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一 先生の最後

「最古の先生」と呼ばれるものが今日この世を去った、、

その先生は、万術の開祖であり、先生であった、、

だが、その先生も「人間」、故に寿命が存在する、、

しかし、先生は教え子に最後の宿題を残した、、、


この世界には、「最古の先生」と呼ばれる人物がいた、、

その先生は、剣術の師匠であり、賢者の先生であり、武術家の開祖であった、、

だが、これまでに教えたものは三十人、、しかし、その三十人の全員が歴史に名を遺すほどの偉人であり、英雄たちである、、

それでも、「最古の先生」が「人間」であるがゆえに、寿命による「死」は逃れられなかった、、


「先生!!お願いだ!!死なないでくれ!!まだまだ俺たちに教えてくれよ!!」


「そうですよ!!まだまだあなたを必要としている者たちは沢山います!!魔術でも!!気術でも!!まだまだ元気に生きてください!!」


「そうだぜ!!魔術も剣術も武術も終わりはないって!!そう言ったじゃないですか!!なのに、、なのに!!教えてくれる人がいないんじゃ、、誰に教えてもらえばいいんですか!!あなたが死んでしまったら、、誰が、、」


教え子たちが先生の死を頑なに信じようとしない中、先生が口を開く、、


「、、大丈夫だよ、、僕がいなくても、、君たちは大丈夫だよ、、だって、、君たちはもう僕を超えているから、、」


「、、っ!!先生!!何を言っているんですか!!私たちはまだ、、」


「、、大丈夫だよ、、でも、、まだ不安なら、、僕からの最後の宿題、、」


「、、っ!!なんですか!!先生!!」


「、、僕の名前が歴史に残らないくらい、、強くなりなさい、、そして、未来につなげなさい、、」


それを聞いた、教え子たちは涙をぬぐい、決意を決める、、


「「「はい!!」」」


その決意のこもった返事を聞いた、先生は笑い、眠るように人生を終えた、、


「、、ここは、、死後の世界かな?ん~!!随分と長く生きたな~、、」


先生がつぶやくと、頭上から声が聞こえる、、


「初めまして、「万祖」ネフレット。」


「おぉ!神さんか!初めまして!!」


「死んだというのに、随分と元気ですね。」


「ん~?まぁ、満足したからかな?」


「満足ですか。」


「そうだね、全部出来たわけじゃないけど、僕の魔術も、剣術も、武術も全部あの子たちに教えられたからね。」


「そうですか。」


「あぁ、でも、後悔がないわけじゃないよ?」


「お聞きしても?」


「そうだね、、例えば自分の眼であの子たちの成長を見ることができなかったことや、皆の流派を見れないことだったりとは、、本当に色々とね。」


「貴方はどこまで行っても「先生」なのですね。」


「そう?僕よりもあいつの方が向いてたと思うけどね。」


「あいつとは?」


「ん?僕の人生を見ていたならわかるでしょ?」


「えぇ、ですが一応の確認でしたが「食豪」メラストですね?」


「そう、あいつは「食べるだけ」って言ってたくせに、誰よりも他人に優しく、誰よりも教えるのが向かったのにさ、あいつは僕に押し付けて、先にぽっくり逝ってさ、本当に自分勝手な野郎だったよ。」


「そうですか、随分と仲が良かったのですね。」


「そうだね、僕の人生で一番の親友さ。」


「そうですか、では、これからは私の話です。」


「おう!ありがとうな!僕の話を聞いてくれて!」


「いいえ、とっても面白かったですよ?では、私の話は「未来に転生をしませんか?」という話です。」


「未来に転生?」


「はい、貴方には今の技量をもって、未来に転生をしてもらいたいのです。」


「それはどうして?」


「それは、、」


「答えられないか、まぁいいや、いいよ。」


「いいのですか?私は何も答えてないのに、、」


「いいんだよ、何かを答えなきゃ何もしない、なんておかしいでしょ?相手が困っているなら誰だろうが助けるってのは善人の妄言だけどさ、それでも、僕はそうでありたいと思って行動しているからね。」


「そうですか、、では、転生の準備を始めます。」


「うん、わかったよ。」


そうして、神が転生の準備を始めた、、

すると、神が口を開き、ネフレットに対し質問をする。


「ネフレットさん、どうして、蘇生の議をしなかったのですか?あなたの力があれば、メラストを生き返らせることもできたでしょうに。」


「う~ん、多分出来たと思うけど、蘇生したら君が私を殺しに来るでしょ?」


「えぇ、まぁ、蘇生は禁忌ですから。」


「そうだよね~、でも、神が殺しに来なくても僕はしないかな?」


「どうしてですか?」


「あいつが覚悟を決めたから、僕もそれに答えようと思った、、ずっと、あいつは言っていた「忘れられた時や満足したときに本当に死ぬ、だから、私はそれまで死なない」って言ってさ、でも、あいつが選択したのは「忘却」でも「満足」でもなく「覚悟」で死んでいった、、でも、それはあいつが選択したことだから、僕は見守ること以外は侮辱に当たってしまうから、僕は蘇生はしないかな?」


「なるほど、興味深いお話をありがとうございます。」


神がそういうと、転生の準備を終えた、、


「さぁ、転生の準備ができましたよ。」


「お!!じゃあ行くか!!」


「、、本当にありがとうございます。」


「何言ってんのさ!!こちらこそありがとう!!これで教え子たちの未来を見れるよ!!」


ネフレットは笑いながら、光に包まれ転生した、、


「貴方の人生に祝福を。」

お読みいただきありがとうございます。

誤字脱字、意見などありましたら、コメントなどしていただけると幸い。

高評価、ブックマークなどもよろしくお願いします。

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