あんなものを発動していたら、障壁魔術も壊してしまうぞ!!自身の障壁魔術の耐久性がわからないわけではないだろうが!!」
「、、まだ持ったはずだが?」
「お前が張ったのは、物理障壁だろ、確かに物理障壁でもある程度の魔術は防げる、しかし、魔術障壁と違って、その耐久性は格段に下がってしまう、そのことを分かったうえで撃ったな?」
「、、お見事!!障壁までは見破られると思っておったが、、まさか、物理と魔術障壁の違いまで知っているとはな、、随分と「魔導の茨道」を呼んでいるようだな、、」
「ん?なんだって、、?ま、、「魔導の茨道」、、?何それ?」
「、、っ!?知らないのか!?「魔導の茨道」を!?」
「うん、、知らないね。」
「そ、、そんな、、「魔導の茨道」は「魔術神」とまで呼ばれた三十英雄の一人、オネルデルド様が後世のためにと執筆した最高峰の魔導書だぞ?」
「あぁ、、だから、あの子の癖が出てたのか。」
「え、、?あ、、あの子?癖?」
「そう、あの子は魔術を発動させる前に、ほんの少しだけど魔力が使用する魔術の性質に変わる、、何度も言ったんだけどね、、やっぱり、癖は直らなかったか、、てことは、君の師匠はネルデなの?」
「そ、、そうだが、、オネルデルド様をネルデと呼ぶことが出るのは、、あのお方が唯一勝てる未来が見えないと言っていた「先生」だけ、、つ、、つまり!!」
「黙っておいてね?僕があの子たちの先生だってこと。」
「、、っ!!やはり!!もちろんです!!推薦もわしの権限で合格にいたします!!」
「そう、ありがとう。」
ネフムは、教授に正体がばれたものの推薦は無事に合格をした、、
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